重ダル~い頭をリセット! 隙間時間に引っ張るだけの“頭ひっぱり”術

2023.9.17
悪い姿勢の影響で首がつまって血流が滞ると、その影響で頭はカッチコチ…。さらに残暑のストレスが重なって、どうにもこうにも頭がしんどい! 数年前話題になった、ストレス疲れを解消する“耳ひっぱり”を提唱した識者が新たに考案した“頭ひっぱり”で、あなたの重ダル~い頭を解放させます!

頭を正しい位置に戻せば、頭と全身がスッキリ!

耳を引っ張るだけで全身の緊張が解け、ストレス解消効果もあると数年前話題になった“耳ひっぱり”。その考案者のボディワーカー・藤本靖さんが、今年、新たに開発したのが“頭ひっぱり”だ。

「“耳ひっぱり”よりコツが掴みやすく簡単なので、誰でも効果と気持ちよさを実感できます」

ストレスで疲れやすく、血流が滞ってコリやすい頭。さらに、日中の座りっぱなしや前かがみの姿勢が長いことで、頭の重さが背骨へのしかかり、首まわりの血行が悪くなり、肩こりなどをもたらしている。そこに残暑のストレスも重なった頭はパンク寸前!

「頭のケアの要は首です。首がつまれば全身の血行不良を招きますし、脳から指令を出す、自律神経の働きも乱れます。頭と全身を繋げる首のつまりを放置していると、内臓の働きは悪くなり、姿勢は歪み、筋肉は常に緊張します。そしてむくみや冷えが生じやすくなり、全身に悪影響が及ぶのです」

そこで負の連鎖を断ち切る“頭ひっぱり”の登場。頭を引っ張って正しい位置に戻せば、不調の原因になる首のつまりは解消。

「頭を引っ張ることで、頭と背骨の間に隙間ができ、首の緊張がほぐれ、血流や神経の通りがスムーズになります。さらに、首から背骨のラインが整うので、姿勢の保持や関節の動作をサポートしている深層筋が伸び、内臓が正常な位置に戻ります。その結果、呼吸や胃腸の機能まで改善するのです」

日中、悪い姿勢を長時間続けるほど疲れは溜まり、筋肉の過緊張も続いてコリが増す、という悪循環に陥る。だからこそ、“頭ひっぱり”で首のつまりをこまめにリセットして疲れを解消し、軽やかな頭と体をキープしたい。

「頭は全身の様々な機能に関わる大切な部位。ほぐしたりもむより、“ひっぱり”で正しい位置に戻す方が本来の機能を取り戻せます」

頭のコリと重さから解放されるだけで、気分もスッキリ! “ひっぱり”後の心地よさを実感して。

ここでは頭ひっぱりのやり方をご紹介します。

基本と応用の頭ひっぱりで頭を首から離して、正しい位置に戻す。

約5kgある頭を引っ張って首から離すだけ。頭の重さから解放され、首の緊張がほぐれる。同時に深層筋が伸びるので、内臓の位置も整う。

こまめに引っ張って、頭をリセット。

基本だけでなく、ひねりと前後倒しの応用を続けてやると効果大。ちょっとした空き時間にこまめに行えば、疲れにくい体に変わる。

基本の頭ひっぱり

頭を首から離すだけで、頭と内臓の位置が整う。体の前面の伸びを感じられたら、うまくいっている証拠。

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START
椅子に浅く座ってリラックス。こめかみの上側にある膨らみ(側頭筋)を、手のひらの付け根で軽く引っ掛けるように持ち上げる。両手の指はまっすぐ伸ばしたまま。背中を伸ばし、あごは上げず、視線は前方少し上を見る。お腹と頭が引き合うようなイメージで、上半身の伸びを感じよう。

背骨をまっすぐにした状態で、お腹と頭が引き合ったまま体を左に傾ける。頭が遠くに引っ張られるようなイメージで。左脇腹を丸めずに無理のない位置で体をキープ。同様に右に傾ける。 鼻でゆっくり5呼吸。

頭ひっぱりの応用・1 ひねり

ひねりの効果をさらに上げるには、ひねった側の脇腹に息を入れるイメージで行うこと。便秘解消効果にも期待。

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基本と同じ姿勢でスタート。お腹と頭が引き合うイメージのまま上体だけ軽く右側にひねる。右脇腹にテンションを感じながらゆっくり鼻で5呼吸。視線は常に前方少し上に。正面に上体を戻して左側も同様にひねり、左脇腹にテンションを感じながら鼻で5呼吸。

頭ひっぱりの応用・2 前後倒し

前に倒したときは、背中側に息を入れ、後ろに倒すときは体の前面に息を入れるイメージでやるとより効果的。

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基本と同じ姿勢でスタート。お腹と頭が引き合うイメージのまま上体を軽く前に倒す。背中を丸めたり頭を落としたりせず、後頭部から腰までは一直線を維持。頭が遠くに引っ張られていくイメージで、視線は斜め下。そのまま体をキープしてゆっくり鼻で5呼吸。ゆっくり体を元の位置に戻したら、そのまま上体を軽く後ろに倒す。あごを上げず腰を反らさない。頭が遠くに引っ張られていくイメージで、視線は斜め上。そのまま体をキープしてゆっくり鼻で5呼吸。

藤本 靖さん ボディワーカー、身体論者。身体心理療法の資格も取得。「快適で、自由な心と身体になるためのメソッド」を開発。ヘルスツーリズムやワーケーションなどのプログラムの提案や、自律神経系測定の機器開発にも注力している。

※『anan』2023年9月20日号より。イラスト・古谷充子 取材、文・板倉ミキコ

(by anan編集部)