伊藤大海投手

迎える2025年シーズン。今季こそ、頂点へ。2季連続パ・リーグ最下位から、昨季は2位という大きな飛躍を達成した北海道日本ハムファイターズ。ここでは、伊藤大海投手のインタビューをお届けします。

伊藤大海投手「求めすぎてしまうと楽しめない。ワクワクする気持ちを大切に」

伊藤大海投手は、オフシーズンの間も毎朝エスコンフィールドでひとりトレーニングを積んでいるそう。

「毎朝40分ほどかけて、コンコースをウォーキングします。ぐるっと歩いてみると、どこからでもフィールドが見えるんだなと気づきます。本当にいい球場ですよね。ロッカーやウェイトルームも充実していてやる気が出ますし、なにより試合中に一体感を感じられる球場でもあります。ここぞというとき、応援の爆発力が選手たちの力になっています」

北海道で生まれ育ち、自身も子どもの頃からのファイターズファン。ファンの力を信じ、その気持ちに寄り添うことをずっと心がけてきた。インスタグラムのプロフィール内の「#ファンは宝物」といったタグは、感謝の気持ちを忘れないため、プレーで恩返しするために入れ始めたもの。

「ファイターズファンって、ものすごくあたたかいんです。だって、3ボールになったときに(あと1球ボールだと四球になり打者が出塁)、拍手で応援してくれるファンなんて、他にいないでしょう? 僕らが野球をできるのはファンのおかげです。それはもうプロ野球の根底にあるものなので、ファンを大切にできない選手がグラウンドに立ってはいけないと思うんです」

昨季は個人としても、最多勝&勝率第一位のタイトル2冠という輝かしい成績を収めたが、気を緩めることなく、次のシーズンを見据えている。

「チームとしていい年にはなりましたけど、いい年だったね、で終わらないようにしたいです。優勝するために、いつか頑張るのではなくて最初から最後まで頑張れるチームでありたいです」

この5人のなかで唯一(※)、地元出身の伊藤投手。北海道のおすすめについて聞かれる機会がとても多いというが……。

「たぶん、みんな『食事が美味しい』って言うでしょ? それ以外で、四季がすごくはっきりしているところもいいですね。冬が終わって一気に春が来る感じとか。僕は、秋から冬になる、いよいよ寒くなるなという時季がいちばん好きです。まだ北海道全域をめぐったことはないので、引退したら車でぐるっと一周してみようかな」

時間ができたら趣味の釣り三昧なのでは? と聞くと、ちょっと苦笑い。

「いやぁ、釣りは本気でやりすぎていて、趣味を超えてしまっているかも。求めすぎると楽しくなくなることってありますよね。ワクワクする気持ちを失ったらだめなんです。何に対しても言えることですけど」

何ごとにも本気になってしまうのがアスリートの性(さが)。オフシーズンも、トレーニングを3日休んだだけで、そわそわと落ち着かなくなるのだという。

「トレーニングって、これをやればOKというものはなくて、とにかく続けることが大事です。朝のウォーキングも、ひとまず1年続けました。これを引退までずっと続けたらすごいことで、それだけで自信になるはずです。読者の方々も、何かやってみようと思うなら、1回で追い込むのではなくて長く継続できそうなものがいいんじゃないでしょうか。腹筋を1日1回とかでもいい。続けることで、気持ちのトレーニングにもなります」

※山﨑福也投手、松本 剛選手、伊藤大海投手、水谷 瞬選手、田宮裕涼選手

Profile

伊藤大海

いとう・ひろみ 1997年8月31日生まれ、北海道出身。背番号17。2021年ドラフト1位で入団。’24年は開幕投手として勝利を収め、最多勝&勝率第一位の2冠を獲得した。

衣装はすべてスタイリスト私物

写真・森山将人(TRIVAL) スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・北 一騎(Permanent) 山川 芽(yayan) 首藤多佳子(eclat) 取材、文・黒澤 彩

anan2440号(2025年3月26日発売)より
Check!

No.2440掲載

推し旅 2025・春

2025年03月26日発売

アート、動物、自然、美食、建築など、大好きなもの=“推し”を求めて出かける春の旅案内です。ラインナップは広島美術館巡り、ラッコに会いに鳥羽水族館へ、温泉街・伊東で“レトロ集め”、EXPO2025開幕直前の大阪で博物館&美術館ツアーなど盛りだくさん!

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