――出演もしながら、ドラマの企画・プロデュースを手掛けるようになった経緯を教えてください。
MEGUMI:動き始めたのは、コロナ禍のこと。直感的に、世の中が変わっていくだろうなと思ったことがきっかけでした。私たち役者の仕事は、基本的に受け身で、声がかからないと活動できません。でも、このままではきっと、仕事がなくなるだろうな、と思ったんです。というのも、日本の映像作品で主役を務めるのは、基本的に若い役者。50代、60代になると、演じられる役が減っていきます。でも海外では、年齢を重ねた役者が主演をするのはよくあることで。そんな現状に気づくと、受け身の呪縛から解き放たれたいと思うようになりました。この先ずっと、大好きな芸能界でワクワクしながら仕事を続けるには、作品を企画・プロデュースして、自分で役を作って出るしかない、と。2020年の最初の自粛要請期間中に、ネットで買ったグリーンバックを共演者たちに送り、脚本家とやりとりをして、オンラインのみで1分間のインスタグラムドラマを制作。翌年、King Gnuの井口(理)くん主演のYouTubeドラマ『GOSSIP BOX』をプロデュースしました。
――現在は、テレ東系で放送中のドラマ『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』を手掛けていらっしゃいますね。
MEGUMI:はい、タイトルが長くてすみません(笑)。ドラマ『おしゃ家ソムリエおしゃ子!2』に出演した時に、プロデューサーの方に「私もドラマを作りたいです」と言ったら、「お金を集めて、内容が面白ければできるよ」と「今度ごはん食べに行きましょう」ぐらいのノリで言われて。でも私は本気でした。計画的にお金を集め、企画書を作成。再びプロデューサーにアポを取って、喫茶店で会いました。そこから話が進み、私は出演しながら、脚本決めやお弁当の手配までして撮影しています。
――ドラマはコメディタッチではありますが、芸能界になかなか切り込んでいますよね。
MEGUMI:20年近く芸能界にいる中で、才能があるのに、理不尽な思いをするなどして芸能界を辞めていった子をたくさん見てきたので、今頑張っている芸能人にエールを送りたかった。さらに、“日本人女性の自己肯定感は世界一低い”という記事をちょうど目にして、「こりゃいかん」と謎の使命感を持っていた時でもあって(笑)。頑張っている女性たちに、“いろんなことがあっても、乗り越えましょう”というメッセージにもしたかったんです。だから、後半にかけて社会派ドラマになっていくのですが、あくまでも入り口はコメディ。芸人さんに出ていただいたり、私自身が演じるカリスマ社長の不美は、いろいろやりまくって見た目はめちゃくちゃ若い72歳の設定だったり。だいたい、なんだよ“カリスマ”って。ダサいじゃないですか(笑)。そういう皮肉を前面に出して、笑いながら見ていたのに、気がついたら刺さっていたら嬉しいですね。
企画・プロデュースを手掛け、自身も出演しているドラマ『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』は、人気の若手アナウンサー・有加里壱子が、一転しどん底に落ちた人生を挽回しようと、“カリスマ”を目指す物語。テレビ東京系にて、毎週火曜深夜0:30~放送中。出演:深川麻衣、MEGUMI、野村周平、サーヤ(ラランド)ほか。
メグミ 1981年9月25日生まれ、岡山県出身。グラビアアイドルやタレントとして活動したのち、現在は、役者としてドラマや映画などで活躍。2016年には、石川県・金沢に『Cafe たもん』をオープン。また、企画・プロデュースを手掛け出演もするドラマ『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』(テレビ東京系)が放送中。
ジャケット¥29,920 パンツ¥18,920(共にリネイヴ/ネイヴ〔オンワード樫山〕 TEL:03・5476・5811) カットソー¥19,800(ハイク/ボウルズ TEL:03・3719・1239) シューズ¥46,200(ピッピシック/ベイジュ TEL:03・6434・0975) ブレスレットはスタイリスト私物
※『anan』2022年12月21日号より。写真・永峰拓也(SIGNO) スタイリスト・斉藤くみ ヘア&メイク・加藤 恵 インタビュー、文・若山あや
(by anan編集部)