尼神インター・誠子が初エッセイ! タイトルの“B”の正体は?

2020.10.7
お笑いコンビ・尼神インターの狩野誠子さんが、このたびご自身初のエッセイ本を上梓! 少女時代の思い出、大切な家族のこと、お笑いとの出合い、相方への気持ちなど、5か月かけて綴った一冊です。

エッセイっていうのは気恥ずかしくて。自分を俯瞰し、小説風に書きました。

amagami1

「最初に編集の方からお声がけいただいたときは、私自身本が好きなので、とても嬉しかったです。編集者さんからのリクエストは、ポジティブな読後感。『誠子さんならそれができます!』と言っていただいたので頑張ろうと思ったのですが、本一冊って結構な文字量で…。正直、“これ、書けるのか…?”と呆然とした瞬間もありました(笑)。無事に本になったものをいただいたときには、思わず“やった~!”と声を上げて喜びました。ホントよかった」

エッセイとうたってはいますが、語り手の主語は“私”ではなく、“誠子”。自身の経験や気持ちが書かれたこの本は、なんだか小説のよう。

「エッセイって、なんだか気恥ずかしくて…。芸人として自分のことをネタにするのは全然大丈夫なんですが、素の“狩野誠子”について語るのは、昔からすごく苦手で。自分を“誠子”というキャラクターにして、俯瞰してみることで、冷静に自分と向き合え、文章にすることができたんだと思います」

タイトルにもなっている“B”とは、“ブス”の意味。とてもユニークなのが、自身のことをそう思っていなかった“誠子”が、他者から“B”だと言われ、その自覚を持ったときのことを、“Bと出会ったとき”と書いていること。“B”を擬人化するその手法に驚かされます。

「この本を書くにあたって、そういえば自分がブスだと感じ始めたのはいつだったっけ…と思い返してみたら、中学生のときだった。そこからずっと私は、Bとともに戦い、そして一緒に歩いてきている、という意識があることにも気が付きました。そこから、“出会う”という言葉が出てきたんだと思います。中学時代はそう言われると、単純に“最悪やん!”と、ただただネガティブに思っていました。でも高校時代にお笑いに目覚めて以降は、ずっと自分の真ん中にあった容姿のコンプレックスについて考える暇もないほど、お笑いに夢中で。さらに芸人になってからは、このルックスであることが、武器にもなった。それからはもう、ずっと人生が楽しい。お笑いに出合えて、それによってコンプレックスだった自分の容姿も好きになれた。本当によかったと思っています」

今回本を書いたことで、言葉の持つ力についても、いろいろな気付きがあったと話します。

「自分も含めてですが、書いたり、口にしたりした言葉を、相手が受け取ったときにどんな感情になるのか、もっともっと考えたいと思いました。芸人同士だからいいやろって思って、結構軽い気持ちで使った言葉で、誰かを傷つけてしまったこともあっただろうな…。でも一方で、誰かが私に言った言葉の裏には、言葉以上の意味が含まれていることもあるわけで。受け取り側としては、相手の言葉には想像力を持って接していきたい。この本が、読んでくれた人にとって、言葉やコミュニケーションについて考えるきっかけになったら、本当に本当に嬉しいです」

amagami3

『B あなたのおかげで今の私があります』 “B”とは、ブスのこと。それによって苛まれた時期を越え、相棒のように仲良く“B”と生きる誠子さんの、思いが詰まった一冊。ちなみにタイトルは、かの有名な歌姫を描いた本に発想を得たそう。KADOKAWA 1300円

かのう・せいこ 1988年生まれ、兵庫県出身。お笑いコンビ、尼神インターのボケ担当。2011年「第32回ABCお笑い新人グランプリ」新人賞を受賞。’17年より活動拠点を東京に移す。

※『anan』2020年10月14日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・河野友紀

(by anan編集部)

※ 商品にかかわる価格表記はすべて税込みです。