子役を経て、ドラマ『あまちゃん』でブレイク。順調にキャリアを重ねているように見えるけど、悩める乙女は複雑なようです。松岡茉優さんの真面目で一風変わった(!?)素顔に迫ります。
高校時代、友達がいなくて山田詠美さんの本を愛読。
――いま21歳ですが、落ち着いた社会人の役が多いですよね。
松岡:学生役っていましかできませんから、まだ制服が着られるうちに、学園ドラマでキュンキュンしたい(笑)。
――ご自身は、キュンキュンするような学生時代はありました?
松岡:中学生の頃は青春してましたね。毎日髪を巻いて、お化粧して、スカート短くして、ピンクのニット着て。女子グループでつるんでおしゃべりしたり。あの頃の自分がいまいたら、(淡々とした口調で)「頑張ってください…」って言ってると思います。高校は転校してから友達ができなかったので、ひとりで地味に過ごしていましたけど。でも、そのおかげで活字を読めるようになったし、あの時のネガティブな気持ちがあって理解できる役もあったので、無駄じゃないなと思っています。
――テレビで拝見している限りでは、コミュニケーション能力が高そうなのにどうして…?
松岡:ちょっと憧れていたんですよね。教室の端っこで本を読んでいる女子に。中学の時のキャピキャピした自分に飽きていたこともあったし、ちょうど映画『桐島、部活やめるってよ』に出た後だったので、スクールカーストとは無関係なところにいたいと思ったこともあったんですね。で、転校を機に、孤高のキャラを気取ってみたら、ただの“ぼっち”になってしまって(笑)。いま思うと、自分に酔っていたんでしょうね。でもそうなると、教室で面白いことが起きた時に絶対に笑ってはいけないのが辛かったですね。どんなに可笑しいことがあっても耐える、いい訓練にはなりましたが。
――意外と楽しんでました?
松岡:当時はキツくて、ただ卒業するためだけに学校に行っていると思っていましたけれど、いまとなってはいい経験ですよね。
――当時読んでいた活字とは?
松岡:バイブルは山田詠美先生でした。だから、先生が私をこじらせたと言っても過言じゃないんです(笑)。作品に出てくるんですよね。金のアンクレットをしている大人びた女子になりたかったんです! でも失敗続きでしたね。休み時間にひとりでゲームをやっていると、すれちがい通信でクラスの子が入ってくるんです。ネットって怖いですよ。それを必死に無視して…。
――クラスメイトたちは、仲良くなりたかったんだと思います。
松岡:3年生の時に友達ができました。
――何がきっかけで?
松岡:百田夏菜子と朝日奈央が同級生なんですが、最後の文化祭の準備期間中にふたりがすごい面白いことをしていて、私は2年間笑わなかったのに、ついに笑ってしまったんですよ。そしたら、「え〜っ、松岡さんって笑うんだぁ」って言われて、もうそこからは隠せなかったですね。
――その時、おふたりは何をされていたんですか?
松岡:ゴリラの擬人化コントというんですか…ゴリ子とゴリ美で漫才みたいなことをやっていたんです。いま思い出してもお腹抱えて笑っちゃうくらいです。ふたりがいなかったら、いまのような私じゃなかったと思います。