没入感、ハンパなし! 物語の中で推理を楽しむ「マーダーミステリー」の魅力とは?
「マーダーミステリーとは、参加者全員が殺人など事件の容疑者になり、話し合いながらいったい誰が真犯人なのかを当てる、いわゆる推理ゲーム。アニメやドラマ、映画のミステリー作品を楽しむ場合、あくまでも自分は事件を外から眺める“傍観者”ですが、マダミスの場合は物語の中に入り、ストーリーを体験しながら推理ができる。そこが一番の魅力です」
と言うのは、これまで1000以上のマダミスをプレイしてきた、にっしーさん。中国で人気だったマダミスが日本に入ってきたのが2018年の春。人気に火がつき、その年の秋には東京に専門店が誕生。コロナ禍ではオンラインでできるマダミスが大流行。それを経て、今は店舗型、スマホなどのオンライン、そしてパッケージでのプレイなど、楽しみ方も拡大中。
「プレイヤーは割り振られたキャラクターになりきって会話を進めるのですが、なぜ事件現場にいたのかといった事情や、過去の因縁など、会話を進めるほどに絡み合う事情が解けていくのが快感。また、最後に明かされる犯行の理由などにエモさを感じ、感動で泣いてしまう人もいます。ストーリーエンタメが好きな人なら、きっと楽しめるはずです!」
マダミス初心者でも楽しめる! にっしーさんおすすめはこの4作
1、イタリア人になりマフィアのボスの殺害犯人を探せ!
「何度だって青い月に火を灯した」プレイ人数:6~7人(GM不要)、プレイ時間:約150分
舞台はイタリア。マフィア一家の屋敷でボスが殺された。ボスの死体の横には椅子に縛り付けられた男が…。容疑がかかったのは、ボスの妻と弟、マフィア、占い師や娼婦たち。「これはストーリーが本当によくできていて、エンディングを知ると思わず感動してしまいます。展開が良い意味でシンプルで複雑すぎず、でもマダミスの魅力を味わうには最適な一作です」。¥3,520(グループSNE公式アンテナショップ)https://sne-ec.com
2、一見バラバラなキャラたちにどんな関係性が?!
「ウェンディ、大人になって」プレイ人数:4~5人(GM不要)、プレイ時間:約120分
AIのウェンディの「私は殺されてしまいました」という衝撃の告白からゲームがスタート。登場人物はとある天才科学者の助手に夫、医師と記者、そして破壊されたアンドロイドに搭載されていたAIのウェンディ本人。実験施設に閉じ込められた容疑者たちは、脱出を目指し会話を始める。「ネタバレになるので言えませんが、結末のサプライズを言いふらしたくなるSF作品」。¥2,200(グループSNE公式アンテナショップ)
3、金田一と一緒に連続殺人の犯人を追いかけろ。
「マーダーミステリー 金田一少年の事件簿 夢見島殺人事件」プレイ人数:4人(GM不要)、プレイ時間:210分
金田一と美雪、4人の同行者が訪れた〈夢見島〉で女性が転落死。それは〈血染めのピーターパン〉による連続殺人の始まりだった!! 「残念ながら金田一になれないのですが(笑)、彼も物語に登場するので、一緒に謎解きをする感覚は味わえます。プレイ人数が4人とマダミスにしては少なめなので、簡単かな? と思いきや、意外と奥深い」。¥3,300(マーダーミステリー金田一少年の事件簿)https://mdm-kindaichi.com ©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや/講談社 (R)KODANSHA
4、大正ロマンな世界に浸って謎解きを楽しむ。
「大正浪漫マーダーミステリイ 鬼哭館の殺人事件」プレイ人数:6~7人(GM不在でもプレイ可能)、プレイ時間:4~5時間
ときは大正時代、死人の芸術を揃えると噂される〈鬼哭館〉を訪れた6人の前に、1体の死体が現れる。不可解な現場に、どんな秘密と物語が隠されている? 「書生、将校、女性の新聞記者や、袴姿のお嬢さんなど大正ロマン感が味わえるのが楽しいです。登場人物の6人と被害者との人間関係が最後に明らかになるのですが、なかなかに唸らされます」。¥4,500(週末倶楽部 Twitter@weekend_club_)
にっしーさん マーダーミステリー評論家。市販の作品はオンライン、オフラインともにすべて購入しており、年間プレイ回数は400回程度。noteにて執筆しているレビューが好評。本業はゲームプロデューサー。
※『anan』2023年5月17日号より。写真・土佐麻理子
(by anan編集部)