寝入りばなの大きな寝返りはNG 質のよい睡眠を導く条件

2018.8.26
買い替えたり、季節で使い分けたりすることなく、同じものを使い続けがちな寝具やパジャマ。でも、「快眠のためには寝室全体の衣替えが必要」と語るのは睡眠コンサルタントの友野なおさん。

「四季のはっきりした日本では、季節ごとに適切な寝具を選ぶことが快眠の鍵。高温多湿の夏は、熱や湿気を逃がしてくれる肌触りのさらっとした素材を選ぶだけでも、カラダの休まり方が違いますよ」

快眠のポイントは、意外なところにも。それは、寝返り。

「寝返りは質のいい睡眠を担保するために必要なものですが、寝入りばなに大きい寝返りを何度も打つと質が落ちてしまうんです。特に、夏は背中が蒸れて、その湿度は80%以上になるという指摘もあり、寝苦しさを軽減しようと不要な寝返りが増えやすい。シーツを涼やかな麻素材に替えたり、冷感マットを加えるなど、背中の蒸れを軽減させる工夫が大切です」

ここでは、快眠のためにおさえておきたい4つのポイントをご紹介します!

湿度・温度

快眠

正しい室温は“布団の中”から逆算。冷房を正しく使ってコントロールしよう。
個人差はあれど、室温28℃を超えると人は寝苦しく感じる。「基本的に冷房は26~27℃に。湿度は50~60%が理想的。夏は基本的に一晩中エアコンをつけっぱなしにしてOK。機種によって体感が違うので、ベッドまわりに温湿度計を置くといいですね」。人体と寝具の間の空間=寝床内環境に気を配り、温度33±℃、湿度50±5%を一年中キープ。「そのためにも、寝具の衣替えは必要です」

香り

香りは快眠の強い味方。定番はラベンダーだけど、好みで選んでOK!
入眠サポートには、鎮静効果のあるラベンダーやセドロールの香りを。「ただ、好みでなければ逆効果に。“リラックス”“グッドナイト”など目的ごとにブレンドされたアロマも、好き嫌いが少ない傾向がありおすすめです」

ベッドの位置

これだけで寝苦しさ軽減。壁との間に最低10cm、空間を作って設置を!
日本の住宅事情では、広い寝室の中央にベッドを置くのは難しい…。「それでも、屋外に面した壁からは10cmは離すように。くっつけると壁にこもった外気温の輻射熱で、ベッド周辺の温度が上がって寝苦しくなります」

掛け布団

肌触りのいい素材でリラックス! きちんと掛けて就寝中の体温調節を。
どうせはいじゃうし、夏に掛け布団は不要と考えがちだが…? 「夏は一晩中エアコンをつけていただきたいのですが、就寝中、体温は下がります。お腹まわりだけでも冷えすぎないよう掛け布団で体温調整を。また、涼しい日はもう一枚ベッド上に用意しておくと、肌寒さを感じた時に無意識に掛けて温度調節できます」。掛け布団選びは触り心地も重視して。「夏なら通気性の高い麻、吸汗性のあるパイル地がおすすめ。洗濯の頻度が高まる時期ですし、洗いに強いガーゼもいいですね。麻やガーゼは洗うほど柔らかくなります」

快眠

秋口などは、ベッド上に薄めの掛け布団を何枚か用意しておくと、朝方に肌寒さで目覚める心配がなくなるそう。

友野なおさん 睡眠コンサルタント。日本睡眠学会正会員、日本睡眠環境学会正会員。“睡眠から日本を元気に!”をテーマに、快眠グッズや空間プロデュースなどを手掛ける。著書に『正しい眠り方』(WAVE出版)など。

※『anan』2018年8月29日号より。イラスト・別府麻衣 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)


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