寝ている間、ちゃんと呼吸できてる? 深〜い眠りに導く横向き寝のススメ

より良い眠りのために、意外と知られていないのが呼吸の重要性。実は呼吸がしっかりできていないと、睡眠の質は悪くなるんです。そこで深い呼吸をするのにおすすめなのが、なんと横向き寝! 睡眠の質向上のために今日からできること、横向き寝を始めましょう。

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    教えていただいた方

    Profile

    末松義弘 先生

    医学博士。「国際ハートスリープクリニックつくば」院長。循環器内科医、心臓血管外科医。睡眠時無呼吸の予防に重点を置く治療を提唱。近書に『横向き快眠法』(現代書林)がある。

    横向き寝で気道を確保! 安定した呼吸が睡眠を改善

    「睡眠の質に直結するのが睡眠中の呼吸の安定です」と言うのが、医学博士で睡眠時無呼吸症候群を専門に扱う末松義弘先生。

    「呼吸が深く安定していれば、睡眠のリズムは整い、体の成長・修復・再生がスムーズに行われ、免疫力も強化されるのです」

    睡眠時無呼吸症候群とまではいかなくとも、実は呼吸が浅く、不安定になっている人は多いそう。

    「睡眠中の呼吸が浅くなっているかは自覚しづらいですが、よく夜中に起きてしまったり、寝ても疲れが取れないなら疑ってみる必要も。また、いびきも浅い呼吸のサインです。肥満の人がかくイメージが強いかもしれませんが、顎の小さい人や口呼吸をしている人は、睡眠中に舌が落ちて気道を塞ぎ、いびきをかきやすいのです」

    睡眠の質を下げないよういびきを防ぎ、安定した呼吸を確保するのに効果的なのが、横向きで寝ること…。たったそれだけ?

    「横向きに寝れば、気道は塞がれません。極論を言えば、いびきの悩みや浅い呼吸の疑いが少しでもあれば、“とにかく横向きに寝なさい”という一言に尽きます」

    もちろん、健康な人は寝ている間に寝返りを打つので、ずっと横向き寝を維持するのは難しいけれど、グッズの力を借りるなどしてできるだけ横向きをキープしたい。

    「普段仰向けで寝ていた人はなかなか慣れないかもしれませんが、自分が馴染む体勢を見つけて、ぜひトライしてください」

    末松先生のクリニックでも、横向き寝にしただけで、患者の無呼吸や低呼吸の回数が劇的に減ったというデータが揃っている。

    「同時に、日中は鼻呼吸の習慣をつけたり、肥満の人は体重を減らすなど、良い睡眠のために自分を変えていくことも忘れずに」

    早速横向き寝の極意を学び、睡眠の質向上を実感してみよう。

    睡眠と呼吸のチェックリスト

    ✅ 起きたら口と喉が渇いている

    ✅ 朝、疲れが取れていない

    ✅ 朝から頭が痛い

    ✅ 夜中に何度も起きる

    ✅ 寝汗がひどい

    ✅ 日中の集中力が低い

    睡眠時に大切な、深く安定した呼吸。自分ではチェックしづらいけど、左の項目が1つでも当てはまるなら、呼吸が浅くなり、睡眠の質を落としている可能性アリ。横向き寝習慣を取り入れると睡眠の質が改善するかも。ただ、睡眠時無呼吸症候群が気になるなら、病院で診断を。

    横向き寝が大切なワケ

    どんな人でも横向きで眠れば、気道が確保されて呼吸が安定

    睡眠時、口の奥にある軟口蓋(なんこうがい)や舌根などが垂れて気道を塞ぎ、呼吸が不安定になる。肥満の人は首まわりの脂肪のせいで、また口呼吸のクセがある人や顎が小さい人は、気道を拡げる筋肉が緩みやすく、舌根などが垂れて気道を圧迫しやすい。この現象は仰向けで起きやすく、どんな人でも横向きに寝れば気道が確保され呼吸が安定。

    ちなみに…

    うつ伏せ寝は?

    お腹が温まり、精神的に落ち着くとされる寝姿勢。気道が狭められないので、安定した呼吸は得やすい。ただ、首を曲げて顔を枕に押し付けるので、コリや歪みの原因に。胸が圧迫され、リンパの流れを妨げる可能性もある。

    仰向け寝は?

    背中全体で体を支えるので、体への負担が少なく、安定した姿勢。手足を動かしやすいので血液が循環しやすく、筋肉もこりにくいとされる。ただ、いびきをかくなど睡眠時に気道が塞がりやすい人には、とても危険な寝姿勢。

    ① “ニュートラルポジション”を心がけよう!

    やることは、眠りに入るときに横向きの姿勢をとるだけ。末松先生が提唱する横向き寝のニュートラルポジションは、下の脚に負担がかからないよう、上になる脚を少し前に出すのみ。膝の間に枕を挟んでもいい。あとは、手や足の位置、右向きか左向きかなどは自由。負担がなく、寝心地がいいと感じるポジションを探してみよう。

    ② ポイントは首から背骨のストレートライン

    横向きに寝ると下になる肩や腕に負担がかかるので、血行が悪くなったり、骨盤の歪みなどの原因になる。そんなデメリット解消の基準となるのが、背骨のライン。肩と腰の出っ張りが適度にマットレスに沈み込み、横から見て首から背骨がまっすぐなラインを保てているかチェック。硬すぎず、柔らかすぎないマットレスを選んで。

    GOOD

    マットが適度の柔らかさ/首から背骨のラインがまっすぐ直線になる状態。

    BAD

    マットが柔らかすぎる/体が深く沈み、背骨が下にカーブしている状態。

    マットが硬すぎる/体がうねって、背骨が上にカーブしている状態。

    ③ 横向き寝サポート グッズも活用して

    マットレス以外にも頼りにしたいのが、寝ている間、自然に横を向きやすくして体の負担を軽減してくれるグッズ。グッズの力で、理想の横向き寝を叶えよう。

    抱き枕/肩や腰などの一部分に体重が集中するのを避け、圧力を分けて横向き寝の姿勢を安定させてくれるのが抱き枕。サイズは抱きつきながら脚も乗せられる長さで、なおかつ柔らかすぎないものがおすすめ。枕に脚を乗せることで骨盤への負担が減り、腰痛の人も横向き寝がしやすくなる。U字型やC字型は、カーブした部分に頭を乗せる姿勢で使うもの。全身を預けられるので、より安定感が増す。

    /マットレス同様、首から背骨のストレートラインを維持するのに、とても重要な枕。両端が高めで中央が低めになっている、横向き寝しやすい枕を選ぼう。少し高めのサイドが横向き時の首を支え、肩の負担を軽減。

    バックパック/横向き寝の習慣を身につけるために開発された、専用のバックパックもある。円柱型のクッションを背負うデザイン。軽く、柔らかい素材の小ぶりのバックパックにタオルをパンパンに詰めれば自作でも代用可能。

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    イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・板倉ミキコ

    anan 2508号(2026年8月19日発売)より
    Check!

    No.2508掲載

    睡眠の技術。

    2026年08月19日発売

    健やかで気持ちの良い眠りを手に入れるためのテクニックを、生活習慣、寝室環境、食事、姿勢などあらゆる角度から紹介します。灼熱の暑さの中、寝苦しい夜を過ごす方々が必読の内容です。

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