体温計、上から挟むのはNG!? 正しい“体温”の測り方

2020.12.3
最近、自宅をはじめ、外出先でも検温をする機会が増え、日常的に体温を気にするようになった人も多いはず。でも、測るシチュエーションによって体温がまちまち、なんてことも。一体、何°Cが自分の平熱? カラダの冷えを知るためにも、正しく体温管理をする秘訣をレクチャーします。

平熱が低くても温活で改善することができる。

自分が冷えているかどうかの判断材料となる検温。どのタイミングで測ったらいいかなど自分の平熱を正しく把握するためのコツを、御苑アンジェリカクリニック院長・神藤慧玲先生に伺いました。そのうえで、平熱が36.5±0.5°Cよりも低かった場合など、体温との向き合い方についても聞いてみると…。

「体質的に冷えやすい人はいますが、諦めることはありません。運動で筋力をつけ、カラダを温める食べ物を摂るなど温活を行えば、平熱が上がることはありますし、冷えを改善することもできます。一方、平熱が36.5±0.5°Cの範囲内の人も油断は禁物。その数値に安心して温活に無頓着でいると、平熱が下がり、冷えを引き起こしてしまう可能性があるからです。健康を維持するためにも、検温する習慣をつけて、自分の平熱を正しく把握することが大切です」

体温計の選び方については、体温計といえばおなじみのメーカー、オムロンヘルスケアの広報・石崎恵さんに聞きました。

Q. いろんなタイプの体温計があるけど、どのタイプを使うといい?

A. 家庭で日常的に使うなら、腋で測るタイプがスタンダード。
体温計の種類は腋、口、耳、額用などがある。

「できるだけ正確に体温を測るためにはいくつかポイントがありますが、その一つが、なるべく外気の影響を受けない部位で測ること。その意味では、腋、口、耳専用の体温計が挙げられます。それぞれメリットがあるものの、口の場合は使用後に拭くなど清潔を保つ必要がありますし、耳の場合は挿入部につけるカバーを毎回替えないといけないので、ランニングコストがかかってしまうという懸念も。結果的に、腋専用の体温計であればそういった心配がなく、日々の検温に適しているといえます」(石崎さん)

体温を測る部位と特徴

額:額で測る際に使われるのは、非接触タイプの体温計。利点は衛生的に使い回せること。ただ、額は外気に触れる部分なので、気温の影響を受けた数値が出ることも。

耳:耳専用の体温計は、約1秒など短時間で計測可能。そのため小さな子どもに使われることが多い。ランニングコストがかかるので、日常使いというより発熱時に。

口:口中で測る体温計の中でも婦人用体温計は、小数第2位まで測れるのが特徴。生理周期によるわずかな体温の変動を測るための機能。基礎体温計とも呼ばれる。

脇:外気の影響を受けずに測れる部位の中でも、腋が最も一般的。腋専用の体温計は手に入りやすく値段も手ごろなうえ、とくにケアも必要ないから日常使いに◎。

腋での正しい測り方

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OK:腋は中心に向かうほど体温が高くなり、その中央部に体温計の先端を当てるのがポイント。下から押し上げるように体温計を挟み、腕に対して30~45度の角度でキープ。腋と体温計が密着するように、反対の手で腕を軽く押さえよう。

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NG:左・体温計を上から挟むと、腋の中心に当たらないのでNG。右・横から挟むと、体温計の先端が腋の中央に当たりにくいので、こちらも×。

しんとう・えり クリニックでは内科、婦人科、皮膚科などの一般保険診療を行う。また、冷え外来など、西洋・東洋医学を併用した専門外来もある。

※『anan』2020年12月9日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)