いまや配信エンタメを代表する大コンテンツとなった恋愛リアリティショー。そこで、ここ10年で世間を席巻した人気作品を、ハマるポイントとともに一挙ご紹介。今からでも追いつく、見たい作品がきっと見つかります!

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    多様性を内包したグローバルなコンテンツへ

    人気タレントを輩出したり、名言、名シーンがSNSでトレンド入りするなど、常に話題を振りまく恋愛リアリティショー。ライターのNana Numotoさんにこのブームの変遷を聞いてみた。

    「『あいのり』や『恋するハニカミ!』など長らくテレビで親しまれてきましたが、2015年からNetflixで『テラスハウス』が配信されると、舞台はオンデマンドに移行。『オオカミくんには騙されない』シリーズや、『今日、好きになりました。』など若年層を中心とした人気番組から、『バチェラー・ジャパン』や『ラブキャッチャージャパン』など斬新なフォーマットの恋リアに大人世代も夢中になっている印象です」

    また、ブームの背景にはSNSとの相性の良さがあると考察。

    「公式アカウントのツイートや切り抜き動画が拡散され、賛否両論を含め話題になりやすい。また、出演者のインスタを通じて、彼らの素顔を知れたり、番組終了後の活躍を追えたりと“推し”を愛でる楽しみも。最近はジェンダーや年齢層を限定しない恋愛をテーマにした番組も増え、より自分の嗜好にマッチした作品と出合いやすくなりました。日本発の番組が世界配信されたり、海外の番組が日本で見られたりと今後も国境を超えた人気が続きそうです」

    恋リアここが見どころ!

    1、気になった作品を一気見できる!

    NetflixやABEMAなどオンデマンドサービスは配信と同時に全話公開されているものも多く、エピソードを一気見できるところが強み。次話を待たずに視聴できるため、熱量を高く保ったまま、番組の世界観に没入しやすい。

    2、MC陣のコメントにも注目

    進行を務めるMCは番組を盛り上げる重要な役どころ。参加者の言動に共感したり、軽妙にツッコんだり。世代や性別、立場を超えてさまざまな解釈を与え、「そうそう!」とうなずけるポイントを作ることで幅広い視聴者が楽しめる。

    3、出演者のその後を追うのも醍醐味

    番組出演をきっかけに人気を集め、タレントや俳優、インフルエンサーとして活躍の場を広げる参加者も。SNSなどで近況を知ることができ、推し活感覚で応援できる。ファンミなどを開催することもあり、会いに行く楽しみも!

    1、ゴージャスなデートの連続! 非日常の世界観も魅力

    『バチェラー・ジャパン』(2017~)
    高スペックな独身男性が、複数の女性の中から真実の愛を見つける婚活サバイバル番組。ゴージャスなロケーションを舞台にロマンティックなデートを重ね、最後に残った1人の女性が結婚を前提とした交際にすすむことができる。女性参加者同士のバトルやドキドキの実家訪問など見どころ満載。エピソードの終盤に行われるカクテルパーティなど非日常感にも引き込まれる。約1年に1回のペースで新シーズンが配信。成婚カップルも誕生し、シリーズを重ねるごとに注目度が高まる。Prime Videoで独占配信中。

    ここが沼!

    「私のイチオシはシーズン4。バチェラーを務めた中国出身の実業家・黄皓さんはいつも自信に満ちていて、自然と女性を惹きつける魅力が。美しいタイ・プーケットを舞台にしたデートも憧れる要素が満載! 脱落者が決まるローズセレモニーは毎回緊張感があり、見逃せません」(Nanaさん)

    2、孤島でのサバイバルと豪華なホテル生活の対比もハマる!

    『脱出おひとり島』(2021~)
    韓国のとある南の孤島に集められた男女が年齢と職業を隠したまま、限られた資源の中で共同生活を送りながら、相手の心を射止めることを目指す。マッチしたカップルは、「天国島」という超豪華なホテルのスイートルームでの1日デート権を獲得できるルールもユニーク。参加者はモデルやインフルエンサー、実業家など。魅力的なルックスの人が多く、その素顔や恋の駆け引きがSNSでも話題に。韓国のリアリティショーらしいテンポのいい演出と映像美で、一気見してしまう人が続出。Netflixで配信中。

    ここが沼!

    「韓国の美男美女が火花を散らす“恋愛×サバイバル”の刺激的な組み合わせが最大の見どころ! 絶妙な心理戦やアプローチの巧みさ、そして時折垣間見える素の表情の虜に。シーズン1に出演したソン・ジアちゃんはキュートなのに、セクシーな魅力もあり、目が離せない存在です」

    3、架空のオフィスで、恋と仕事が交錯する!

    『社内恋愛』(2022)
    オフィスラブをテーマにした韓国発のリアリティショー。架空のアパレル会社「LOVE N WORK」に新入社員として入社した12名の男女が、オフィスを舞台に繰り広げる恋模様を描く。仕事と恋愛どちらでも給料をもらえるという斬新な設定。ショールーム成功のため、ミーティングやさまざまなミッションを通じて絆を深めながら、恋のライバルと繰り広げるスリリングな心理戦を展開。エレベーターや給湯室などオフィスのあらゆる場所が秘密のデートスポットになるところがおもしろい。職場恋愛を覗いているかのようなドキドキ感が味わえる。ABEMAで配信中。

    ここが沼!

