2025年2月16日に結成された5人組グループ・KEY TO LIT(キテレツ)が5都市20公演で初のアリーナツアー「KEY TO LIT Arena Tour 2025 WAKE UP THE FOOL」を開催中。10月5(日)昼から行われた千葉・ららアリーナ東京ベイ公演の模様をレポートします。


「かかってこいよ、ららアリーナ!!!!!」――。猪狩蒼弥さんの力強いかけ声で幕開けしたKEY TO LITのステージ。オープニングは、彼らの爆発的なポテンシャルの高さと強烈な個性を表現するのにぴったりなオリジナル曲「WAKE UP THE FOOL」。KEY TO LITを漢字で表記すると“奇天烈”…ということで、“奇”という文字が入ったイエローゴールド×ファーのカラフルなド派手衣裳はインパクト満点。炎の特効がバンバン打ち上がり、スモークジェットが噴射する中、巨大な“天”の文字のサイネージに乗った5人がステージに華々しく降臨した。想像もつかない度肝を抜かれる登場シーンは、奇想天外な魅力を放つKEY TO LITならでは。

疾走感溢れるハードナンバーでボルテージを加速させた後、「ららアリーナ、愛し合う準備はできていますか? 結成したばかりの僕たちですが、まだ何者でもない、そういった状況です。ただここからトップスピードで、アクセルベタ踏みで天下を取りに行くぞ、そういった想いで『WAKE UP THE FOOL』というタイトルを付けました。今から2時間、ここららアリーナ、世界一熱い空間を作っていきましょう」とタイトルに込められた想いを語ったのは、中村嶺亜さん。

岩﨑大昇さんは「騒げるのか?」と、会場を何度もあおってから「このライブで俺たちKEY TO LITが最高だって、一番最強だって、全員に思わせてやるんで、最後まで楽しんでいってくれ!」とパワフルに叫ぶ。井上瑞稀さんは「今日は皆さんにKEY TO LITの覚悟をお見せしたいと思っています。ですが、これまで見て来た景色や想いは、決して消えることはありません」とこれまでの道程も全肯定したうえで、「それら全てを背負ったうえで、全力で皆さんにぶつかっていこうと思います。なので、皆さんも全力でぶつかってきてください」と気合たっぷりに挨拶。彼らの本気度がビシバシ伝わってくる挨拶の後は、佐々木大光さんと猪狩さんがドラム×ラップで今の想いを届けた。佐々木さんのドラム演奏に合わせて自作のラップで猪狩さんが歌ったのは、“人生を懸けている最後の一手”など、まるで挑戦状のようなリリックのラップ。自らを鼓舞しながら突き進む猪狩さんのパッションに会場が大きく湧いた。

ジャジーで大人の雰囲気たっぷりなジャズコーナーもあれば、佐々木さんのコーナーではコントを繰り広げる5人。井上さんがゴホゴホと咳をして風邪っぽいというお芝居から始まり、「皆のバイキンをやっつける」と佐々木さんが言いだし、ステージ上で手洗いタイム。「Wash Your Hands」を可愛らしく歌う場面も。

佐々木さんが「どうも私たちがKEY TO LITです。今回皆さんに名前を覚えてもらうために自己紹介ラップを作ってきました~!」と新曲のタイトル「KITERETSU FIRE」を紹介。「皆も一緒にペンライトを振って楽しんでくれよ」と、タイトルを何度も連呼するファンキーで中毒性のあるナンバーを、扇子を振って踊りながら披露。その歌詞から井上さんはシャイで隙あらば眠る赤ちゃん、岩﨑さんは自由人で胸キュンNG、中村さんは小悪魔プリンセス、猪狩さんはガツガツラップで魅せる暴君、佐々木さんはお祭りキャラの人間大砲と判明。それぞれのキャラらしさ全開のキメ台詞でも盛り上がり、コール&レスポンスで会場がホットに!

