この日、ライブに出るために「ヨシモト∞ホール」に大きな段ボールを持って現れた、もう中学生(以下、もう中)さん。芸歴20年、デビュー当時から変わらない“段ボール芸”で再ブレイク中。そんなもう中さんの、ハートフルな“もう中トーク”の幕開けです!
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――テレビで見ない日はないほど、ご活躍されていますが、お笑い芸人を目指したのは、いつ頃から? また芸名の由来も教えてください。

もう中:小学生の頃からテレビでお笑い番組を見るのが好きで、ダウンタウンさんに憧れていました。当時からお笑い芸人になりたい、と思っていたのですが、高校生の頃、夢を持ったまま何もしないのは後悔するだろうなぁと思って。親に「一年間お笑いを見てきます」と言って、18歳で長野から上京し、NSCに入りました。どうせ世に出ることはないから、へんてこりんな芸名でもいいやと思ったのと、18歳で“もう中学生”という響きが斬新で面白いと思ったので、すぐにこの名前に決まりました。

――なぜ、段ボール芸をやるようになったのですか?

もう中:NSCでネタを作る時に、周りはみんな漫才やコントをやっていたので、自分は今までに見たことのないものをやってみたいと思っていました。当時僕は、毎日牛乳やプリンを薬局に買いに行っていたんですが、ある時、店の前に山積みになっていた段ボールを見て、いくつかもらって帰ったのが始まり。それが、2001年7月のこと。その頃は小さい恐竜を作ったりして、シュールなネタを考え続け、ライブに出られない日々が続いていたんですが、2004年の9月、バイトの帰り道に巨大な段ボールが1枚だけ店先に置いてあったのを見つけて、これで超巨大な牛乳を作ったら、もしかしたらライブに出られるようになるかもしれない…と思った。そこから大きな段ボールになりました。とはいえ、根があまり明るくないので、ずっと暗いネタをやっていたんです。でもある時、元同期から電話があり「(本名の)丸田くん、顔が明るいんだから明るいネタやった方がいいんじゃない? まったねー!」ってガチャンと電話を切られて。その通りに明るいネタに変えてみたら、すぐにライブのオーディションに受かり、翌月からライブに出られるようになって。

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――ネタの方向性は変化しても、段ボールを使うことにはこだわっていたんですね。“段ボールアート”とも呼ばれていますが、その魅力はどんなところですか?

もう中:たとえば、今日やるネタは“たわしの1日”といって、段ボールに、寝る、起こされる、洗われる、寝る…とたわしの1日を描いたんですが、そもそも段ボールに絵を描くとか、アートとは何かということではなくて。この大きな段ボールを持って劇場に来て、廊下にいる後輩くんや芸人仲間さんから「なんスか、それ」って聞かれた時に、「これは、たわしの1日だよ。見てわからない?」と言ったら「誰がわかるんだよ!」ってツッコまれた時点で、僕としては何日も労力をかけて作った甲斐があったと思えるぐらい、最高に楽しいんです。だから、段ボールアートを作っているという感覚ではありません。お客さまがわざわざチケットを買って劇場に見に来てくれるわけで、貴重なお小遣いで来てくれる人もいれば、仕事の疲れを癒しに来てくれる人もいる。そんな人たちに、心から“くだらない!”と思ってもらえる、見たことのないネタを披露して、家に帰ってもまだ衝撃が残っているようなことがしたいんです。

――なるほど。この20年間で、きっと相当数のネタや作品が出来上がっていると思います。

もう中:家には今までネタで使った2000個ぐらいの段ボールがあると思いますが、明確にウケたとか、自分が自信を持てるものは3つ4つで、あとはほとんどスベったもの。捨てようか迷ったままです。

――捨てられるものですか?

もう中:捨てたものもありますけど、でも作ったものは全部に思い出があるんです。たとえば、今朝ガレージで、2005年12月にルミネのユニットコントで使った消防車が目に入ったんですが、それを作ったのは、当時、風呂なし、共同便所のアパートに住んでいた頃。その部屋にはネズミがいたんです。ある日家に帰ってきたら、消防車の端がちょっとだけ削られていて。あ、ネズミが削ったんだなって思ってまたそこに赤い色を塗り直したことを思い出したり(笑)。それから、昨日の夜に作ったものを見ながら、あぁこれはあんなニュースを見ながら作ったなぁ…というふうに、段ボールを見るとそれを作っていた時の景色まで全て思い出すんです。作品のひとつひとつが、僕の付箋になっているんですよね。

――付箋とは、素敵な表現ですね。ネタは最初の頃から進化しているのでしょうか。

もう中:自分の面白いと思ったことを形にするという意味では、昔からそんなに変わってはいません。ただ、パンを題材にするならバゲットにして番組名にかけるとか、脳から出た新しい要素も加えているので、過去と現在を合わせていいネタを作りたいです。

――未来的な要素は?

もう中:未来のことには興味がなく、SF自体が何かもわからないです。

Entame

もうちゅうがくせい 1983年2月14日生まれ、長野県出身。NSC東京校7期生。段ボールに描いた絵と独特な語り口調のネタ“段ボール芸”で、2009年頃よりお笑い番組で活躍。’20年より『有吉の壁』(日本テレビ系)などに出演し、再ブレイクする。’21年10月からは、初の冠番組『もう中学生のおグッズ!』(テレビ朝日系)がスタート。

テレビ朝日系列の「バラバラ大作戦」枠で、10月より冠番組『もう中学生のおグッズ!』がスタート。“タレントグッズ集め”を趣味にするもう中学生が、“もう中グッズ”を制作するために、毎回ゲストを呼んで研究するという新番組。ナレーターは、お笑いコンビ・ダンビラムーチョの大原優一。毎週月曜26:36~26:56に放送中。

※『anan』2021年12月29日‐2022年1月5日合併号より。写真・馬場わかな インタビュー、文・若山あや

(by anan編集部)

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