七夕は、日本の神道行事“大祓(おおはらえ)”と、中国の故事“七夕伝説”が結びついたものだという。「大祓とは、半年の間に溜まった罪や汚れを祓い清める禊ぎの儀式。七夕の伝説は、離ればなれになった織姫と牽牛(けんぎゅう)が年に一度だけ会えるという伝説で、その日は願いが叶うとされます。より多くの人に来てもらいたい神社が、大祓と縁起のよい七夕を一緒に行った、というのが私の推測です」(藤本さん)。罪を清められて願いが叶う、しかも織姫と牽牛にあやかって良縁まで運んでくれる。そんな素敵なイベントなら、ぜひ参加したい。
都内の七夕の行事
東京大神宮「七夕祈願祭」(東京都)
ライトアップされた笹竹を観賞しながら参拝を。
明治13年、東京における伊勢神宮の遥拝殿として創建。7月7日までは、初穂料1000円の「幸せ星まもり」や初穂料300円の短冊を授与。「幸せ星まもり」は数に限りがあるため、早めに参拝を。心願成就と除災招福を祈る「七夕祈願祭」の申し込みも受け付けているので、詳しくは公式ホームページをチェック。●東京都千代田区富士見2‐4‐1 TEL:03・3262・3566
神田明神「七夕祭」(東京都)
浴衣で出かけたい華やかな雰囲気。
奈良時代に創建。現在は東京の中心を護る「明神さま」として親しまれている。6月中旬から7月7日の間、数量限定で「えんむすびお守り」を授与。お守りには、願い事を書くための短冊がついている。7月7日には、「七夕祭」の祈願を開催。浴衣で参列する人も多く、賑やかで華やかな催しになる。●東京都千代田区外神田2‐16‐2 TEL:03・3254・0753
上野~浅草「下町七夕まつり」(東京都)
地域密着の祭りはパフォーマンスが盛りだくさん!
かっぱ橋本通りでのお祭りが、4年ぶりに内容や規模を見直しつつ復活。7月6日から10日の期間中は、色とりどりの七夕飾りを楽しめる。歩行者天国になる8日、9日に行われる地元小学生、幼稚園児によるパレードや阿波踊りも必見。地元商店街による模擬店も並ぶ。ときめきたいとうフェスタ事務局(台東区都市交流課内) TEL:03・5246・1111(平日8:30~17:15)
藤本宏人さん 日本の文化、歴史、世界観から30年以上「ご利益」を研究する「日本良学」代表。著書に『365日のご利益大全』(サンマーク出版)。メルマガ「ご利益1万倍のこよみメール」は毎日配信中(「こよみメール」で検索)。
※『anan』2023年6月14日号より。取材、文・風間裕美子
(by anan編集部)