
左から、小川敦也さん、比江島 慎さん
ファイナルの激戦を制し3度目の優勝を果たしたBリーグ・宇都宮ブレックスから、不動のエース・比江島 慎さんと期待の新星・小川敦也さんが登場! 2024‐25シーズンの戦いについて振り返っていただきました。
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バスケ界が誇るエースは、スポーツ観戦で一流選手のメンタルを研究中。

多彩な得点力でブレックスを優勝に導いた比江島慎選手。ファイナルでは激しいマークに遭い苦戦を強いられながらも3戦目の後半、代名詞である“比江島スイッチ”を入れて大爆発。アジアのクラブNo.1を決める「BCL Asia」でも準決勝まで本調子ではなかった中、決勝ではそのスイッチを発動してひとりで30得点を叩き出し、アジアクラブ王者の称号を手に入れた。
「追い込まれないとやらないとよく言われますが、実はいまだに自分のことがよく分からなくて。それが分かっていたら最初からスイッチを押すのですが(笑)。とはいえ自分はチームを勝たせる責任があるので、リバウンドやディフェンスといった泥くさい仕事を続け流れを作りました。勝ててホッとしました」
趣味はスポーツ観戦。人知れず研究熱心な一面も。
「NBA、野球、サッカー、ボクシングの試合を観るのが好きです。ボクシング選手は自分自身との戦いでチームスポーツとは違うメンタルだろうし、大谷翔平選手は既に極めているのにまだ成長している。一流選手のメンタルは気になりますね。僕ですか? 僕は仲間に支えられながらも『大事なところは自分が決める』というメンタルで試合をしています」
比江島慎さん
Profile
ひえじま・まこと 1990年8月11日生まれ、福岡県出身。身長191cm。ポジションはシューティングガード。学生時代よりチームを何度も日本一に導き、2018年にBリーグMVP受賞。ブレックスでは2度のリーグ制覇に貢献。’24年、’25年と2シーズン連続でベストファイブ、ベスト3P成功率賞を受賞。日本代表として五輪に2回出場。
期待のビッグガードの次なる目標は…推しとの仲を深めること?

ファイナルで“Xファクター”として注目を集めたのが、サイズとスピードを兼ね備えたビッグガード・小川敦也選手だ。プロバスケ選手として活躍した父、忠晴さんの血筋を受け継ぐサラブレッドでもある。「小学生の頃から憧れていた」という比江島選手と同じ洛南高校に入学し、ついにはプロでチームメイトになり、日本一を成し遂げた。その敬愛ぶりはファンにも広く知られていて、背番号にもそれが表れている。
「最初は父が現役時代につけていた背番号31にしようかと思ったのですが、入団時に既に使用されていたこともあり、マコさん(比江島選手の愛称)と並びの7にしました」
自身初となる日本一を経験したハードなシーズンだったが、
「出場機会が増えて自分の力を発揮できると、だんだん自信が出てきました。優勝に貢献できてよかったです。ファイナルでマコさんからのパスで3ポイントを決めたのも嬉しかったです」
そんな中での楽しみは、オフの日にリラックスすること。
「オフは古着屋巡りとサウナに行くのが好きですね。サウナは大学時代から通っていましたが、プロになってからは体を休めることが大事だと分かり、行く回数が増えました」
小川敦也さん
Profile
おがわ・あつや 2002年6月24日生まれ、新潟県出身。身長190cm。ポジションはポイントガード。洛南高校時代に大型ガードとして台頭。筑波大学在学中の2022‐23シーズンに特別指定選手としてチームに加入。2023‐24シーズンにプロ契約。今年2月にはBリーグの「9代目モテ男」の称号も獲得。
BREX
Information

栃木県宇都宮市に本拠地を置くBリーグの名門。愛称は「ブレックス」。2024‐25シーズンにはBリーグ最多となる3回目の優勝に輝く。6月にアジアクラブ王者を決めるBCL Asia 2025で初優勝を遂げ、9月に開催する世界クラブ王者をかけたインターコンチネンタルカップの出場権を獲得。今シーズンは東アジアのクラブ王者を決めるEASLにも出場する。
小川さん・シャツ¥7,190(ローリーズファーム/アダストリア) パンツ¥5,500(リメール/リメール ストア) その他はスタイリスト私物
写真・森山将人(TRIVAL) スタイリスト・井田正明 ヘア&メイク・坂西 透 取材、文・小永吉陽子 撮影協力・バックグラウンズ ファクトリー AWABEES
anan 2454号(2025年7月9日発売)より