ミュージカル『黒執事』で共演! 小西詠斗、立石俊樹との初対面は「こんな王子様みたいな人がいるんだ」
左から小西詠斗さん、立石俊樹さん
――『黒執事』は、12歳にして名門貴族の当主となったシエルと、完璧な執事のセバスチャンが、英国の裏社会で起きた事件を解決していく物語です。シエルは自分をひどい目に遭わせた者への復讐を果たすために自らの魂と引き換えに悪魔であるセバスチャンと契約しているという関係性。おふたりは2021年にミュージカル『黒執事』にセバスチャンとシエルとして初参加しましたが、初対面のときの印象は覚えていますか?
立石俊樹さん(以下、立石):じつは初対面は『黒執事』より前で、僕と詠斗が出演していたイベント会場だったんです。そのとき詠斗が初対面だったのにわざわざ挨拶しに来てくれて、なんていい子なんだって思ったのが最初で。
小西詠斗さん(以下、小西):そのとき俊くんを見て、こんな王子様みたいな人がいるんだって思ったのを覚えています。キラキラしていたし、丁寧に接してくださって優しいオーラが半端なかったです。『黒執事』で初めて共演したときも優しかったし、何より稽古で歌ったときに、間近であんなに上手な歌を聴いたことがなかったので衝撃を受けました。僕はミュージカルの経験がほとんどなくて、歌に苦手意識もあったんですけど、俊くんが優しく教えてくれて、歌って楽しいんだなって思えたのが大きかったです。
立石:それは僕もめっちゃ嬉しかった。最初は苦手意識の方が強かった詠斗が、必死に歌と向き合って、僕にもいろいろ聞いてきてくれて、気づいたら楽屋で楽しそうに歌を口ずさんでいたりして。苦手意識を克服するって技術よりも大変なことだから。詠斗は年下だけど、しっかりしているんだよね。前回、僕が初座長でいろんなことを考えすぎちゃってたんだけど、詠斗がシエルとして座組みの真ん中にいてくれる感じがしたんだよね。前回の寄宿学校編はとくにシエルの方がいろんな人物と絡むから、芝居で物語を引っ張る部分を担ってたと思うし。すごく頼りになってくれてたなと。
小西:自分では、全然できていない感じがするし、僕は俊くんに頼ってばっかりだった印象だけど。でも俊くんと共演してみて徐々に気づいたことがあって、ポヤポヤしているというか、マイペースだし、なんかちょっと…変?
立石:少し自覚はある(笑)。年々、こういうことを言ったら周りが変な反応をするだろうなってことが薄々わかってきた。
小西:前回の『黒執事』大千穐楽のカーテンコールで、カンパニーのことをカンパチと言い間違えて…。
立石:そうそう(笑)。あれは重圧から解放された安心感で…。
小西:自分でツッコんでたよね。「カンパチってなんだよ」って。
立石:「カンパチは好きですけど…」みたいなこと言って(笑)。
――翌年には、ふたりが全国各地を訪れさまざまな発酵食品の魅力に触れてゆく旅番組『発酵男子』も始まりました。
立石:それが今やシーズン3まで続いているんだから嬉しいです。
小西:基本的に番組の進行を俊くんがやってくれていて…。
立石:(大爆笑)
小西:なに笑ってるんですか!?
立石:全然進行してないけどね。逆に言わなきゃいけないことを僕が忘れてると詠斗がちゃんとフォローしてくれているし、自由にやりすぎちゃうと軌道修正してくれるし。たまに共倒れになるときもあるけど(笑)。番組の制作スタッフさんたちとも仲が良くて、いいチームでやらせてもらっています。
小西:ロケバスでの移動中、俊くんがプロデューサーさんをよく隠し撮りしてる。変な表情のとか。
立石:すごいドアップとかね。でもそれ、詠斗がけしかけてくるときも結構あるんだけど…。
小西:(笑)
――今回、’21年に上演したミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密~の再演が控えていますが、お互いの見どころと再演に向けての意気込みを伺えますか?
