文字の配置や大きさを意識するだけで好印象に!? “美文字”になる4つのコツ

2022.10.1
日本語文化圏に生きる私たちが、日常で一番よく使う、ひらがな、カタカナ、漢字。少し丁寧に書くだけで、伝わり度が上昇。インスタグラムで手書きの文字や美文字のコツを紹介し大人気となった、りささんにお話を聞きました。

りささんに習う“美文字”

手紙はもちろん、ちょっとしたメモや付箋も、いざ書き始めると“あれもこれも書きたい”となってしまい、結果的に内容も見た目もまとまりがなく、非常に伝わりづらいものに…という経験のある人は、比較的多い。

「いきなりペンで書くのではなく、とりあえず一度下書きをしてみてください。それによって書きたい文字の量が把握できるもの。そのうえで、文章の長さと紙の大きさとの関係性を考えながら清書をすると、心に余裕が出るので、内容も、そして気持ちも伝わりやすいものが書き上がると思います」

また、伝えたい相手に思いを巡らせ、気持ちを高めることも大事。

「例えば感謝の気持ちを伝えるなら、相手が自分にしてくれた親切などを思い出し、“ありがとう”という気持ちで心を満たしてからペンを執ると、気持ちが文字により乗るのでは」

字が下手だとか、ちゃんと書かなきゃといった気持ちはいったん横に置き、カジュアルに、“文字で自分を表現する”ことを楽しんで、とりささん。

「LINEでスタンプを使うくらいの気楽さで、手書きのメッセージを送り合ってくれたらいいな、と思います」

これを意識するだけで字が変わる! 知っておきたい4つのコツ。

1、紙に余白が生まれるよう、文字を配置。

「狭い部屋に家具をたくさん入れると、空間が狭くなりごちゃっとしますが、広い部屋に厳選した家具を置くと、“広くて素敵”と思いますよね。紙と文字の配置もそれと同じで、余白がきれいにとれていると、印象が良くなる。書き始める前に、余白をどうとるかの目安をつけるといいですよ」

2、縦でも横でも、とにかくまっすぐ書く。

「まっすぐに文字が並んでいるとそれだけで素敵に見えます。とはいえ、実はこれってとてもむずかしい…。例えばカッターで何かを切るとき、まっすぐ引くために腕の可動域を広くとりますが、文字を書くときも、そのくらい広い可動域を心がけると、意外とまっすぐ書けるものです」

3、文字に統一感を持たせる。

「統一感というと、すべての字を揃えなければ…と思うかもしれませんが、実はそれよりも、字と字の間隔を均等にしたり、線の角度を揃えるほうが、統一感が増します。最も簡単なのが、文字の横線の角度を、右上がりなら右上がりに揃えること。自分の文字のクセを見つけることがヒントにも」

4、漢字を大きく、ひらがななどは小さく。

「文字の大きさをすべて同じにするのは、なかなか至難の業。それよりも、漢字を大きくし、ひらがな、カタカナ、数字は漢字より小さく、メリハリをつけると、“文字を書き慣れた人のこなれた文章”に見えます。加えてなぜか、文字一つ一つのバラバラ感がなくなり、まとまった印象を与えられます」

余白を意識し、文字の配置を考えることがコツです

Entame

「こういったスペースが変則的なメモの場合は、どこに文字を配置するかに悩みますね。パンダの包容力に包まれて、文字にも優しさとかわいさが出たような気がします(笑)」

Entame

「“様”や“電話”など、大きく書きがちな文字のサイズに気をつけながら、1行目と2行目に2回出てくる“様”の位置が重ならないよう意識。左右の余白の幅も揃えています」

Entame

「余白をうまく調節することが、付箋を使いこなすコツのように思います。このメモは内容が重くないので、あまりかしこまりすぎず、楽しい気持ちが伝わるように書きました」

Entame

「縦書きはのびのびと書くことが成功の秘訣。また、改行の位置が結構大事なのですが、今回は“インスタ”で改行したくなかったので、そこはあえて、少し詰め気味にしました」

Entame

「1行目のフレーズの文字数が、この紙に対しては多かったのですが、文字を少し小さくして詰め込み感を出さず、なおかつ4行目と長さを揃え、全体のバランスをとりました」

りささん 手書き文字と、美しく書くためのコツをインスタグラムに投稿し、話題に。著書に『ふだんの美文字練習ノート』(KADOKAWA)、『美文字で書く素敵な言葉』(マイナビ出版)など。アカウントは@risagraphy

※『anan』2022年10月5日号より。写真・内山めぐみ

(by anan編集部)