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「後輩を呼び捨て」するとセクハラ? 加害者にならないための意識とは

2019.12.11
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ハラスメント」です。

知らぬ間に自分が加害者になるかも、という意識を持つ。

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今年9月、奈良県の小学校で起きた教員同士のいじめ、パワーハラスメント(パワハラ)が大きく報道されました。また、10月にはJリーグの監督がパワハラ認定を受け、1年間の指導者資格停止処分に。11月にはプロフィギュアスケーターの織田信成さんが、関西大学アイススケート部の監督時代にモラルハラスメント(モラハラ)を受けたと、損害賠償を求めて提訴しました。ほかにも、セクシュアルハラスメントやカスタマーハラスメント(カスハラ)など、様々なハラスメントが最近、社会問題になっています。

ハラスメントは、本人が嫌だというものに対して、無理やり、同意を得ずに、圧倒的な力関係を利用して起きるものです。加害者はたいていハラスメントの自覚がありません。モラハラなどは、その最たる例。よかれと思ってしていることが、実は相手を傷つけ、追い込んでいる場合があります。こういう報道に対して、「大変だね」で済まさずに、「自分も知らないうちに誰かの脅威になっているかもしれない」と想像してみてください。後輩に対して、親しみを込めて呼んだつもりの呼び捨てが、相手にとっては威圧的だったかもしれません。不機嫌に告げた、行き先の伝え方が、タクシー運転手にとってはカスハラになっていたかもしれません。ハラスメントを回避するには、それが不快になっていないか、相手の同意を得ることが必須になります。

ヨーロッパでは10か国で、同意のない性行為は犯罪になると、法律で定めています。しかし、どう同意を得るかは難しい問題です。空気を壊してしまうかもしれませんし、かえって信頼を損ねることもあるでしょう。性交渉に限らず、同意の方法は試行錯誤していくしかないと思います。

企業にパワハラ防止対策を義務付ける法律が、来年から施行されるのを踏まえ、厚労省は先月、パワハラの具体例の指針案をまとめました。受けた当人がパワハラと捉えればパワハラになるので、単純な基準で判断はできません。しかし、これを軸に皆が意識をし、積極的に対話を行うことで、状況が改善され、ハラスメントが減ることを願うばかりです。

hori

ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げる。9月、3つ目の新会社「わたしをことばにする研究所」を設立。

※『anan』2019年12月18日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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