timelesz project -AUDITION- DOCUMENTARY

#タイプロ を振り返って|松島聡さんロングインタビュー「グループやファンのことを考える大切な時間でした」

エンタメ
2025.03.22

timeleszの3人が、共に歩む仲間を探す「timelesz project」(通称・タイプロ)。最終審査から一夜明け、この10か月を振り返る、松島聡さんのロングインタビューをお届けします。(初出は『anan』2437号・3月5日発売号)

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松島 聡「グループやファンのことを考える大切な時間でした」

――新メンバー決定から一夜明けての気持ちを聞かせてください。

まだ実感湧かないですね。でも、深夜まで撮影したりと、慌ただしくしてるなか、Sexy Zoneでデビューした時の気持ちを思い出しました。正直、プロジェクトが始まる前は怖さが大きくて、躊躇もありましたけど、実際に新メンバーを迎え入れた今は、やってよかったと心の底から思います。

――8人グループになりましたね。

僕も「こんなことあるんだ!」って。選考に入ってからの数時間、ギリギリまで3人で話しました。センターあってのグループとして活動してきた僕らとしては奇数が大前提でしたけど、それよりも、「仲間として必要なのか」が最優先だったので、8人になった。これから何十年もやっていく未来を見据えてのこのメンバーであり、人数。メンバー構成からもわかるように茨の道になる可能性が高いというか、今後乗り越えていかなきゃいけない課題も、背負っていかなきゃいけないことも山ほどあります。でも、背負いたいと思わせてくれるメンバーだったし、我々が言ってきた覚悟や責任をちゃんと持てる人たちが集まっているので、間違ってないと信じてます。それでも最初は「いや、このメンバーじゃダメでしょ」とファンの方に思われる可能性があるから、「この8人で間違いなかったね」と思ってもらえる実力を全員でつけていかなきゃいけない。

――最終審査直前に、どこをもってタイプロの成功なのかを考えているとおっしゃっていました。

メンバーが決まった時点なのか、ファンのみなさんに認めてもらったなと感じた時なのか。それはわからない。でも、やってよかったというのは言える。最終審査で選ばれなかった3人も「悔いはない」と言ってくれたので、ちょっと勝手な言葉になるかもしれないですけど、僕は嬉しかった。なによりもタイプロがなかったら、候補生たち、特に3次からの36人の人柄や才能は世に放たれることはなかったわけであって。眠っていたものがNetflixを通して世界に配信されたことで、彼らの可能性も一気に広がったから、それをいいチャンスに、選ばれなかった人たちにもステージに立つ機会が来たらいいなと思うし、僕ら8人もその隣に立ててたらいいなとも思います。

――候補生と一緒にパフォーマンスした最終審査はいかがでしたか。

今だから言えますけど、最後まで8人全員メンバーでもいいかもと思ったんですよね。それこそ「RUN」では、アーティストやアイドルとしてだけでなく、ひとりの人間として成長しているのが8人から感じられて。曲を通して心の変化を強く感じた瞬間がありました。

――そのように難しい決断を迫られ続ける審査で、軸にしたのは?

“可能性を広げる”がキーワードになっていきました。グループとしての可能性を広げていきたいし、新メンバーそれぞれの人生も考えていかなきゃいけないから、個人の仕事でも可能性を広げられるかを考えてないと、グループ活動だけじゃこの先きっと窮屈に感じてしまう。だからといって、選ばれなかった人たちにソロとしての可能性がなかったということではないです。あくまで、この事務所のタレントとして、timeleszとして。だから、起爆剤になる人も選んでいるし、安定感をくれたり、グループの進化の底上げになってくれるだろうメンバーも選んでいる。我々のファンの年齢層も変わってきているので、年齢の幅感も意識したり。可能性を広げることとバランスをとることを意識しました。

――3人のコミュニケーションも増えたそうですが、絆が深まったと感じたのはどういう時ですか。

選考にあたってなかなか結論が出ない時に、それぞれが、「いや、二人の今後の未来を考えた時にこのメンバーがいたほうがいい」と、ちゃんと我々3人を軸に考えられてると感じた時かな。「新メンバーが入った先も、どんなことがあっても、まずは二人が居やすいと思うかどうかを大事に話して決めていきたい」と言ってくれたメンバーもいたし。軸が必ず我々だった。もちろん、これからは5人もその軸に入ってきますけど、苦楽を共にしてきた13年間の歴史や想いは、たぶん5人にもわかってもらえない部分だから。その痛みをわかっているメンバーから発せられるリアルな想いをたくさん聞けた期間だった。だから、二人のことを人としてもより好きになったし、多くを語らなくても安心できる存在だと、今、心から思います。