小西:俊くんはプライベートだとフワフワ感ありますけど、セバスチャンとして決めてくれるところはバシッと決めてくれるところですね。そのうえで悪魔的な怖い部分もしっかりあるのがすごい。
立石:僕、詠斗のシエルが、過去を思い出して悲痛な叫びを上げるときの、感情の最大値の持っていき方がすごいなと思っているんだよね。悲痛のレベルが高いというか。悲痛であるほどセバスチャンの登場に安堵感も大きくなるから、出てき甲斐があった。あと、日常の場面も楽しかったよね。お洋服直したりケーキ食べたり。
小西:寄宿学校に潜入捜査するのに先生と生徒になりきってるときと、執事と主人に戻ったときとのギャップも楽しかったよね。
立石:お互いちょっとニヤッとしたりして。ただ、セバスチャンは悪魔でミスしないですが、僕は人間だから毎回完璧にこなすのが大変で。シエルは命令するだけだからいいなって思ってた(笑)。
小西:悪態つきまくっていますし。でもセバスチャンもたまに契約のことを持ち出してきて怖いです。
立石:でもそういうお互いの見えないスリリングなやり取りも『黒執事』の面白さだよね。今回のお話は、個性的なキャラクターたちがたくさん登場してきて、ワクワクしてもらえると思います。あと歌だったりダンスだったり殺陣だったり、舞台ならではの面白さもありますし。
小西:僕はやっぱりシエルとセバスチャンの関係から目が離せないです。仲良さそうに見えて、魂を食べるというとんでもない契約を結んでいたり、笑えるシーンもありながらゾワッとさせるのも面白いなって。あと今回のエピソードではシエルがぶりっ子しているのも見どころです。
立石:僕は先生だけでなく生徒にも扮しますので…。
小西:あそこめっちゃ面白い!
立石:時間を置いての再演だから、今回はさらにお芝居部分を詰めて濃いものにしていきたいね。
小西:今の関係値だからこそ深められる部分もあると思いますので楽しみにしていただきたいです。
ミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密 2024~ 9月7日(土)・8日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール S席1万2500円、A席9000円、B席5000円 9月21日(土)~29日(日) TOKYO DOME CITY HALL S席1万2000円、A席8000円 原作/枢やな(掲載 月刊「Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊) 脚本/Two hats Ltd. 演出/松崎史也 出演/立石俊樹、小西詠斗、神里優希、栗原航大、塩田一期、定本楓馬、伊藤裕一、伊勢大貴、上田堪大ほか ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/contact https://namashitsuji.jp/
たていし・としき 1993年12月19日生まれ、秋田県出身。最近のおもな出演作に、ミュージカル・ピカレスク『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』、ミュージカル『VIOLET』『浜村渚の計算ノート』などがある。
シャツ¥46,200(CINOH/untlim TEL:03・5466・1662) ベスト¥33,000(CONFIANCE/JOYEUX TEL:03・4361・4464) パンツ¥33,000(KHONOROGICA/HEMT PR TEL:03・6721・0882) リング¥15,400(20/80/HEMT PR) その他はスタイリスト私物
こにし・えいと 2000年1月21日生まれ、広島県出身。W主演を務めるドラマ『タカラのびいどろ』(BS朝日ほか)が現在放送中。10月に出演舞台『「進撃の巨人」‐the Musical-』のNY公演、その後日本での凱旋公演も決まっている。
シャツ¥44,000(GALAABEND/3RD[i]VISIONPR TEL:03・6427・9087) 左手のリング¥44,000(MARIHA TEL:03・6459・2572) 右手のリング¥29,700(e.m./e.m. 青山店 TEL:03・6712・6797) その他はスタイリスト私物
※『anan』2024年8月28日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・能城 匠 ヘア&メイク・中元美佳(立石さん) Hyo(小西さん) 撮影協力・アンティークスVioletta青葉台本店 構成、取材、文・望月リサ
(by anan編集部)