生理前のイライラ解消! 生理周期に合わせたボディケアをエステティシャンが解説

ウェルネス
2021.10.08

文/寒川あゆみ

月経前になると体がむくんでだるいと感じたり、急に体重が増えた経験はありませんか? 女性の体は月経期を中心に4つのサイクルで変化しているため、ホルモンバランスの影響から体が軽く調子が良いと感じるときもあれば、そうでないこともあります。そこで今回は、エステティシャンである筆者が、月経周期別におすすめのボディケアをご紹介します。

月経周期の「4つのサイクル」とは?

「4つのサイクル」とその時に感じる体の変化とは

女性の体は「月経期」を中心に4つのサイクルで変化しています。その時々で高まるホルモンの影響によって肌トラブルを感じたり、体調の変化を感じやすくなるのです。

それでは、周期別に詳しく説明していきます。

月経期

卵子が受精せず、子宮内膜が剥がれて体外に排出される期間のことを一般的に月経期と呼ばれています。

女性の体には2つのホルモン「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」があります。月経が始まるとともにこのホルモンの分泌量が低下することがあり、このときに生理痛やPMS症状を感じる人もいます。

そういったホルモンの影響から、
・体温の低下や冷えを感じる
・体がむくんでだるい
・頭痛や腹痛などの生理痛を感じる
・気分が憂うつになり、やる気や集中力が低下する
傾向にあります。

卵胞期

月経開始とともに新たな卵子ができ、排卵日に向けてどんどん卵子が成長していく期間が卵胞期です。

このとき卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が高まると同時に、子宮内膜も少しずつ厚くなります。

こういったことから、
・むくみやだるさが落ち着き、体が軽いと感じる
・気分が穏やかでポジティブになりやすい
・肌や髪のツヤが高まり、調子が良いと感じる
傾向にあります。

排卵期

生理開始から約14日が経過した頃から、成熟した卵胞が卵子から排出されることを「排卵」と言います。

排卵が終わると、黄体ホルモンの分泌が始まるため、ホルモンバランスの影響が出やすいのもこの頃です。

そのため、
・排卵によって体調が不安定になりやすい
・ホルモンバランスの変化によって気分が不安定になりやすい
傾向にあります。もしくは、特に変化を感じないという人もいるでしょう。

黄体期

排卵期が過ぎると、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が落ち着き、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が高まる傾向にあります。また、子宮内膜もさらに厚くなります。

この頃には
・黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響から、イライラや不安など感情が不安定になりやすい
・眠気を感じるが、睡眠が浅いため寝つきが悪くなりやすい
・水分を溜め込みやすくなることからむくみを感じやすい
・体が重だるいと感じる
傾向にあります。

「4つのサイクル」の特徴から取り入れたいボディケア

「月経期」は無理をしない&体を温めてリラックスする

リラックスできる香りの入浴剤

月経期は生理痛やPMSによって、何もしたくないと感じる人が多いでしょう。月経期は気分や体調が不安定な時期なので、あれこれするよりもゆっくり過ごすことを心がけてみてください。

具体的には

・お腹や腰周り、足先を温める
・イライラや不安な気持ちになるときは、落ち着く香りのルームディフューザーや入浴剤を取り入れて気持ちを落ち着かせる
・体がしんどいときは無理に動かず、横になるなどこまめに休憩する

といったボディケアがおすすめです。

「卵胞期」は身体の巡りに注目してリセット&チャージしよう

ボディスクラブやボディクリームでケア

月経の終わりが近づくと、体調が回復し、なんとなく体が軽く感じることもあるでしょう。

「卵胞期」は卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が高まり、肌調子も良くなりやすいときなので、角質ケアやエステなどでしっかりとしたケアを始めるのに最適。

具体的には

・ボディスクラブでひざやひじ、かかと、背中などの古い角質のケアをする
・スクラブ後にボディクリームでしっかり保湿する
・足裏やふくらはぎ、太もも、二の腕のマッサージをして、血液やリンパの流れを良くする
・半身浴やストレッチ、ウォーキングなど体を動かす

といったボディケアをするのがおすすめです。

「排卵期」はペースダウンしたゆったりケアを意識する

排卵期は人によって体調が良いと感じる場合と、悪いと感じる人がいるでしょう。

調子が良いのであれば、卵胞期と同様のボディケアをおこなってOK! ただ、排卵が終わると黄体ホルモンの分泌が始まるため、黄体期に備えて少しゆるやかなケアに切り替えていきたいですね。

具体的には

・ハードな角質ケアよりも、「ミストローションで水分を補う」「クリームで油分を補う」など保湿ケアを重点的におこなう
・心が安らぐ香りを取り入れてゆったりと入浴し、リラックス力を高める
・卵胞期よりも少しペースダウンした運動を取り入れる

といったボディケアをするのがおすすめです。

「黄体期」はリラックス気分でむくみケアをする

マッサージでむくみケア

黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が高まることで、肌の調子が悪く、むくみやすいと感じたり、食欲が増して体重が気になったりと、気分が下がりやすいと感じたことはありませんか?

些細なことでイライラして不安になりやすい人は、刺激的な状況を避けながらリラックスできる環境を整えていきましょう。

具体的には

・感情を揺さぶる刺激になりそうなものから離れてみる
・常温の水をこまめに飲み、トイレの回数を意識する
・ハーブや癒し系の香りの入浴剤を試してみる
・入浴しながら、ふくらはぎや太ももをもみほぐす
・お風呂上がりにストレッチやマッサージをして体をほぐす

といったボディケアをするのがおすすめです。

このように月経周期サイクルの特徴に合わせてボディケアの方法を変えることで、気分を安定させたり、肌の調子を高めたり、むくみやだるさの軽減が期待できたり……と、自分の身体との付き合い方がわかるようになると思います。

毎日身体や気持ちに負荷をかけるケアをするのではなく、ホルモンバランスや気分の波に合わせたボディケアを取り入れるようにしてみてくださいね。

©IAN HOOTON/SCIENCE PHOTO LIBRARY/gettyimages

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