佐久間宣行「『トークサバイバー!』はノブさんのツッコミありき!」 ヒットのポイント3つ

2023.12.22
シーズン2も大人気のNetflixコメディシリーズ『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』。企画・演出・プロデュースを務める佐久間宣行さんに聞く、今作の大ヒットの裏側とは?

佐久間さんに聞く、『トークサバイバー!』に夢中にさせる3つのポイント。

sakuma1

ドラマはノブさんのツッコミありきで組み立てています。あえてドラマ的には「間の悪い編集」なんです。

sakuma3

『ゴッドタン』の“キス我慢選手権”企画で、メインの人はマジなのに外から芸人たちがツッコミを入れるスタイルが面白いという、ある程度の成功体験がありました。これを千鳥でやればもっと面白くなるだろう、と思ったのがこの企画の趣旨でもあります。大前提として演者はもちろん、演出含めスタッフ全員が“ボケを狙ってはダメ。芝居を大袈裟に、大マジにやることが最大のボケ”という共通認識を徹底。その上で台本に“ここノブさんのツッコミ入りそう”と最初から記しておき、編集で間を調整してもらっています。だから普通のドラマに比べたら、テンポは悪いはず。ノブさん独自のツッコミありきで、ドラマパートの構成を組み立てています。

「基本は芸人さんの面白いトーク」というシンプルな構造。シーズン2は“トークのストック”以外から生まれる、新たなトークのシステム作りに挑戦しています。

sakuma4

ドラマっぽくトークするというのは他の番組でもやっていて、面白くなるのは最初からわかっていましたが、基本は芸人さんたちのトークが面白い、というシンプルな構造が強みだと思っています。ただ、シーズン1ですでにトークのパターンはいろいろ試してしまった。だからシーズン2を作る時に、芸人さんがただテーマに沿って個人のトークのストックを披露するのではなく、大喜利とトークの合間ぐらいの新しいシステムを投入しました。例えば“アン ミカが言わなそうな一言”で大喜利をして、アン ミカさん本人に演じてもらうとか、トークではなく大声でメッセージを叫ぶなど、毛色の違うスタイルを入れて、笑いの多面性を追求したのも新しい試みです。

芝居の上手い芸人さんをちゃんと入れて、ヘタが売りの芸人さんの人数は調整しています。

sakuma5

ドラマの中でトークするという発想は、ある恋愛リアリティショーを見ていた時に生まれたもの。イケメンがつまらない話をカッコつけて喋っているのを見て、面白い! 芸人がカッコつけて喋るのもありだな、と思いました。ドラマ部分のこだわりはいくつかありますが、芝居の上手い人とヘタな人の数をキャスティングの段階でバランスよく入れることもその一つ。例えば劇団ひとりさん、塚地さん(ドランクドラゴン)、じろうさん(シソンヌ)、平子さん(アルコ&ピース)などの芝居上手を入れつつ、西田さん(笑い飯)や橋本さん(銀シャリ)などヘタをネタにできる人たちを入れて、ノブさんがツッコミまくる。それで両方が引き立ち、笑いが成立するんです。

『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』シーズン2
ドラマとお笑いのトークを融合したNetflix発の新感覚バラエティ。スリル満点の本格ドラマに出演する芸人たちが、台本なしのシーンではトークを展開。トークが面白くなければ即刻ドラマ降板! 生き残りをかけたトークバトルを繰り広げる。佐久間さんが企画・演出とプロデューサーを務め、シーズン1に続いて出演者を代えてシーズン2が配信中。千鳥ほか芸人が多数出演。城田優、近藤芳正など俳優も参加。
Netflixにて独占配信中
Netflixコメディシリーズ「トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~」シーズン2 独占配信中

さくま・のぶゆき テレビプロデューサー、ラジオパーソナリティ、演出家などさまざまな肩書を持ち、多くのメディアで活躍中。

【WORKS】
バラエティ『ゴッドタン』(テレビ東京)
バラエティ『あちこちオードリー』(テレビ東京)
ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』(テレビ東京)
Netflixシリーズ『「LIGHTHOUSE」~悩める2人、6ヶ月の対話~』
Netflixシリーズ『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』
DMMTV『インシデンツ』
ラジオ『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)
YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」

※『anan』2023年12月27日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) 取材、文・若山あや

(by anan編集部)