映画評論ユニット「お杉とB子」が今回おすすめするのは『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』です。

家族の絆もかかった人生最後の大勝負!

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お杉:すごい掘り出し物よ! 一枚の絵画をめぐるサスペンスでありつつ、仕事にかまけて生きてきた美術商オラヴィと家族の再生の物語なの。

B子:年老いて店じまいを考えつつも、最後の大勝負を狙っている彼は、遺品オークションで、ある肖像画に目を留めるの。

お杉:ロシア人画家イリヤ・レーピンの作品とにらむけれど、サインがない。確信がないまま、大枚はたくオークションに臨めるのか?

B子:大勝負に打って出るべきか迷う彼のもとに、孫のオットーが職業体験でやってくる。美術に興味はないし、オラヴィと不仲な母の影響で祖父をちょっと馬鹿にしてるわけ。

お杉:でも、そんな二人が謎の肖像画の真贋を探る調査を通して、絆を育んでいくんだよね。

B子:祖父から孫への美術教育に感動しちゃった。私もああいうおじいさんが欲しかったな。

お杉:オットーも意外に商才に恵まれてるから、オラヴィとしてもかわいいはずよ。祖父と孫という以上に、アートを愛する者同士みたいになっていくところがいいよね。

B子:でも、ビジネスはお金があってこそ動かせる。オラヴィの前には次々と難題が立ちはだかる。

お杉:絵に描いたような悪役のオークションハウスの若社長とかね。「負けるな、オラヴィ」って力入っちゃう。美しいアートとビジネスの駆け引きは相容れない気がするけど、これが現実なのかもね。

B子:商品としての芸術品の扱いって難しいよね。オラヴィはあることで、娘を怒らせ、孫を失望させてしまうでしょう。そこからの関係修復がまた物語のスパイスになってる。

お杉:アートも家族も難しい。でも、だからこそ価値があるって思わせる。なぜ、肖像画にサインがないのか。その理由とともに最後は感動よ。

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『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』 監督/クラウス・ハロ 出演/ヘイッキ・ノウシアイネン、ピルヨ・ロンカ、アモス・ブロテルスほか 2月28日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか公開。©Mamocita 2018

お杉とB子 『シェイクスピアの庭』(3月6日公開)が楽しみ。ケネス・ブラナーがあの天才の知られざる晩年を描くなら、間違いないね。(お杉)悪評高き『キャッツ』主演のフランチェスカ・ヘイワードが本業で主演の『ロミオとジュリエット』(3月6日公開)に期待。(B子)

※『anan』2020年3月4日号より。

(by anan編集部)

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自分のしていること(仕事や専門性の高いことなど)が過小評価されていて、日の目を見ない状態を⻭がゆく感じやすいときです。先進的すぎて理解されないとか、周知が足りないだけとか、内容が難しすぎるとか理由はあるにしても、あきらめないことが大切です。投げ出さずに目標に向かって努力を続ければ必ずチャンスはきます。

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