空前の「縄文ブーム」到来! この夏チェックしたい展覧会

2018.7.7
学校で教わったときには、石器時代の延長くらいにしか思っていなかった縄文時代。ところが、じつは高度な精神文化を持っていたのでは? との見方がスタンダードになり、今や空前の縄文ブームに。この時代に魅せられた人々のドキュメンタリー映画まで公開されるこの夏、東京・上野では、“縄文の美”をテーマに、同時代の国宝全6件をはじめとする貴重な文化財を一堂に集めた展覧会が開催されている。
縄文時代

「縄文は、自然に抗うことのないエコロジカルな社会で、自然への敬いや畏れを込めた精霊、祖霊、神などへの信仰が盛んだったと考えられています。土器や土偶などの造形物は、同時期の世界や異なる時代の日本文化と比べても、きわめて情熱的で躍動感があり、生命力にあふれているのです」と、東京国立博物館 特別展室主任研究員の井出浩正さん。文字がないだけに、装飾や文様から、どんな社会だったのだろうと想像が膨らみ、ロマンに満ちた魅力的な時代なのだという。

本展には、約1万年続いた縄文時代の始まりから終わりまで、北海道から沖縄まで、時期・地域を超えて縄文期の優品が集結。

「今回は29都道府県の出土品が展示されます。お気に入りの品を見つけたら、その出土地や所蔵館をぜひ訪ねてみてください」と井出さん。

近年の調査では、縄文晩期の東北地方の特徴を持つ土器が沖縄本島で発見されるなど、縄文人の広大な交流ネットワークの存在も明らかになっているのだとか。知れば知るほどわくわくするミステリアスな縄文。かつてない規模の展覧会を通して、その奥深さに浸ってみたい。

縄文時代

東京国立博物館 平成館 東京都台東区上野公園13-9開催中~9月2日(日) 9時30分~17時(金・土曜は~21時、日曜・7/16は~18時、入館は閉館の30分前まで) 月曜、7/17休(7/16、8/13は開館) 一般1600円ほか TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)

<国宝>土偶 縄文のビーナス 長野・茅野市蔵(茅野市尖石縄文考古館保管)展示期間:7月31日(火)~9月2日(日)長野県茅野市 棚畑遺跡出土

<国宝>土偶 合掌土偶 青森・八戸市蔵(八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館保管)青森県八戸市風張1遺跡出土

※『anan』2018年7月11日号より。文・黒澤 彩

(by anan編集部)


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