――タイプロを通して松島さん的に想定外だったことはありますか。

プロジェクトが始まる前から、選ぶ側だから冷静に判断しなきゃいけないと思っていたんですけど、気づいたら感情で向き合ってる自分がいて。それこそ、プロデュースチームに関しては一緒にいる時間が他の候補生よりも長かったから、感情が入ってしまう。でも、それはオーディションではあってはならないことなんですよね。それは僕の中で反省点でもあったし、昨日今日は考える時間がないから感情を保てていますけど、別れは候補生にとって新しいスタートでもあるとはいえ、やっぱり寂しい。最終審査も、見届け人として会場に来てくれたり。彼ら全員がすごく大切な存在だし、これからも人として関わり続けていきたいと思う人たちだったから。

――候補生同士や、メンバーと候補生の間に生まれる絆にも、毎回胸を揺さぶられました。

タイプロは、事務所の伝統文化を伝えていくことや、先輩から受け継いだものに対する愛が、結構テーマだと思っていて。それをお互いがフラットな関係で共有していくのをたくさん見てきたし、自分も与えられるようにしてきたつもりです。逆に候補生から受け取ることもあるし、スタッフのみなさんから受け取ることもある。他のオーディション番組とは一味違うと言われるのは嬉しかったです。ただ、反響をいただいて番組の尺も長くなったんですけど、それでも描ききれないことが山ほどあって。番組で描かれているのは、ほんの一部なんです。エンタメの世界でも多分このオーディションスタイルは初だから、我々3人もスタッフさんも手探りで、編集内容に至らない点はあったと思います。1か月の審査期間をあの放送時間にまとめるなかで、伝えきれない部分はたくさんありました。十分に魅力を伝えられなかった候補生もいるとは思います。でも、本当にみんな素敵な人ばかりでした。

――それこそ配信本編には入っていませんが、松島さんは5次審査中に他のチームの写真も撮っていらっしゃったんですよね。

菊池(風磨)と佐藤(勝利)から、それぞれのチームに渡してもらったんですけど、写真に残して彼らに渡すことは、迷いました。振り返りたくない人もいるだろうから。でも、一生に一度のその瞬間をちゃんと僕ら目線で残してあげたほうがいいのかなと思って、常に撮ってました。これからもカメラマンとしてtimeleszのいろんな瞬間を残していってもいいなって。

――では、タイムレスプロジェクトをやると決めた時の自分に、今、声を掛けるとしたら?

「たくさん迷うし、ある意味苦しい瞬間も来るけど、絶対に諦めるな」と言いたいです。なぜかというと、迷うことも大事だったなと思っていて。このプロジェクトを受け入れることを迷った時間も、グループやファンの方たちのことを考えるいい時間だったし、プロジェクト期間中に迷ったことも自分の成長に繋がったので。そうして諦めずにやってこられた結果が、今です。

松島聡さんへのインタビューはほかにも! #ananでタイプロ

PROFILE プロフィール

松島 聡(まつしま・そう)

1997年11月27日生まれ、静岡県出身。timelesz projectを通して、その涙もろくも穏やかで温かい人柄が、timeleszファン以外にも広く知られるようになった。

INFORMATION インフォメーション

『timelesz project‐AUDITION‐』

timeleszの3人が、共に歩む仲間を探す「timelesz project」にNetflixが密着し、世界独占配信中の番組。公式YouTubeチャンネルでは、オーディションの裏側『timelesz Behind The AUDITION』を公開しているほか、Instagram(@timelesz_project)やTikTokでも限定コンテンツが続々。

写真・くさかべまき 取材、文・杉谷伸子

anan2437号(2025年3月5日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2437掲載2025年03月05日発売

今、わたしたちにできること。

特集は“いま、私たちにできること”。SDGsやエシカルという価値観が定着して久しいですが、自分レベルで実践できる地球にやさしい情報をアップデートしてお届けします。第2特集はフェムケア。CLOSE UPは笑福亭鶴瓶さんと重岡大毅さん。Travis Japanカレンダーへの道には川島如恵留さん、Aぇ! groupプレ連載には小島健さんが登場します。

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