Billkin & PP Kritの絆「50年先もPの人生にはBKがいるし、BKの人生にはPがいる」

2023.10.17
タイのアーティストBillkin & PP Kritが来日! 前回の来日から約1年。ソロ活動も経験した彼らに、二人で来日公演を行う心境や、仕事や物のシェアについて語ってもらいました。
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――ソロ活動とお二人でのステージでは気分が違いますか?

Billkin(以下BK):違います。ユニットとして活動する時は、一緒にいることで化学反応が起きるんです。一緒に歌う時にその場の雰囲気で歌詞の内容のキャッチボールをしたり…。ソロ活動の時はソロならではの化学反応が起きるのですが、二人のコンビネーションの時とはまた違うものだと思います。

PP:(BKと)ほぼ同じです(笑)。一緒に歌う時は、二人で歌詞のメッセージをファンに伝えます。ソロの場合は自分自身のメッセージを伝えるので、歌う時の気分や雰囲気はかなり違いますね。

――パフォーマンスの面でもパワーアップする部分を感じますか?

PP:P(自身の呼び名)は、そういう面はあると思う。ソロでは自分で気持ちを盛り上げないといけないけれど、一緒にいる時は彼からパワーをもらえる。まるでお互いにパワーを送り合って、幸せをシェアしているような感じです。

――日本での公演は約1年ぶりですが、強化した点はありますか?

BK:いろいろあります。この1年で仕事の幅が広がって、仕事のスケールも大きくなってきました。様々な種類の経験をしたことで、強くもなったし、成長したと思います。ステージに慣れること、歌う経験、ステージ上での動き方など、いろんな部分が強化されているんじゃないかな。

PP:BKの話に付け加えると、一緒に仕事をして経験を積んだことで、僕たちはステージに立つことに慣れてきたんです。なので、幸せな気分でステージをより楽しめるようになったと思います。

――コスメブランド『Caremate』を共同経営されていますが、始めた経緯を教えてください。

BK:以前の僕は唇がとても乾燥していて、よく切れていたんですよ。ファンやPPによくそれをからかわれていたので、「リップでも作ろうかな」と冗談まじりで言っていたんです。その後、PPとエンターテインメントの分野以外で何かをしようかという話になり、「だったらリップを作ろう」と話をしたのが、一緒にコスメブランドを立ち上げたきっかけです。

――一人ではなく、なぜ二人で一緒にやろうと思ったのですか?

PP:僕たちは(幼い頃から)ずっと一緒に過ごしてきたから、何かをするなら一緒にやりたいなと思っていたんです。そうすれば、会って話をする機会が増えるから。それに、一緒にブランドを作ったら、お互いの新しい視点を知ることができるんじゃないかなって思ったんですよね。

――揉めたりはしないのですか?

BK:ほとんどないです。PPは僕に大体決めさせてくれるんです。気になったことがあると僕に言ってくるから、その時は彼の希望通りにします(笑)。

PP:役割が違っていて、香りや質感、パッケージといった製品に関することはPが考えるんです。販売とマーケティングはBKに任せているので、彼に判断してもらう方がいいと思っています。

――PPさんから見て、その後BKさんの唇は変化しましたか?

PP:もう乾燥はしてないけれど、(潤ったせいで)喋りすぎ(笑)。

――二人で助け合いながら仕事をする上で大切にしていることは?

PP:お互いを尊重すること。どんな仕事をする時でも彼の決断を尊重するし、彼も僕の決断を尊重してくれます。そして、お互いにとってちょうどいい中間地点を見つける。それが大切だと思います。

BK:僕もほぼ同じ考えです。それぞれが考えていることや希望は違っていて、100%同じであることはないはず。でも、最終的にはPPが言ったように、ちょうどいい中間地点を見つけるようにしています。そのためには、誰がどう責任を持つかを明確にすること、お互いの決断を尊重するということが重要だと思う。

――今号は“シェアライフ”を特集していますが、お二人がシェアしているものはありますか?

BK:(真面目な声で)僕ら二人とも、家にトイレがあるよね。

PP:違う!(笑) お互いにシェアしているものっていう話。お揃いはたくさんありますよ。別々に買ったものが偶然にかぶることがあるんです。例えば、彼があるタイプのイヤホンを買ったら、それを知らずにPも全く同じものを買ったりとか。

――プレゼントし合ったりも?

PP:特別な機会にね。誕生日とか新年、クリスマス、大切な日に。

――お揃いのものを贈ることは?

PP:(BKに向かって)プレゼントではあまりないよね? お互いの好みに合うものを選ぶので。

――偶然も含めて、一番最近お揃いで買ったものは何ですか?

BK:偶然も含めて? ちょっと考える。(二人で相談タイム)

PP:二人に同時でスタッフにコーヒーを買ってきた話は?

BK:(PPを見て)いいね!

PP:二人とも普段からスタッフによくコーヒーの差し入れをするんです。ある時、お互いに確認せずにPとBKが同時にスタッフに差し入れをしたことがあるんです。なので、コーヒーだらけに(笑)。

――今後、二人で一緒に叶えたい夢や目標をお聞かせください。

PP:それは、いい機会に恵まれるかどうかによると思っています。僕たちを成長させてくれて、自分たちがやりたいことで幸せになれることであれば、その機会を受け入れてベストを尽くします。でも…今はとりあえず、これぐらいにしておきます。

BK:実はこれまで、特に目標を立てずに生きてきたんです。例えば5年先、10年先などのように、決まりきった計画は立てていません。なので、一緒にやりたいことがあるかどうかは、特に言わなくてもいいと思う。一日一日の生活の中でも常に新しいことがあるので、僕たちの考え方もその度に変わっていくじゃないですか。でも、肝心なこととして、何かをやりたいなと思った時に、僕は真っ先にPPのことを思うんです。きっと、PPも僕のことを思うはず。どの方向に進むとしても、PPと一緒に歩んでいきたいと思っています。

――それを聞いていかがですか?

PP:わざとらしい(笑)。でも、Pも同じ。僕たちはずっと一緒に過ごしてきて、一緒にいる時間がとても長いから、切っても切れない関係なんです。50年先もPの人生にはBKがいるし、BKの人生にはPがいると信じています。

BK:(少し照れながら)どっちかが先に死なない限りね(笑)。

(写真左)ビルキン 本名はプッティポン・アッサラッタナクン。1999年10月8日生まれ。2017年に俳優デビュー。日本独自パッケージEP【初回限定商品】『LOVE’S APPRENTICE』(ユニバーサルミュージック)が発売中。

ニット¥68,200(シュタイン/エンケル TEL:03・6812・9897) マフラー¥49,500(サブレーションズ sublations.press@gmail.com)

(写真右)ピーピー・クリット 本名はクリット・アンムアイデーチャコーン。1999年4月30日生まれ。2017年に芸能活動を開始。日本独自企画シングル【初回限定商品】『FIRE BOY』(ユニバーサルミュージック)が発売中。

ニット¥69,300(シンヤコズカ/ザ・ウォール ショールーム TEL:03・5774・4001) マフラー¥49,500(サブレーションズ)

※『anan』2023年10月18日号より。写真・野田若葉(TRON) スタイリスト・井田正明 ヘア・Ritz_angel_xx メイク・Witsarut Jullasorn 通訳・児玉ノンティシャー 翻訳・高杉美和 取材、文・真島絵麻里

(by anan編集部)