MCでは、ツアー初日9月20日の大阪公演で、猪狩さんが23歳の誕生日を迎えた話が話題に。MC中にケーキでお祝いをしてもらったそうで、「めちゃくちゃ嬉しかった!」と猪狩さんが振り返ると、「佐々木大光からのプレゼント、忘れてるぞ? ガリさんが『Jupiter』好きっていう噂だったから、必死で2か月かけて練習した!」とリコーダー演奏をプレゼントしたとドヤ顔の佐々木さん。「あのボロボロの『Jupiter』(笑)」と猪狩さんが言いだし、10月31日に誕生日を迎える井上さんに完璧なリコーダー演奏を佐々木さんがプレゼントすることに。井上さんは「いやいやいや…」と背中を向けて拒絶ポーズをとりつつ、誕生日まで1カ月切っていることから「ガリさんは2か月練習して、何で俺は1か月の練習なの!?」と不満げ。「まぁまぁ、(猪狩さんの練習期間も入れたら)合わせたら3か月だから」と再び「Jupiter」でお祝い演奏をすると宣言。

そして、KEY TO LITのツアー中のホテルの部屋事情についても明かされる。「5人に対して4部屋しかなくて。必然的に誰か相部屋になるからこれはゲームにするしかないと思って、毎回くじ引きで決めてる」と説明する佐々木さん。新潟公演では猪狩さんと中村さんの相部屋に佐々木さんが入り浸り3人部屋状態だったそうだが、大阪公演では中村さんと佐々木さんが相部屋で中村さんから「リコーダーがうるせぇんだ(笑)」と佐々木さんへのクレームが飛び出す。中村さんは「ガリさんの誕生日の前日に泊まったから、1時間くらい練習していて。最初はミミズが這いずったような音だったけど、人って上手くなるんだね。だんだん『Jupiter』になってきて、これはガリさんも喜ぶだろうなって(笑)」と佐々木さんのリコーダー演奏の練習を見守っていたそう。

韓国旅行で井上さんが岩﨑さんと相部屋だった時、「『瑞稀、ファッションショーしようぜ』って買い物した洋服を着だして、JKみたいなことしてんの(笑)。写真もいっぱい撮ったよね」と盛り上がったそう。岩﨑さんは「韓国でごはんを食べる時に瑞稀が可愛い写真も撮ったほうがいいって言いだして。『俺、そういうのいい』って言ったのにどうしても、っていうからおどけたポーズを撮らせてあげたの。なのに瑞稀はブログで俺が可愛いポーズしたくて撮りました、って写真を上げやがったんですよ!!」とご立腹。すると、「いやいや、『瑞稀、これ俺が上げるのが恥ずかしいから、上げてくれないか』って頼んできて。しかも、次の週、俺の3歳の写真あげていた(笑)」と暴露する井上さんに「俺が対抗できる写真がそれしかなかったんだよ!!」とブログに掲載する可愛い写真対決が密かに勃発していたことが判明!?

この日は、次のツアーで相部屋希望の佐々木さんと次に誰が相部屋になるかステージ上でトランプカードを引いて決めることに。佐々木さんの写真のトランプを引いたのは猪狩さん。「俺とアイス食べよ」と、佐々木さんに後ろから抱きつかれ、「うわー、嫌だぁっ」と逃げる猪狩さん。そんな二人を見て、「お幸せに~」とニヤリと笑う中村さん。ステージ上で大騒ぎのわちゃわちゃトークが繰り広げられた。

後半は嵐さんへのリスペクトの想いを込めて歌った嵐コーナーが展開。「SUNRISE日本」から始まり、「果てない空」をメインで歌った井上さんの甘く透明感のある歌声が柔らかに会場を包む。「truth」では、3月に膝を痛めてリハビリを重ねて悔しい思いをしてきた佐々木さんがダンスパフォーマンスを披露し、元気な姿を届ける。猪狩さんメイン曲は、疾走感溢れるラップが魅力の「Believe」。「マイガール」では中村さんの可愛らしい歌声に胸を締め付られ、「One Love」では歌唱力に定評があり、壮大な世界観にもハマる岩﨑さんの安定感あるボーカルが会場を魅了した。メドレーラストは、嵐のデビュー曲「A・RA・SHI」。肩を並べて歌う5人の姿に未来の国民的スターの誕生を予感させる。

