コロナとも戦った今シーズン、最後に栄冠に輝くのは…。
「リーグ戦の成績から考えると、優勝に最も近いのは東地区1位の宇都宮と、天皇杯決勝で宇都宮に勝った川崎でしょうね。川崎は天皇杯では、帰化選手のファジーカスと外国籍選手2人を同時に起用する“ビッグラインナップ”が見事にハマった。Bリーグで一番点を取るファジーカスが2人のアシスト役に回り、チーム全体の得点力がアップ。リーグ戦よりこのシステムが機能していたので、今回も期待できます。しかし、本命はやはり、今シーズンの勝率が圧倒的だった宇都宮です。徹底したディフェンスとリバウンドへの意識。苦しいときでも全員でハードワークできる。先発と控えの戦力差も小さく、安定した強さがあります。チームの戦い方に選手をはめる宇都宮と対照的に、選手一人一人の持ち味を生かすことを優先しているのが、西地区1位の琉球です。クーリーはディフェンスに戻るよりオフェンスリバウンドを狙う。岸本は、味方の位置やリングまでの距離に関係なく自分のリズムで得意のスリーポイントを放つなど、個々の強みを出す戦い方をチームで共有していますね。さらに、NBAのような最新鋭のアリーナが今春完成。琉球は熱狂的なファンも多いし、ホームアドバンテージはどこよりも大きいかもしれません」
また多くのチームがコロナとの戦いも強いられた。その影響で、シーズン終盤にハイペースで多くの試合をこなしてきた千葉もその一つ。
「おそらくここに向けての調整が難しかったはずですが、エースの富樫勇樹は『ひたすら試合をして上げていく方法もあるし、逆にそっちの方がやりやすい』とも。それが上手くいっていれば、この記事が出る頃には千葉も面白い存在になっているかも。外国籍選手枠のルール上、帰化選手を擁しているチームが有利なのは間違いない。誰が最強の帰化選手か、下で紹介した3選手の競り合いも見どころの一つだと思います」
優勝候補の4 チーム。日本に帰化した選手に注目を!
【宇都宮ブレックス】
ライアン・ロシター ©TOCHIGI BREX INC.
2019年12月に日本国籍を取得。日本代表に選ばれアジアカップ予選に出場。ポジションはPF/C。
テーブス海 ©TOCHIGI BREX INC.
厳しいチームバスケの中でタフに揉まれながら、生き生きとプレーする東京五輪候補。
【川崎ブレイブサンダース】
ニック・ファジーカス ©KBT
2018年4月に日本国籍取得。代表の中心選手として‘19年W杯に出場。ポジションはC。
【千葉ジェッツ】
ギャビン・エドワーズ ©B.LEAGUE
2020年1月に日本国籍取得。2017年、三河より移籍。日本代表候補。ポジションはPF。
新アリーナも完成、ダークホース的存在!
【琉球ゴールデンキングス】
ジャック・クーリー ©B.LEAGUE
2019年に琉球に加入。1試合平均4.9のオフェンスリバウンドはリーグ断トツ。ポジションはC。
岸本隆一 ©B.LEAGUE
地元出身のエース。ロングのスリーポイントを自分の武器と言えるのは彼だけだ。ポジションはG。
B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2020-21 セミファイナルは5月21日~25日。ファイナルは5月29日・30日、横浜アリーナにて開催。第1戦はNHK総合、第2戦は日本テレビ系列、NHK BS1で生放送予定。バスケットLIVE、スポーツナビなどでも配信。
※記事内容は4/30時点での情報です。
※『anan』2021年5月26日号より。
(by anan編集部)