室内外の寒暖差が腸に負担 生活の中で気をつけたい3つのポイント

2021.1.31
腸は消化・吸収、排泄だけでなく、免疫にも関わる重要な器官である腸。「冬の温め腸活」を実行して、様々な病気の予防に努めよう。外気温が下がるこの季節は、暖房や服装、入浴などでできる腸を冷やさないための対策を万全に。ちょっとした工夫で腸は元気になる!

腸を冷やさない

1:屋外と室内の寒暖差に注意する。

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実は冷たい飲み物より腸に負担をかけるのは、屋外と室内の寒暖差による腸冷え。「“10度の法則”と呼んでいるのですが、室温と外気温の差が10度以上になると、腸にストレスがかかり、動きが悪くなります」。この法則に従って、寒暖差を10度以内に保つのがベストだが、今の季節は無理があるので、室温は20度くらいで。セーター1枚で過ごせるくらいを目安に。

「その代わり、外に出る時に携帯カイロをお腹に入れるなど、お腹を急激に冷やさないような工夫を。また、暖房器具の発達で室温を上げすぎている場合が多く見られるので、一度確認してみてください」

2:温めるだけでなく、締め付けない服装を。

「若い女性を中心に、上半身は厚着しながら、下半身は冬でもミニスカートなどの人を見かけますが、言うまでもなく腸冷えを招く服装です。本当に美容を考えるなら、腸とカラダを保温して全身に血液を回す服装を選びましょう。それによって肌もキレイになります」。この季節、まずお腹がしっかり保温される服装が基本。ただ、単に分厚い服を着ればよいわけではなく、首・手首・足首から冷気が侵入しないデザインを選ぶ。また、体熱を運ぶのは血液なので、血流を妨げないようカラダを締め付けないゆったりしたものを。重ね着で空気の層を作るのが、保温効果を高めるコツ。

3:半身浴&アロマバスで腸を癒す、温める。

「毎日、入浴をシャワーで済ませてしまっている人がいますが、お湯を浴びるだけでは温め効果は望めません。腸を温めるには、湯船にしっかり浸かることが大切です。おすすめなのが、少しぬるめのお湯での半身浴。便秘やお腹の張りは、交感神経が優位になっている時に起こりがちですが、ぬるめのお湯は副交感神経を程よく刺激して、心身のストレスを取り除く効果があります」。血流を促して自律神経のバランスを整えることは、腸を温めて活発に動かすのにとても有効。また、湯船にアロマオイルを垂らすアロマバスも、交感神経を静め、さらなるリラックス効果が期待できる。

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冬の半身浴のやり方
あらかじめバスタブにお湯を張り、湯気で浴室を暖めておく。お湯の温度は38~41度、みぞおちから下が浸かる程度の量で。20~30分ほど、じんわりと汗が出るまで浸かる。湯船の中で「腸ストレッチ」を行うのもおすすめ。まず右わき腹から左わき腹へ、続けて斜め下に押す。

アロマバスのやり方
オリーブオイルやホホバオイル、アーモンドオイルなどのキャリアオイル(希釈用のベースオイル)でエッセンシャルオイルを薄めて、バスタブのお湯に入れる。オイルの分量は、10~15mlのキャリアオイルに対して、エッセンシャルオイル3~5滴を目安に。

Health

キャリアオイル アーモンドオイル
アーモンドの種子から、成分を壊さないように冷圧搾法(コールドプレス)で抽出。肌なじみの良いピュアなオイル。200ml¥3,400(ニールズヤード レメディーズ TEL:0120・316・99)

Health

エッセンシャルオイル(左)ラベンダー、(右)イランイラン・オーガニック
ゆったり寛ぐ香りの代表格、やや甘みのあるラベンダー。濃密でエキゾティックなイランイラン。各5ml。ラベンダー¥1,300 イランイラン¥1,600(ニールズヤード レメディーズ)

松生恒夫先生 松生クリニック院長。これまでに、5万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた大腸疾患治療の第一人者。『専門医が教える 腸ストレッチでお腹スッキリ!』(マイナビ出版)、『図解ハンディ版 腸を温める食べ物・食べ方』(青春出版社)ほか著書多数。

※『anan』2021年2月3日号より。イラスト・朝野ペコ

(by anan編集部)