    「職場恋愛の“もしも?”を体験できる画期的なフォーマット。オフィスのあらゆる設備がロマンティックな舞台になり、普段見られない表情や思いがけない駆け引きに心が揺れる。仕事の緊張感と恋のトキメキが同時に味わえる構成は、まるで自分も社内で恋をしているような没入感を得られます!」

    4、愛か? お金か? 最後までわからないハラハラ感

    『ラブキャッチャージャパン』(2023)
    男女10名が8日間の共同生活を送りつつ、真実の愛を求める「ラブキャッチャー」と“賞金500万円”を狙う「マネーキャッチャー」、それぞれの役割を隠しながら挑む、恋愛心理サバイバル。カップル成立時に相手の正体が明かされ、「ラブ×ラブ」なら愛が、「ラブ×マネー」ならマネーキャッチャーに賞金、「マネー×マネー」なら何も得られず旅が終わるという究極の駆け引きを展開。9/16から新シリーズが放送中。前シーズンを大幅に超える賞金1000万円をめぐり、駆け引きはさらに熾烈に。ABEMAで配信中。

    ここが沼!

    「予想を裏切られる展開がたくさんで、特に後半は衝撃の連続。参加者同士の駆け引きは緊迫感があり、一気見してしまいました。愛かお金か? 恋リアなのに疑ったり、騙したり。リアルな心理戦と予測不能な展開がクセになります。9月から配信スタートしたシーズン2も楽しみです」

    5、大人もハマる人続出中! 嘘が潜む恋模様にハラハラ

    『オオカミちゃんには騙されない』(2023)
    恋愛リアリティショーの人気作がNetflixに進出。本作では、年齢層が20~30代に上がったことで、大人も楽しめる内容に。モデル、俳優、インフルエンサーなど多彩な参加メンバーが、恋愛を通じて交流する中、恋をしない“嘘つきオオカミ”の存在がさまざまなドラマを生む。従来は最後まで明かされなかったオオカミの正体が第1話で視聴者に明かされ、オオカミ側の視点で見る楽しみも加わった。参加者同士のやりとりを見守る緊張感と、心の揺れ動きを同時に楽しめる。Netflixで独占配信中。

    ここが沼!

    「今作では、参加者が22~33歳と年齢層が上がり、大人の恋模様を楽しめます。“恋をせず、嘘をつき続けないといけない”という条件で参加しているオオカミちゃんが、ある人に心惹かれ、それでも役割を全うしないといけない苦しみや葛藤も垣間見えるので、ぐっと引き込まれます」

    6、手紙や偶然の出会いを重ね、心を通じ合わせる姿にキュン

    『オフライン ラブ』(2025)
    フランス・ニースを舞台に、顔も名前も知らない男女10人が、スマホなどデジタル機器を一切使わず、ガイドブックと手紙だけを頼りに10日間過ごす。その中で、運命に身を委ねて恋の相手を探し、関係を築いていく。オンラインの情報を遮断することで、会話や仕草、時間の積み重ねを通じて、相手に惹かれ合ったり、すれ違ったり。表面的な魅力だけではなく、本質的な相性が試される。デジタルのつながりが主流の現代において、人と向き合うとはどういうことかを問いかけてくれるような新感覚の恋愛ドキュメンタリー。Netflixで独占配信中。

    ここが沼!

    「参加者全員が魅力的! 特にケンスケ君、ミミちゃんの人間性に惹かれました。配信終了後も個人のSNSで近況をウォッチするほど。また、番組MCの小泉今日子さんと令和ロマンの優しく寄り添うようなコメントも心地よい。物語の舞台となるニースがとにかく素敵で、聖地巡礼したくなります」

    選者・ナビゲーター

    Profile

    Nana Numoto

    1992生まれ。ライター。日本大学藝術学部映画学科卒。映画やドラマ、ファッションを中心にインタビュー記事やコラムを執筆。恋愛ものをはじめ、国内外のさまざまなリアリティショーをチェック。

    イラスト・菜々子 取材、文・浦本真梨子

    anan 2463号(2025年9月17日発売)より
    Check!

    No.2463掲載

    熱狂のカタチ 2025

    2025年09月17日発売

    みんなの気持ちを揺り動かし、大きな熱狂を呼んでいる人、作品、モノにフォーカス。葛飾北斎の人生を描いた映画『おーい、応為』に出演する長澤まさみさんと永瀬正敏さん、歌舞伎界の新鋭・市川團子さん、T-POPのニューウェーブ・JASP.ER、話題の恋愛リアリティ・ショー『今日、好きになりました。』のキャスト、「kawaii」を生み出し続けるアソビシステムのクリエイターなど、いま盛り上がりを見せる各界の豪華な面々へのインタビューから、バズを生み出している秘密に迫ります。

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    秋分の日。暦の上では秋も後半となり、少しずつ朝晩の肌寒さが増してきます。さて、今日の暦は強いリーダーシップ(指導力・組織力)を示すものですが、あくまで力の及ぶ範囲にとどめることが肝心との注意書きも付いています。欲を出して部外のことまで口出しすると、そこで新たな問題を呼び込んでしまいます。謙虚さが大事です。

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