
間 寛平さん
座員のユニークなキャラ、お約束のギャグ、笑いあり涙ありのドタバタ劇…。長年、大阪のお笑いを象徴する存在として、多くの人に愛されている吉本新喜劇。近年、海外での公演に積極的に取り組み、昨年は韓国・釜山で公演。爆笑の渦を巻き起こした。ここでは、吉本新喜劇・GMの間寛平さんに話を聞く。
まだまだ世界に新喜劇を広めていきますよ!
――韓国でも新喜劇の笑いがウケる自信はあったのですか?
間:僕のギャグで「かい~の」ってあるでしょ。あれを韓国語で「カンジロ」って言う、それだけでドッカーンとウケるんです。まだまだ韓国では新喜劇みたいなコメディは多分、あんまりやってないんやと思うんです。だから、韓国語をほんまにきちんと覚えて、新喜劇のメンバーがやったら、もっとすごいウケるんちゃうかなって。向こう行ってほんまに思いました。
――やっぱり言葉って大事ですね。
間:日本語で演じて舞台上にハングルの字幕を出して、めっちゃウケたでしょ。でもこのままやと、これ以上発展せずに終わってしまうと思うんです。これからは、喋れるようになって海外へ行かなあかんかなと。たとえば「邪魔するでえ」「邪魔するんやったら帰ってや」「あいよ!」とか、お決まりのパターンですけど、会話の間やったり、ちょっとしたことが新喜劇は独特じゃないですか。そこをちゃんと伝えるのが難しい。でも、ある程度きちっと喋れるようになったら、それもいけるようになんのちゃうかなと思ったりもするんですよ。それに、やっぱり海外で公演させてもらうには、その国の生活や文化、人気俳優のこととかをちゃんと勉強していかなあかん。
――今回万博でも公演されました。
間:“万博に行こう!”がテーマやったんで、いつも通りの新喜劇をやりながら、万博を意識したセリフを入れたり、会場の「シャインハット」の造りを活かして通路から舞台に上がったり。英語と中国語の字幕で、海外からのお客さんにも楽しんでもらえたと思います。
――海外は今後も行かれますか?
間:まだ予定ですけど、今年も視野に入れてます。若い子を中心にしたらどうかなとは思ってるんです。力をつけささなあかんから。それには、どんどん経験を積まさないとあかん。若い子は言葉もやし、適応力もある。それで年配の先輩はサポートに徹して。そうやっていったら新喜劇はもっと良くなると思います。若い子ががんばって育っていくのがうれしいし、吉本の大谷翔平を育てたいんです。
間 寛平さん
Profile
はざま・かんぺい 1949年生まれ。’74年に24歳で座長に。2022年2月、吉本新喜劇初のゼネラルマネージャーに就任。新喜劇総選挙や全国ツアーなどを打ち出し、若手育成にも力を注ぐ。8月より全国20都市で、プロデュース公演「新喜劇出前ツアー」がスタート。
吉本新喜劇、主な海外公演の軌跡

©YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD.
1997年 ニューヨーク・ブロードウェイで初の海外公演
2006年 ハリウッド「コダック・シアター」で上演
2019年 中国、マレーシア、インドネシア、シンガポール、タイ、「吉本新喜劇ワールドツアー~60周年それがどうした!~」
2023年 上海国際コメディフェスティバルに参加
2024年 韓国・釜山「吉本新喜劇65周年記念ツアー」、上海国際コメディフェスティバルに参加
吉本新喜劇
Information

©YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD.
1959年3月発足。「なんばグランド花月(NGK)」「よしもと祇園花月」にて365日上演され日本一の動員数を誇る喜劇集団。東京のほか、全国でも不定期開催。大阪のコテコテの笑いを届けている。7月4日・5日に万博で行われた特別公演は、7月19日に毎日放送で放送予定。
anan 2454号(2025年7月9日発売)より