ジリジリと照りつく日差し、不快指数の高い湿度、屋内外の寒暖差、空気の汚れ…。夏の肌と髪に晒される脅威は年々過酷に! 体の外から中から正しいケアをして、迫り来る夏のハードな環境から肌と髪を守る、レスキュー美容を始めよう。
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【肌&髪の天敵1】降り注ぐ紫外線
シミやたるみにシワなど、肌が老化する原因の8割を占めるといわれる紫外線。実は髪や体の内側にも、多大な悪影響があるという。「紫外線で髪のタンパク質が壊れると乾燥やパサつき、カラーリングの褪色につながるし、頭皮の日焼けはフケや痒みの原因。さらに、紫外線は体の免疫力を低下させるんです。免疫機能が紫外線による炎症の火消しに集中するので、病気に対する抵抗力が低下。風邪や病気に罹りやすくなります」(皮膚科医・髙瀬聡子先生)
【肌&髪の天敵2】高温多湿で亜熱帯化する気候
外気が高温多湿になると、体は汗をかいたり毛穴を開いたり、体温を一定に保とうと必死。その負担は、肌や自律神経に重くのしかかる。「汗や皮脂が増えて毛穴が目立ったり肌荒れしやすくなるのはもちろん、汗をかいて体内が低ナトリウム状態になると、肌は日焼けしやすくなるという研究結果があります」(美容ジャーナリスト・小田ユイコさん)。「体温調整を司る自律神経が疲弊するので、食欲不振や不眠、ダルさに悩まされる人が増加します」(髙瀬先生)
【肌&髪の天敵3】エアコンによる冷えと寒暖差
エアコンの効いた屋内にいる時間が長い人は、夏でも冷えに注意したい。「手足など末梢の血管が収縮するので、血流が滞ります。すると当然、肌や髪は栄養不足、水分不足に。自律神経が乱れて、体も低調になるでしょう」(髙瀬先生)。「涼しい屋内と暑い屋外の寒暖差も、肌にはよくありません。寒暖差が8°C以上あると、肌内部で潤いを育むタンパク質“フィラグリン”が減少。乾燥やバリア機能の低下につながるとされます」(小田さん)
【肌&髪の天敵4】大気汚染物質
日本の夏は、太平洋高気圧の影響で晴天かつ無風の状態が長く続きやすいのが特徴。すると大陸から流れてきた大気が停滞しやすく、同時にPM2.5や黄砂などの大気汚染物質がとどまりやすいという。「大気汚染物質は、アレルギーの原因。肌に付着すると炎症を引き起こして細胞にダメージを与え、たるみやシワなど肌老化を加速させかねません。特に日本人は肌質的に炎症を起こしやすいので、注意が必要です」(髙瀬先生)
Profile
髙瀬聡子先生
皮膚科医。ウォブクリニック中目黒総院長。個性を活かす美容医療“ナチュラルエイジングケア”を提案。レーザー治療の匠。
小田ユイコさん
美容ジャーナリスト。敏感肌を克服した経験を活かし、美容情報を発信。スキンケアだけでなく、インナーケアにも詳しい。
写真・三瓶康友 スタイリスト・大浜瑛里那 ヘア&メイク・加勢 翼 モデル・池端杏慈 取材、文・風間裕美子
anan2446号(2025年5月14日発売)より