“筋膜リリース”とマッサージは違う! いま筋膜に着目する理由

2021.6.2
肩こり、頭痛、ぽっこりお腹に脚のむくみ…。何となく体がすっきりしないのは、筋肉を包む「筋膜」のきしみが原因かも? 硬くなった筋膜をゆるめれば、体も心も自然とリフレッシュ。じわりと気持ちいいセルフケアが、リモートワーク時代の救世主に!
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Q. そもそも筋膜って何?

A. 筋肉を包む薄い膜組織のこと。体の機能やラインを保つのに欠かせない、ボディスーツのような存在。
「筋膜は簡単に言うと、筋繊維を包む膜組織のこと。筋肉を滑らかに動かすために調整したり、筋肉や内臓を正しい位置に保って体のラインを形作る役割も。いわばボディスーツのような存在です」

とは、早くから筋膜の働きに着目し、セルフケアを推奨してきた鍼灸師の滝澤幸一さん。

「骨を包む骨膜や、内臓を覆う腹膜などの膜組織と連携して働くものでもあります。例えば腰の筋膜を整えることで腹膜の動きもスムーズになり、便秘が解消したり。私たちの体は筋膜を介してひとつにつながっているのです」

Q. なぜ筋膜リリースが必要なの?

A. 運動不足や、崩れた姿勢で長時間過ごすと固まってしまうことが。リモートワーク生活中の今こそ要注意!
「知られざる働きがたくさんあるのが筋膜。健康のためには、常に滑らかに動く状態が理想です」

と、滝澤さん。ところが最近、この動きが滞りがちな人が増えているという。

「長い時間座ったままでいるなど筋肉を動かさないでいると、筋膜に滑走性がなくなり、筋肉と癒着してしまう。それが習慣化すると歪んだまま固まってしまい、悪い状態で“形状記憶”されてしまうのです」

リモートワーク全盛の今、あなたのボディスーツも知らない間に歪んで固まっているかも?

Q. どうして固まるとよくないの?

A. 筋膜が固まると筋肉の働きもダウン。コリや痛みが起きやすくなり、基礎代謝の低下から脂肪が溜まる一因にも。
「筋膜が固まって筋肉に癒着すると、その部分の血流が悪くなり、多くの場合痛みやハリ、コリを生じます。それが冷えを招き、自律神経の働きに悪影響を及ぼします。また、筋肉の働き自体も落ちるので基礎代謝が低下し、当然脂肪も溜まりやすくなります」

まさに負のスパイラル! 早めの対処が肝心だけれど、癒着に気付かない人も多いそう。

「人は姿勢が崩れていても、慣れてしまうもの。正しい姿勢をとろうとすると痛みや緊張感があるのは、筋膜が歪んでいるサインです。早めにケアを始めましょう」

Q. 筋膜リリースとマッサージはどう違う?

A. マッサージは筋肉を揉みほぐすのに対し、筋膜リリースは筋膜を優しく押さえて整えるケア。ここに違いが。
体の表面を押すことで筋膜に働きかけるのが、筋膜リリース。マッサージにも似ているけれど、

「一番の違いはポイントではなく、面で押すこと。痛むスポットに点で働きかけることもありますが、基本は広い範囲に圧をかけながら、癒着を少しずつはがして整えていきます。くしゃくしゃの布に低温でアイロンを当てていくようなものと思ってもらうと分かりやすいかもしれません」

このとき大切なのが、呼吸法。

「深くゆっくりと呼吸することで副交感神経が働き、効率よく筋膜をゆるめることができます」

Q. 不調があるところだけリリースすればいい?

A. 筋膜のエリアに沿ったケアが効果的。筋膜を5つのネットに分けて考え、不調部分を含む広範囲をゆるめて。
痛みやコリがあると、そこばかりケアしてしまいがち。でも、

「例えばお尻の筋膜の癒着が原因で腰痛が起きているなど、原因がある場所と痛む場所が離れていることも少なくありません。筋膜のつながりを意識して行うことが、筋膜リリースでセルフケアを行う際に大切なことです」

滝澤さんは全身の筋膜をフロント、バック、サイド、アーム、インナーという5つのネットに分かりやすく大別。

「不調のあるところを中心に、ネット全体を広くリリースすることをおすすめします」

Q. どんな効果が期待できるの?

A. 血行が良くなってこわばりが解消、見た目もスッキリ! 痛みやコリがなくなるから、精神的にも解放感が。
「すぐに実感できるのが、血行が良くなるということ。ハリやこわばりが取れ、痛みがラクになります。筋膜が機能すると内臓が正しい位置に戻り、姿勢も改善。筋膜リリースを行ってからだと、筋トレなどの運動効果も高まります」

いいことずくめの筋膜リリース、セルフケアのコツは?

「専用のローラーを使うのが効率的ですが、代替品を使ってもいいし手で押しても。大事なのは、じわっと圧をかけてリラックスすること。そして歯磨きと同じように、日々の習慣に。いつも快調でいられるようになりますよ」

滝澤幸一さん 鍼灸師、ソル・エ・マーレ鍼灸治療院主宰。著書『1分でほぐれる! 天使の筋膜リリースローラーBOOK』(宝島社)。

※『anan』2021年6月9日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・新田草子

(by anan編集部)

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