作り手の気持ちや思惑をちゃんと想像してみよう。
この間、CMの撮影で、パスタをぱくっと食べる一瞬を撮るという機会がありました。最初、自分で麺をくるくると巻き取るのかと思っていたら、プロのフーディーさんが最高に美味しそうで美しい、ベストな一口パスタを作ってくれたんです。ナス入りのミートソースでしたが、ナスやお肉はシズル感たっぷりで、麺もちゃんと見えている。作り手からの指示に対して、「もうちょっとナスっぽくします」とすぐに対応している姿もカッコいい。その上で、私の口に合ったサイズになっていて、すべてが計算し尽くされているんだな…と。私のほかに子どもの共演者もいたのですが、その子が食べるものはパスタの巻き数が違っていて、これがプロの仕事か、と感動。しかも、私にスムーズに手渡せるような準備もされていました。そして、実際に食べてみると本当に美味しかったです。私自身、食レポをする時に、“最高の一口を作りたい!”という気持ちがあって。たとえばカツ丼であれば、ごはんと卵とカツを一緒に口の中に運びたいと思うのですが、どうしても難しい。たまに、レンゲの上にミニラーメンを作って食べたりもするけれど、完ぺきな味わいのバランスを一口でいただけた時って、すごく嬉しいですよね。
最高の一口を作る人を目指すには、まず、常に最高の瞬間を求める意識を持つことが大事。食事はもちろん、友だちと遊んでいる時に一番輝くいい瞬間を写真に収めようと努力してみることも、役立つのではないでしょうか。また、食におけるマリアージュを意識してみるのもいいかもしれません。“シェフはどうして、この食材を組み合わせたんだろう”“なぜこのトッピングにしたのだろう”のように作り手の思惑に想いを馳せることも、勉強になりそうです!
よこさわ・なつこ 芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。2023年6月に第三子を出産。
※『anan』2024年10月2日号より。写真・中島慶子 イラスト・別府麻衣 文・重信 綾
(by anan編集部)