中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「頭重(ずじゅう)」です。
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5月も半ば。梅雨に向かって雨が増えてくるシーズンですね。この時期に多い悩みが頭痛、それも鈍い痛みを訴える人が少なくありません。これは、湿気が体に溜まった「湿邪(しつじゃ)」が原因である可能性大。普段は何ともないのに、天気が崩れるとヘルメットをかぶせられているような頭重感が続く…というなら、この湿邪が疑われます。

湿邪の特徴は「重さ」。頭だけでなく体もだるく、重く感じられるのが特徴です。そのほか、舌に白く厚いコケがつく、お腹を下す、冷える、気分が落ち込むなども湿邪の症状。普通は体内の余分な湿気は自然に排出されるのですが、水分や生ものを摂りすぎるなどの食生活が続くと、体内の湿気が過剰に。結果、先述のようなトラブルを引き起こします。飲み物が手放せない、ダイエットのために食事はサラダ中心、という人は要注意です。

湿気を追い出す豆、野菜。温かい紅茶もおすすめ。

頭重感に対する養生は、まず食べ物から。生もの、冷たいものを避け、温かいお茶やスープを増やしましょう。夏に近づき暑い日もあるのでつい薄着になりがちですが、体は冷やしすぎないように注意を。とくに熱の出入り口である首や手首、足首は肌をさらさないことが肝心です。デスクワークで座りっぱなしが続くのも、冷えて水分の巡りが滞りがちになる要因。1時間に1回は立ち上がって肩を回したり、ひざを曲げ伸ばししましょう。

湿(しつ)を溜めないように心がけながら、排出する効果のある食材もしっかりと。湿を追い出す去湿(きょしつ)食材のおすすめは、黒豆や小豆などの豆類や、緑豆もやし、きゅうりやなすといった夏野菜。海苔などの海藻類全般にも去湿作用があります。それから紅茶は、利水効果の高い飲み物。梅雨時の頭痛には、温かい紅茶が良いようです。

ちなみにいわゆる片頭痛は、頭重とはまた違うメカニズムで起きるもの。片側に出る痛みは、ストレスが原因の場合が多く、脇腹の痛みやお腹の張りなどもみられるのが特徴です。ストレッチや、柑橘類や香味野菜などの香りのいい食べ物が対策に有効です。

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頭痛が起きる要因はさまざまで、病院で診察を受けても原因がはっきりしない場合もあります。自分の体質と傾向を知り、こまめな養生で先手を打つ。そんな心がけで、雨の季節を少しでも穏やかに乗り切りたいですね。

さくらい・だいすけ 漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。https://yurukampo.jp/

※『anan』2020年5月20日号より。イラスト・原田桃子 文・新田草子

(by anan編集部)

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