
渋谷すばるさん
渋谷すばるさんがニューアルバム『Su』をリリースした。コンセプトは“あなたと共に”。
心身ともに健康で、曲作りの意欲がどんどん湧いた
「実はこのコンセプトは、当初のアルバムタイトル『with U』から生まれたもの。それで僕は『with U』の作詞・作曲から始めて、いろいろな楽曲を作っていく中で『Su』が出来上がり、アートワークをお願いしている方々に聴いてもらったらものすごく気に入ってくださったんです。アルバムタイトルも『Su』でいこう! とバカ盛り上がりして(笑)。ただ今作に収めた楽曲は、ライブでの客席の盛り上がりや一体感をイメージしながら作ったものがほとんどで、お客さんと一緒にライブで完成させたいという想いがあったので、“あなたと共に”に違いはないんです」
「関西弁を連打している曲を作りたくて」生まれた「Su」。
「関西弁は自分のアイデンティティで、音楽表現の一つ。ゲストボーカルに横山(裕)が入ってくれたおかげで、めちゃくちゃ豪華になっています」
そこには横山さんのアルバムに収められたコラボ曲「繋がる」(作詞/横山裕、作曲/渋谷すばる)にも参加したから、という経緯もある。その「繋がる」はキーをアレンジしたものだったが、今作ではオリジナルのキーの“Su ver.”になっている。
「これは再録せず、横山に送るデモとして自分のスタジオで録ったもの。横山から歌詞をもらった時の感情の勢いのまま、バーッと作った曲で、初期衝動が詰まっています」
表題曲のつもりで作った「with U」は、「制作しながらお客さんが一緒に踊っているライブの絵が見えた」と話すように、おしゃれでポップな踊れる一曲に仕上がった。
「制作期間は限られていたけど、新たな発想がどんどん出てきました。前作のアルバム『Lov U』はたくさんのクリエイターの方に楽曲を提供してもらったんですが、それによって自分を客観視できたことがすごく大きかった。曲って元気じゃないと作れないんですが『Lov U』のツアーをやっていく中で、だったらこういう曲も作りたいと、どんどん意欲が湧いてきたし、健康になっていったんだと思います」
今作では自作した曲も多く、作りたいと思ったことを全部やりきれて、すごく満足だという。なかでも特に印象に残っているのが、作詞を手がけた「Nekonome」。
「デモ段階では簡単なギターとリズムにピアノの旋律が乗っているだけの状態でしたが、すごくポジティブな印象を受けたんです。数か月経って、よし作詞を始めるかと思った時には、初めて聴いた時の前向きさに加えて、踏まれても踏まれても起き上がる雑草魂みたいな力強い印象を受けました。そこからいろいろ考えたり調べたりしていくうちに“ネコノメソウ”という雑草に出合ったんですが、雨とか朝露を受けると、葉っぱが猫の目みたいにきらんって光る姿がすごく素敵で。この名前ってすげぇ面白いなって思ってつけました。歌詞はキャッチーな言葉で遊んだり、オノマトペの要素がちりばめられているんですが、書いていてすごく楽しかったです」
コミックの主人公を想像させる「POPEYE」は、ポパイとオリーブのラブストーリー。
「The Birthdayが奏でる絶妙なロック。女性コーラスが入っているので、ライブでは誰か女性ボーカルにお願いするとか、面白い演出ができたら。そして来年は、芸能生活30周年。特別なことをして盛り上げたいです。例えばジャンルの違う人とコラボしたり。いや、人間じゃなくても、キャラクターとかでもいいけど(笑)。楽しんでくれる人がたくさんいるというイメージが見えたら、何でもやりたいです」
Profile
渋谷すばる
しぶたに・すばる 1981年9月22日生まれ、大阪府出身。2019年よりソロとしての活動を開始。これまでリリースしたアルバムは『二歳』『NEED』『2021』『Lov U』。ツアーやフェスの参加を積極的に行うほか、俳優としても活躍する。
Information

『Su』
ニューアルバム『Su』は渋谷すばる色が炸裂する12曲を収録。表題曲「Su」に盟友・横山裕、さらにThe Birthday、Wienners 玉屋2060%など豪華アーティストが参加。【通常盤(CD)】¥3,300など3形態。(TOY'S FACTORY)
anan 2470号(2025年11月5日発売)より





























