
MEGUMIさん
出演者は全員不良(ワル)!? 昨年12月、配信開始と同時に国内外で大ヒットとなった異色の恋愛リアリティショー『ラヴ上等』。何が視聴者の心を惹きつけたのか? 番組プロデューサーであるMEGUMIさんが振り返ります。
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まっすぐぶつかり合う姿に心打たれる、『ラヴ上等』が教えてくれた、本気(マジ)の恋
ヤンキーたちが共同生活を送りながら、本気(マジ)で恋に落ちていく――そんな異色の恋愛リアリティショー『ラヴ上等』。2025年12月にNetflixで配信が開始されると、4週連続で日本における週間TOP10(シリーズ)1位を獲得し、国内外で大きな反響を呼んだ。本作のプロデューサー、MCを務めたMEGUMIさんは「幅広い方から『面白かった』と連絡をいただきました」と、熱を肌で感じている。配信前は不安もあったそうだが、ヒットの理由をこう分析する。
「今って『叩かれる』のを恐れて、『置きに行く』人が多い。ヤンキーの子たちは全部をすっ飛ばして、ダサい部分も、好きも嫌いも開示してくれた。これが痛快だったのだと思います」
「負けねーよ」「日本刀ある?」「焼き入れて」など、数々の名言も話題に。
「みなさん、発言まで記憶して議論してくれる。これって、私の中では映画『タイタニック』(1997年)以来の楽しみ方でした(笑)」
こうした熱量は、日本の視聴者だけのものではない。Netflixのグローバル週間ランキングでも上位に入り、一気に国境を超えていった。
「特に韓国では、夜職や不良に対する忌避感が日本よりも強いと聞いていたのですが、いざ配信が始まるとすごい視聴数。『見てはいけないけれど、見たい世界』として楽しんでもらえているのかも」
寿司、忍者、オタク……「分かりやすい日本」とはまったく異なる文化。『ラヴ上等』は、「イメージされてきた日本」として、海外ファンの心を掴んだ。一方、現場はカオスを極めた。校則違反による「退学」や、転校生にレモンサワーをかける「水はヤベェだろ事件」など、揉め事が絶えない。恋リアのセオリーは通用しなかった。
「彼らは朝起きず夜中に活動するので、スタッフと活動時間が合わず、深夜に何かが起きても映像に収められないこともありました。それに、恋リアだと共同作業として料理って大事じゃないですか。でも、『嫌だ』と言われまして…。お弁当を食べる方が多かったんじゃないかな(笑)」
彼らに振り回されつつも、丁寧なケアを試みたという。恋の悩みから生活の不満まで、小さな揺れをその日のうちにすくい上げるよう努めた。
「総合演出の池田さんは、みんなから『校長先生』と呼ばれていて(笑)。近すぎず、遠すぎず、愛を持って向き合う。その姿勢は勉強になりました。私は、口うるさい保健室の先生ぐらいの立ち位置だった気がします」
濃い14日間で印象的だったのは、告白成否を分けた、「心の動き」だ。
「好きになった相手との関係に『取り越し苦労』をしている子もいました。親密になってきたのに、急に不安になって距離を取る。私も若い頃に同じことをしてました」
一方、告白の有無にかかわらず、全員に当てはまる共通点があったという。
「彼らはよく相手に対して『自分を持ってるからかっこいい』と褒めるんですよ。自分をちゃんと理解して、貫く。意見が違うことを恐れない。それってヤンキーに限らず、普遍的な魅力ですよね」
『ラヴ上等』が提示したのは、恋愛だけではない。“贖罪と成長”も、この番組の重要なテーマだ。
「ヤンキーって誰かに迷惑をかけたり、悲しませたりした経験がある人も多い。彼らには『これをチャンスだと思って、自分の過去と向き合ってほしい』と伝えていました。謝罪の電話や子ども食堂はそのきっかけになりました」
悪いことは悪い。だがその先に、やり直す道がある。
「すべて、彼ら自身が考えて選び取った行動です。今の日本って、一度失敗したら次に行けない空気が強いですよね。でも、生きていたら次はある。そのことを、番組を通して伝えられたらいいなと思っていました」
恋も過ちも、不器用なりに本気でぶつかり合う。そんな生き様こそ、「惹かれる気持ち」の原点だ。
すでにシーズン2も動き出している。舞台は沖縄。全国から、それぞれの地元を背負ってヤンキーたちが集まる。
「みんな『レペゼン』意識が強い。自分の地元を誇りに思っているからこそ、揉める。シーズン1にはない各地域のぶつかり合いが生まれそう。なかには、人生をかけた最後の恋をしたい、という子もいます。人間ドラマとしてもより深く、確実に心を揺さぶる物語になりそうです」
『ラヴ上等』名場面
MEGUMIさんが「想定以上に問題が起きた」と振り返る14日間。「お前ら揉め事はいいから、恋をしろ!」と喝を食らわせたという現場では、何が起きていたのか。
料理=共同作業で恋が芽生える!? 生活を彩るヤンキークッキング

家庭科室「ラヴキッチン」では、ハンバーグやカレー作りに挑戦。キッチンは恋リア定番のスポットのはずが、後半では影を潜めた。MEGUMIさんいわく「喫煙所の方が使われていた」とのこと。(ep.01)
気持ちが高まる東京湾の屋形船。夜風がなびくと本音が溢れて…

共同生活終盤では、浴衣を着て校外学習へ。恋に落ちるとメンタルが不安定になるメンバーも。「昔の自分を思い出す。きっと視聴者のみなさんも、自分事として彼らの恋愛を見守ってくれていたのかな」と、MEGUMIさん。(ep.07)
「迷惑をかけてごめんなさい」。自分の過去と向き合うヤンキー

「過去に迷惑をかけた人」へ電話で謝罪するメンバーも。共同生活中は校則でスマートフォンの使用が禁止されているため、公衆電話から連絡。「私たちがお願いしたわけではなく自然と出た行動」とMEGUMIさん。(ep.08)
セキュリティを“買収”してでも入りたい!? ギラギラな女子部屋

アニマル柄をはじめラメやファーがきらめく女子部屋。「見たことのない恋リアに」という美術のこだわりが光る。ここでは、「(男性参加者から)エロい目で見られてる気がする」など、女子トークが夜な夜な炸裂。
「顔一択」宣言! でもやっぱり惹かれる点は「ブレない自分」

可愛らしいルックスで男性からモテモテなBaby。しかし、参加者全員が口を揃えて挙げた魅力は「自分を持っている」点。壮絶な過去を抱え、「人と関わるのを避けていた」という彼女の心を癒すのは──。(ep.07)
「サウナマジック」を食らって恋に落ちる女子メンバーが続出

校内には男女1対1で入るサウナも設置。ミルクとBabyはサウナデートのトップバッターとして、熱気がこもる密室へ。汗をかきながら本音を語り合ううちに、距離が縮まっていく。その外では嫉妬心も渦巻いていき……。(ep.01)
Profile
MEGUMI
メグミ 1981年生まれ、岡山県出身。俳優・タレントとして多くのドラマ、映画、バラエティに出演。映像作品のプロデュースも手がけ、プロデューサーとしても作品に参加。
information

『ラヴ上等』
血気盛んなヤンキーの男女11人が、喧嘩に恋に本気でぶつかり合う14日間の共同生活を送る恋愛リアリティショー。Netflixリアリティシリーズ『ラヴ上等』シーズン1独占配信中、シーズン2は2026年配信決定。
写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・NIMU ヘア&メイク・加藤恵 取材、文・嘉島唯
anan 2483号(2026年2月10日発売)より



















