文・比嘉桃子
ターンオーバーとは?
まずは「ターンオーバー」の仕組みについてご紹介しておきましょう。
ターンオーバーとは、ひと言でいえば“皮膚の生まれ変わり”のこと。もっと詳しく言うと、皮膚の一番外側にある表皮という層が生まれ変わることを指します。
表皮の深い部分で作られた細胞は、約14日間で表面側へ少しずつ移動。次の約14日間でアカとなって剥がれ落ちます。この約28日間の生まれ変わりが「ターンオーバー」といわれるものです。
ターンオーバーが乱れる主な原因
ターンオーバーは約28日で行われるのが理想とされており、早すぎても遅すぎても肌トラブルの原因となります。では、なぜターンオーバーの周期は乱れてしまうのでしょうか。
まず原因として挙げられるのは「加齢」。年齢を重ねると細胞の機能が低下し、ターンオーバーが遅くなってしまいます。
さらに「紫外線」や「乾燥」も原因の一つ。肌にダメージがあると、それを回復しようとターンオーバーのサイクルを早めてしまうんです。
ターンオーバーが乱れると起こること
ターンオーバーの乱れは、多くの肌トラブルを引き起こします。
例えば「シミ」。シミの原因となっているのは、紫外線によって生成されるメラニンです。ターンオーバーが正常である場合、メラニンは体の外へ排出されていきます。しかし、ターンオーバーが乱れているとうまく排出できず、表皮に蓄積。それが色素沈着し、シミとなってしまいます。
また、ターンオーバーの乱れは「ニキビ」の原因にも。本来剥がれ落ちるはずの角質が、ターンオーバーの乱れにより肌表面に残ってしまうことがあります。そうして溜まった角質が毛穴に詰まり、ニキビへと発展してしまうんです。
ターンオーバーを正常にするためには
ターンオーバーを正常に保つことは、きれいな肌への第一歩。そこで、ターンオーバーを整えるコツを4つ紹介します。
1.生活習慣を整える
生活習慣の乱れは、ターンオーバーの乱れにつながります。良質な睡眠、バランスの摂れた食事、ストレスのない生活をなるべく心掛けるようにしましょう。ご自身なりのストレス発散方法を見つけておくといいかもしれませんね。
2.紫外線対策
紫外線によるダメージは、ターンオーバーを早めてしまう原因に。年中降り注ぐ紫外線を防ぐため、365日しっかりと日焼け止めを塗りましょう。特に紫外線の強い季節は、日傘や帽子などで対策することをおすすめします。
3.正しい洗顔を身につける
洗顔時に顔をゴシゴシと強くこするのは危険。肌は摩擦に弱いため、傷ついてターンオーバーが乱れる原因となります。洗顔時はたっぷりの泡でやさしく洗い、ぬるめのお湯ですすぐようにましょう。
4.肌の乾燥を防ぐ
肌の乾燥も、ターンオーバーの原因の一つ。クレンジングや洗顔の後は必ずたっぷりとした保湿を心掛けてください。どうしても忙しいときは、オールインワン化粧品でもOK。乾燥した状態を少しでも防ぐことが大切です。
生活習慣とスキンケアでターンオーバーを正常に
ターンオーバーが正常になることによって、あらゆる肌トラブルを防ぐことができます。そのためには、正しい生活習慣を心掛け、基本的なスキンケアを欠かさないことが大切です。
特に紫外線対策は重要ポイント。美白のために紫外線対策をしている方も多いとは思いますが、ターンオーバー正常化のためにも、よりいっそう意識してみてくださいね。
参考文献:小西さやか,『日本化粧品検定 2級・3級対策テキスト コスメの教科書』,主婦の友社,2016年
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