学習能力、美容、健康。そのすべてに好影響が。
「わたしたちが何かに夢中になっている瞬間、脳内では“ドーパミン”という神経伝達物質がさかんに分泌されます。ドーパミンは心拍数をあげる物質で、楽しい経験をした時に心臓がどきどきするのはこのため。分泌されると幸福感が与えられます。また、目標を達成することで集中力や記憶力などの学習能力を高める作用があるため、“学習物質”とも呼ばれます」(精神科医・樺沢紫苑さん)
つまり、夢中になれる趣味を持っている人ほど、ドーパミンを脳内でうまく回すことができ、それが能力アップにもつながるというわけ。さらにこんなメリットも。
「趣味を持つことで感動したり、感情を表に出す経験が増えれば、“オキシトシン”の分泌が高まります。オキシトシンは“癒しのホルモン”ともいわれ、新陳代謝を高めて外見を若々しく保ったり、免疫力をアップするなど、美容や健康にもいい影響を与えます。何かに夢中になるということは、脳にとってそれほど素晴らしい効果があることなのです」
“夢中”になることが脳にあたえる効果は…
- 幸福感に満たされる。
- 集中力、記憶力が高まる。
- アンチエイジング効果がある。
- 免疫力、生命力アップ。
「脳科学的にいえば、人が幸せを感じる時にはドーパミンが分泌されています。特にドーパミンが出やすいのは目標が叶った時で、例えば、宝くじを買ってそれが当たった時や、海外旅行の計画を立てそれを実行した時。目標を立てるだけでも楽しいうえに、それが叶った瞬間にはたまらない幸福感を得るのです。アイドル好きならば、コンサートに行きたい、グッズが欲しい、でもいいでしょう。常に“胸躍る目標”を設定することが大切」
「また、ドーパミンは“頭が良くなる物質”と言っても過言ではありません。何かに夢中になってドーパミンが出ると、集中力と記憶力が高まり、脳の働きが良くなるのです。それは趣味の領域においてだけでなく、仕事の際にも効果を発揮します。仕事も遊びも、目標を設定して達成していくという意味では同じこと。もし今の自分の能力に自信がないなら、“好きなこと”づくりから始めても。熱中できる趣味は、最高の脳トレとなるのです」
「脳から分泌されるオキシトシンは、別名“愛のホルモン”。キスやハグなど、肌と肌のふれあいや、他人とのコミュニケーションによって出ることで知られています。その注目される働きが、新陳代謝を活性化することによるアンチエイジング効果。恋愛している人が年齢を重ねても若く見えるのは、このオキシトシンの効果に他なりません。心を奪われる趣味にも恋愛に似た側面があると考えれば、若さを保つ秘訣ともいえるでしょう」
「さらにオキシトシンの効果は、健康面にも作用します。例えば、免疫力をアップして病気に強いカラダをつくる、脳の疲れを取る、便秘や肩こりを解消する、心臓の機能を高める、高血圧を抑制してくれるなど、その驚くべき効果は医療の世界でも注目を浴びているほど。ちなみに、ドーパミンの分泌は回を重ねるごとに減じるといわれますが、オキシトシンは減じることがないのも大きな特徴。まさに不老不死の妙薬といえるでしょう」
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