独身女性には言わないのに…妊娠、出産で出てくる「おっぱい」問題とは?

2017.4.24
エッセイストの犬山紙子さんと漫画家の瀧波ユカリさんが、出産にまつわる“モヤワード”について、ズバッと語ってくださいました。
マナー

女性の一大ライフイベントである、結婚と出産。何気ない一言にこそ、トゲが潜んでいるかも。

「○○には、気をつけた方がいいよ!」

出産前後の体調管理は、妊婦の最大の関心事。とはいえ、行きすぎたアドバイスはトラブルの火種に。

「特にやっかいなのが、科学的根拠に基づかない都市伝説的なクソバイス。『このシャンプーは体によくない』『それを食べたらおっぱいまずくなるよ』といった説は、自分で信じるぶんにはいいですが、人に押し付けるべきではないと思います」(エッセイスト・犬山紙子さん)

「これは、経産婦にも多い傾向です。単純に『自分はこうだったよ』という経験の語り合いならいいけれど、『だからあなたも同じはず』となると、途端に重くなってしまうもの。せめて『体調は大丈夫?』と気づかうまでにとどめておきたいですね」(漫画家・瀧波ユカリさん)

【結論】

  • 非科学的なクソバイスほど無意味なものはなし。(犬山さん)
  • 経産婦こそ要注意。自分の経験だけで語らないように!(瀧波さん)

「妊娠して優しい顔になったね」

さまざまな体の変化が起こる妊娠期間。「顔つきが優しくなる」も、昔からよく言われていることだけど…。

「悪気はなくても、違和感を持つ人はいると思います。妊婦=幸せというイメージがあるために、『妊婦だからいつもニコニコしてないといけないのかな』とプレッシャーになったり。実際には、お酒も飲みたいし、毎日が必ずしも幸せなわけじゃない。“妊婦”というフィルターをかけて見られることに抵抗があるのかも」(瀧波さん)

「私も妊娠中によく『神々しい』とか『母性が出たね』と言われて、アレ? と思うことがありました。優しくなったように見えるのは、たぶん太って肉がついたから(笑)」(犬山さん)

【結論】

  • 妊娠しても、私は私。もともとの個性を無視しないでほしい!(犬山さん)
  • 妊婦にも辛い時はある。いつもニコニコしてるわけじゃないんです。(瀧波さん)

「どう、おっぱい出る?」

独身の女性に対してはタブーなのに、妊娠すると途端に解禁されるのが“おっぱい”の話題。

「『妊娠すると胸が大きくなるよね』とは男女問わずよく聞かれるものの、こちらとしては、あまり興味本位で触れてほしくないような話題。『おっぱい出る?』にしても、なかには赤ちゃんが母乳を飲んでくれなくて真剣に悩んでいるお母さんもいます。おっぱいの話題に関しては、想像以上に慎重になる必要があるでしょう」(犬山さん)

「同じように子育てしているパパママならまだしも、興味があるわけでもないのに、『母乳? それともミルク?』と聞かれると、単純に説明が面倒、という面もあります(笑)」(瀧波さん)

【結論】

  • たとえ同性でも、おっぱいまわりは意外とナーバス。(犬山さん)
  • 母乳の話はなかなか説明が面倒なんです(笑)。(瀧波さん)

「男の子と女の子、どっちが欲しいの?」

妊娠している相手に、つい聞いてしまうのが“子どもの性別”。すでに判明しているならいいけれど、そうでない場合は少しだけ話が違う方向に。

「『どっちが欲しい?』は、実はかなり気まずい質問です。『女の子が欲しい』と言ってたのに生まれてきたのが男の子だったり、その逆のパターンもあるわけで。あとで本人が自分の発言を思い出して罪悪感を持たないよう、性別の話題も注意したい」(犬山さん)

「実際は、どちらが生まれてもいいと思っているはず。『男の子は大変だから女の子でよかったね』とか、『女の子はお嫁にいっちゃうでしょ!』なんて、自分の主観を話すこと自体も遠慮した方がよさそう」(瀧波さん)

【結論】

  • 「どっちが欲しい?」で相手に罪悪感を植え付ける可能性も!(犬山さん)
  • 親にとって、性別に優劣はナシ。余計な発言は控えて。(瀧波さん)

「ママ/パパ似だね」

生まれた赤ちゃんとの対面でも、気をつけたいことが一つ。

「子どもの顔を見て、『お父さん似だね』『ママ似だね』と言うのは楽しいかもしれないけれど、言われる方はあまりそうでないケースも。特に『一重だからママ似だね』とか『丸い鼻はパパ似だね』など、本人たちが気にしていそうなところを指摘すると、知らず知らずのうちに傷つけていることもあります。赤ちゃんだろうが容姿へのコメントは配慮が必要」(犬山さん)

「話題に困ると、口にしてしまいがちですよね。顔については、どちらに似ているというよりも『目がぱっちりしているね』など、ポイントで褒めるのがベター」(瀧波さん)

【結論】

  • 赤ちゃんでも容姿のコメントは十分注意して!(犬山さん)
  • 「似ている」ことより具体的なポイントを褒めてあげるのが大事。(瀧波さん)
いぬやま・かみこ エッセイスト。ウェブ平凡にて「私、子どもできたけど、どうしよう」を連載中。6 月には書籍化を予定。

たきなみ・ゆかり 漫画家。自身の母親の死を描いた漫画エッセイ「ありがとうって言えたなら」をCREA WEBにて公開中。

※『anan』2017年4月26日号より。写真・水野昭子 イラスト・瀧波ユカリ 犬山紙子 取材、文・瀬尾麻美 (C)Halfpoint

(by anan編集部)


【人気記事】
マッサージで“局部”ってまさか…「台湾」の真実
ムロツヨシが「ズルい男ですよね〜」という相手とは…
【浮気・不倫・離婚!】結婚線から見る「恋のトラブル注意」の手相3選