今回のアルバム制作を通して、今が人生で一番音楽を楽しめている。
「ステージ上では、自分がどう生きてきたのか、何ができて何ができていないのかが、すべてパフォーマンスに出るんです。筋トレを始めたことで自信がどんどんついてきて、ステージを重ねるごとに思い切りが良くなってきていますね。あと、制作においてこれまでは思い描いていても選べなかった言葉や表現が、自然と出てくるようになりました」
心境の変化はニューアルバム『Shades of』にも影響をもたらしたのだろうか?
「作品全体に影響しています。これまでで最も自分の素直な気持ちを歌詞に出せたアルバムになりました。ジムに通って身体や精神を鍛えたのもそうですし、この2年ぐらいは人生を考え直す出来事がいろいろあって。それによって、見えなかった景色も見えるようになった。例えば一つの物事に対して、人によって見え方が違うじゃないですか? 片方から見たら暗く映るけど、逆側から見たら明るく映る。そういう光に対しての影だけではなく、いろんな側面、いろんな色合いにも目を向けるべきだと思ったんです。それは自分にも人に対してもそう」
その実直な姿勢は2曲目「Essence」からも感じられる。
「“誠実に生きるって何だろう?”と英語で歌っているように、自分の中にある人間像やキャラクターだったり、バンドの中での関係性だったりと、ひたすら“生き方”に目を向けました。それが各楽曲にも色濃く表れていますね」
そして、今作はネオソウルシーンの最重要シンガー・Bilal、韓国ヒップホップ界の若き重鎮・BewhY、ジャパニーズR&Bシンガーのパイオニア・久保田利伸など、錚々たる7組のアーティストを客演に迎えた。
「ただ一緒にやる、という浅い感じではなくて。それぞれが持っているクリエイティブの個性がしっかり反映された、最高のコラボレーションばかり。何より、この作品が完成するまでの間に、様々なことを吸収できて…今が人生で一番音楽を楽しめていますね!」
PROFILE プロフィール
ウォンク
2013年に結成された東京発の4人組エクスペリメンタル・ソウルバンド。アルバム『Shades of』をリリースし、12月22日から全国7か所を回るライブツアー「“Shades of”Tour」を開催する。
INFORMATION インフォメーション
およそ2年ぶりとなるアルバム『Shades of』。BewhYと初のコラボレーションを果たした先行配信曲「Skyward」をはじめ、「Essence」や「Shades」を含む全12曲。【通常盤(CD)】¥3,300(EPISTROPH)