ダイエットの本質は“舌トレ”! ポテチの一気食いを脱するには?

2019.2.1
クセになる“塩・糖・脂肪”のアッパー系から適量で満足する“旨味出汁”のダウナー系に。日本人にはおなじみの味が、実は太りにくい!
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旨味スープで痩せる

予防医学の専門家、石川善樹さんによれば、痩せている人の多くは、自炊の習慣があるのだとか。

「買い物をして料理をして、食後は後片付けをしてとなると多くの時間が潰れます。暇な時間がある人ほど太るので、短時間で済んでしまう外食や中食ではなく、食事はやはり自炊がおすすめ」

なかでも、イチオシは出汁の旨味をたっぷり含んだ汁物。

「脳が“おいしい”と感じる味は2つあり、その一つは塩と糖と脂肪の組み合わせで作られたもの。これらはアッパー系と呼ばれ、摂れば摂るほど脳の中で不足感が生じて、もっと食べたくなる味。一方、出汁の旨味はダウナー系。ゆっくり味わうことで満足感が得られ、過食を防ぐことができます」

ダイエットの本質はアッパー系に慣れた味覚をダウナー系にシフトすること。これぞ“舌トレ”。

「味を感知する舌の細胞が生まれ変わるサイクルはとても早いんです。旨味たっぷりの汁物を2週間飲み続ければアッパー系からダウナー系の味に慣れてくるはず」

POINT1:ダウナー系の“旨味”で食べすぎを抑える!

塩・糖・油。これらは脳を興奮させ、不足感を感じさせるアッパー系トリオ。ポテチを無意識に一袋食べてしまうのは、もっと欲しいと脳が要求するから。

「さらに、せんべいとアイスクリームを交互に食べると一生食べていられる、みたいなこともあります。塩、糖、油の味が交互にやってくると脳が飽きずに食べ続けられるからです。でも、ダウナー系のお吸い物や味噌汁を飲むときは、一気に飲まないですよね。ふーっとひと息つく感覚。脳が満足するから食べすぎを防げるわけです」

POINT2:旨味成分は4種類。重ねると効果が倍増!

代表的な旨味成分は、昆布や野菜に含まれるグルタミン酸、鰹節や煮干し、肉類に豊富なイノシン酸、干しシイタケなどきのこ類のグアニル酸、貝類のコハク酸。

「旨味成分はそれ単独で摂るより、組み合わせることで飛躍的に旨味が増すことが知られています。これを“旨味の相乗効果”といいます。和食の合わせ出汁は、旨味を上手に組み合わせた代表的なもののひとつ。また、コハク酸を含む貝類は、舌の細胞の代謝を促す亜鉛も豊富なので、積極的に取り入れてみてください」

POINT3:ポイントは食べる順番。“旨味ラスト”を実践!

アッパー系からダウナー系にシフトする“舌トレ”では、最初に野菜類、次に主菜、そして主食、最後に旨味の効いた汁物を摂るという食べ順が理想的。

「でも、どうしても主菜と主食を一緒に食べたいという人は、それでもOKです。最も重要なのは、食べ始めと食べ終わり。血糖値を急に上げないよう野菜から食べ、最後に旨味系の汁物を口にしましょう。満足感が得られて、食後にお菓子に手が伸びなくなります」

時間がないときは、最後の汁物を市販の減塩味噌汁や昆布茶にしてもよし。2週間後には、アッパー系の食べ物の味の濃さが分かるようになり、適量の食事で満足できるように。

監修・石川善樹さん 予防医学研究者。“人がよりよく生きるとは何か”をテーマにした研究に取り組む。専門分野は予防医学、行動科学、計算創造学など。『ノーリバウンド・ダイエット』(法研)など著書多数。

※『anan』2019年2月6日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・石飛カノ

(by anan編集部)

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