白石聖「昔は声がコンプレックスだったんです」

2021.6.12
どんな難役でもこなす演技力の高さが評価され、出演作のオファーが途絶えない白石聖さん。前へ前へと全力疾走中の今だからこそ抱える、悩みや迷いとは。22歳、過渡期の今に迫ります。

私って趣味も少なくてつまらない人間だなって(笑)。

shiraishi sei

――正統派ヒロインからトリッキーな役まで、幅広く演じられてますよね。

幅といったら幅なのかもしれないですけど、それは悩みでもあるんです。幅広いとおっしゃっていただけているぶん、印象に残りづらいんじゃないかなという不安もあるので、もっと自己プロデュースができるようになりたいなって。

――そんな中で、自分の得意分野や強みは見えてきましたか?

それはまだ模索中です(笑)。よくこういう取材で自分の強みを聞いていただく機会も多いんですけど、本当にわからなくて。自分でもまだあまり掴みきれていないというのが正直なところです。

――これだけ出演作が続いていると、モチベーションを保つのも大変じゃないですか?

モチベーションのキープの仕方にも結構悩んでいて、とある番組で“モチベーションの維持の仕方がわからない”っていう悩みを相談させてもらったこともあるくらい(笑)。もともと私、目標設定をするのがすごい苦手なんです。というのも、昔はずっと声優になりたいって思っていたけど、女優というお仕事に行き着いて、今すごく楽しくやれているので、10年後どうなっているかなんてわからないなって。今で精一杯すぎて、先の目標が立てられないんです。

――でもこういう取材だと、必ず目標を聞かれますよね?(笑)

そうなんですよね。だから、そのたびに困ってます(笑)。目標も立てられないし、趣味と言える趣味も少ないので、こういう取材を受けるたびに答えられることがなくて、本当に私ってつまらない人間だなって思っちゃいます。

――いえいえ。さきほどからお話を聞いていると、白石さんは“仕事人”という印象を受けます。

そうなんですかね…? でも目標とかモチベーションを持たない中でも、その時その時、最善を尽くしているつもりではあるので、こんな感じで不安定でもいいのかなって。これからもいただいたお仕事は、100以上の力で返していきたいなとは思っています。

――白石さんといえば、文化放送『白石聖のわたくしごとですが…』でラジオパーソナリティにも挑戦されてますよね。

ラジオ、すごく楽しいです!

――俳優さんの場合、役を通さず、素の自分として話すほうが緊張するとおっしゃる方も多いですが…。

バラエティ番組とかはやっぱり緊張しますけど、ラジオは私一人なので着飾る必要もないですし、すごくリラックスした状態でいられるというか…。本当に好きなことを喋っているから楽しいのかもしれないです。もちろん女優として役を演じて、そのイメージで私を見ていただくことも大切なことだとは思うんですけど、やっぱりイメージを固定されすぎてしまうと息苦しくなってしまうので、ちゃんと自分は自分として大切にしておきたくて。そういう意味でラジオは発散できる場所なんです。

――ラジオのお仕事は、ご自身の希望だったんですか?

声優志望だったので、声に関する仕事がしたいとは言ってました。

――なるほど…! でも白石さんの声は本当に聞きやすいですよね。

いえいえ。本当に昔は声がコンプレックスだったんですよ。アニメをよく見ていた時は女性声優さんの声に聞き慣れていたので、なんで私の声はこんなに低いんだろうとか、もっと可愛い声がよかったなとか。今はこれが私の良さでもあるのかなと思って受け入れられるようになってきたんですけど。

――趣味もないとおっしゃっていましたけど、お休みの日は何をされてるんですか?

整体とか、マッサージに行っています。リフレッシュする時間が好きなんですよね。コロナが流行する前は、自分でいいところを調べて、名古屋までマッサージを受けに行ったりもしてました。

――それは趣味と言ってもいいレベルかもしれないですね(笑)。

そうなんですよ! でもなかなか、整体が趣味っていう人もいないですよね(笑)。本当に休みの日は癒されたいという気持ちです。

――じゃあお休みの日は、一人で過ごすことのほうが多いですか?

今はご時世的にそうですけど、友達と遊ぶことも多いです。とくに地元の友達と過ごす時間は、とても大切。何をするわけでもなく、会って話せればそれで十分です。

――仕事の相談とかもお友達にされるんですか?

しますね。たぶん私、人と話すことが息抜きになっていて。ラジオも喋れるから、息抜きになっているんだろうなと思います。こういう取材を受けている時間も、“本当に私ってこう思ってるんだっけ?”と、自分と向き合ういい時間になっていますし。全然はっきりとしたこと答えられなくて申し訳ない限りなんですけど(笑)。

――とんでもないです! 最後に、目標というほど大袈裟なものではなくても、いま何か、やってみたいことはありますか?

この間、初めてラジオで生放送をやらせてもらったんですけど、それがすごい楽しかったんですよね。音楽が流れて、スタッフさんがキューを出して話し始めるっていう一体感みたいなものが、ラジオっぽ~いと思って(笑)。生でしか感じられないものも多かったので、またいつか機会があればやりたいなと思っています。

しらいし・せい 1998年8月10日生まれ、神奈川県出身。2016年に俳優デビュー。ドラマ『I”s』では約700名の中からヒロインに大抜擢。’19年には美少女タレントの登竜門といわれる『ゼクシィ』の12代目CMガールに選ばれ、一躍注目を集める。主演ドラマ『ガールガンレディ』はMBS・TBS系列で深夜に放送中。

映画『胸が鳴るのは君のせい』 累計発行部数250万部突破の大人気コミック『胸が鳴るのは君のせい』を実写化。転校生の有馬隼人(浮所飛貴)と親友のように仲良くなった篠原つかさ(白石聖)は、友達にはやしたてられ、思い切って告白。が、きっぱりフラれてしまう。それでも諦めきれず奮闘するつかさに、有馬も徐々に心を動かされていく…。現在公開中。

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※『anan』2021年6月16日号より。写真・来家祐介(aosora) スタイリスト・北川沙耶香 ヘア&メイク・鷲塚明寿美 インタビュー、文・菅野綾子

(by anan編集部)