原 嘉孝「あの時に蓋をした夢に挑戦できる最後のチャンス」
――このオーディションに参加しようと思った理由を伺えますか?
所属していた宇宙Sixというユニットが解散してから、俳優として一人でやっていくという決意表明をした、あの時の気持ちは嘘じゃないんです。でも、年齢的に参加資格があると知って、諦めた…自分で蓋をした夢が再燃したんです。もちろん葛藤はすごくありました。またファンの方を振り回してしまうことになるわけなので。ただその一方で、ファンの方から僕の歌い踊る姿を見たいという声をずっといただいてもいて。そもそも今の事務所に入ったのは、グループで歌って踊ることに憧れてなので、それを目標に何年もずっと先輩のバックを務めてきたわけです。その本来やりたかったこと、自分の原点の夢に挑戦できる、これが最後のチャンスだと思って覚悟を決めました。
――俳優の道に進むと決めてから着実に評価とキャリアを積んできた印象があるだけに驚きました。
そう言っていただけるのはありがたいですが、たまに不安になることはありました。俳優活動だけをしている自分は本当にファンから望まれているのかな…とか。ただ、そうしなければ自分の道が見出せなかったんです。とくに宇宙Sixの解散直後の時期は、テレビで同期の目黒蓮や仲のいい先輩たちが歌って踊っていたりする姿を直視できなくて、素直には応援できていなかったと思います。
――ここまでのオーディションの様子は配信で見ていると思いますが、どんな感想をお持ちですか?
大倉(忠義)さんがおっしゃっていましたが、どこまでこの仕事のことを理解しているか、その覚悟をどれだけ持ってきているかが問われる場だと感じています。グループに参加するということは、今やっている曲数の何倍もの曲を期日までに覚えて表現していかなきゃいけない。自分の活動する先には何万人ものお客さんがいて、テレビや雑誌の取材もあり、ある程度プライベートを犠牲にする必要もある。ただ歌って踊りたい、アイドルになりたい、というだけではやれないんですよね。
――そこで必要とされるものって、なんだと思われますか?
課題曲を与えられて振り付けを教わるスタートラインは、全員一緒。そこから差をつけていくとしたら、練習量しかないんですよ。10分休憩の時、ただ水を飲んでいるのか、振付師さんに「この動きはどうしたらカッコよく見せられますか?」と聞くのか、自分の動画を見て研究するのか…。大勢の中から頭ひとつ抜けていこうと思ったら、その10分も無駄にしちゃダメなんです。ジュニア時代、それこそ目黒とひたすらそこで何をすべきかを考えてきた気がします。振付師さんをつかまえて質問攻めにしていました。この仕事って、経験を積んだり、魅せ方を研究したり、その中で自分の心を育てたりしていく過程があって、その努力の結果としてライブだったり舞台を見せてファンの方に喜んでもらう、応援してもらう仕事だと思うんです。だからこそつねに前、そして上を見ていないといけないと思っています。
――ジュニアを経験せずにデビューという、このオーディションについてはどう思われていますか?
やっぱり経験の差は大きいですよね。とはいえ、人ってその状況下に置かれたら嫌でも成長したりするんですよ。そもそも僕らの事務所のやり方がそうだったし、ポジションが変わって本当に大化けした人たちを見てきてますからね。僕自身もそこに期待してしまっているし。
――原さんの中でtimeleszとはどんなグループですか?
世代的に一緒ぐらいなんですよ。勝利は同期だし、プライベートで風磨くんと仲いいし、バックにも何十回とついてきて一緒に過ごす時間も長かったグループ。だからこそtimeleszになって、メンバーを増やそうと決めた3人の覚悟や、言葉を尽くしてファンの方たちに嘘偽りない想いを語る勇気に感動したんです。そんなふうにまっすぐファンと歩もうとする3人だからこそ、一緒に活動してみたいと思いました。あと、3人のコンサートを観ていてすごく好きだなと思ったのは、ファンの方たちと心の距離感が近いところ。僕もそうでありたいなって思うんです。どんなに知名度が上がっても、つねにそういう距離感でいたいし、つねにコミュニケーションをとれる場を作ろうとする姿勢は理想ですよね。
――ご自身の武器になるものはなんだと思いますか?
なんでしょう…熱さ? 熱苦しさですか。踊りひとつにしても熱苦しい、と風磨くんにも言われましたし(笑)。あとは、3人とは違うフィールドで培ってきた経験があって、そこはグループにも還元できるのかなと思っています。
――今、ファンの方に何かメッセージを伝えるとしたら?
何より、自分のわがままで振り回してしまうことを許してほしいなと思っています。何度も舵を切り直してきてしまったから。でもひとりの人間として今が人生を懸ける瞬間だと思ったし、懸けたいとも思った。生半可な覚悟でした決断ではないので、応援してほしいって心から思っています。
PROFILE プロフィール
原嘉孝(はら・よしたか)
1995年9月25日生まれ、神奈川県出身。2010年からジュニアとして活動をスタートさせ、’16年より宇宙Sixのメンバーに。’20年にグループが解散してからは俳優として活動。’20年の舞台『両国花錦闘士』では代役ながら主演を務め高い評価を受ける。近作にドラマ『トリリオンゲーム』、舞台『混頓vol.5』など。出演舞台『カリズマ』が現在上演中。
PROFILE プロフィール
timelesz(タイムレス)
2011年11月16日、Sexy Zoneとしてシングル『Sexy Zone』でデビュー。’24年4月より、「timelesz」に改名し、佐藤勝利、菊池風磨、松島聡の3人で活動する。ニューシングル『because』が発売中。現在、新メンバー募集オーディションを開催中(特設サイト)。
INFORMATION インフォメーション
『timelesz project ‐AUDITION‐』
timeleszの3人が、アイドル人生を共に歩む仲間を探す「timelesz project」にNetflixが密着し、世界独占配信中の番組。現在は4次審査の様子を配信中。timelesz公式YouTubeチャンネルでは、配信では見られなかったオーディションの裏側をお届けする『timelesz Behind The AUDITION』を公開しているほか、Instagram(@timelesz_project)やTikTok(@timelesz_overthetop)でも限定コンテンツが続々。timeleszのファンも、そうでない人も注目必至の新感覚オーディション番組。