彼らの熱い想いが炸裂した挨拶のトップバッターは、猪狩さん。「今回『WAKE UP THE FOOL』というタイトルを付けたのは、我々がまだ何者でもないからこそ、何にでもなれるという期待と願望を込めたタイトルです。今回このライブを作っていて、KEY TO LITはこの方向で成長していきたいというのが見えた気がして。これから皆さんをどのようにして楽しませていけるのか、俺たちが掲げてる国立競技場に行きたいっていう目標のためにどういうステップを踏めば近づけるのか話しながら、日々俺たちは成長してます。このライブに入りきらなかったアイデアや俺たちの魅力は、まだまだたくさん。今回KEY TO LITの名刺になるようなライブって思ったんですけども、全然まだまだこれだけじゃない。2倍、3倍の魅力が僕たちには眠ってます」とこれからのKEY TO LITが楽しみになる言葉を放つ。

そして、「先ほど嵐メドレーを披露させていただきました。嵐さんが2026年をもって活動終了、時代の移り変わりとともに、昔テレビで見てた人たちがどんどん次の道へと進まれていく中、いつかは絶対、俺たちの時代が来ます。それは、俺たちのグループだけじゃないかもしれない。俺たちの世代が新しい日本、日本のエンタメを作っていかなきゃいけない中で、俺たちも絶対、その競争には参加するし、競争に負けるつもりはないし、間違いなくその時代の先頭を走っているのは、俺たちKEY TO LITです。そして、皆さんはその誇らしいファンの皆さんです。今ここにいる皆さんは、そのKEY TO LITの第1回ライブをその目で見ることができています。はい、拍手!」とあおると会場から盛大な拍手が巻き起こり、「俺たちが成長していく様、夢に向かって進む様を一緒に楽しんでいただければと思います」と、挨拶もエンターテイナーな猪狩さん。

MCで個展の開催を発表した中村さんは、「僕はこのアイドルという仕事を16年間やっていますけども、1日も嫌だなとか、辛いなって思ったことが心の底からなくて、それは素敵な皆さんと出会えたおかげ。僕にとっての一つの目標だった好きなアートで個展を開くことを絶対に皆の前で発表したいと昔から思っていて、それが今日実現できました」と喜ぶ。

「人生において分岐点はたくさんあって。でも、その道って選ぶ段階では正解って1個もないなと思っています。これから自分が進んでいく道の先でどうなるか、どう証明していくかで、過去歩んできた道全てを肯定できるのかなと思います。僕は事務所に入る前からスケートボードやアートなど、いろんなことをやってきて。習い事をしてもっとステージでできたらいいなってこともいっぱいあるけど、今の自分が一番幸せだと思ってるし、皆と歩んできた道を全て正解にしたいから、これから進む道で皆と一緒に天下を掴み取りたい。皆さん人生、辛いこととかいっぱいあると思うんですけど、僕たちのことを思い出したり、ライブに遊びに来てもらったり、YouTubeを見たり。つまり皆さんは俺らのことを考えなくていい時間は1秒もないよ、そういうことです」(中村さん)と自分たちを見てほしいと言うと「フゥー!」と声をあげる会場。

そして、「これからKEY TO LIT、どんどん活躍していって、国民的超スターになって天下を取りに行きます。俺らは身がほろびるまでKEY TO LITとして活動しようと思ってるから、長い時間になると思うけど、1秒、0.1秒も俺から目を離さないでください。これからもずっとよろしくお願いします。愛してるよ」と自分のことを応援してくれるファンに向けて愛の言葉を放った。

毎公演のライブでファンの皆さんからの声援と笑顔で幸せを感じていると話した佐々木さんは、「もっともっと僕たちが皆さんを笑顔に、幸せにしなければいけないなと思います。そのためにどんどんバラエティに出られたら。KEY TO LITがロボットだったとしたら、ガリさんは右腕で俺は左腕みたいな。バラエティで活躍できる男になって、ポップとユーモアに溢れる佐々木大光にどんどんなっていきたいです。皆さんが泣いた分、僕は笑ってます。その笑った僕の顔で皆、どんどん笑ってください。これからもどんどん皆さんを幸せにしていけるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします」といつも明るい笑顔に隠された気持ちを明かした。

井上さんは「結成してまだ約半年しか活動はしてないんですけど、KEY TO LITで良かったなって本当に思ってて。それは何でかというと、ライブを作る過程、雑誌の取材だってそうだし、YouTubeやSNSだってそう。どうやったら皆が楽しんでくれるかな、喜んでくれるかな、笑顔になってくれるかなってことをずっと考えています。僕たちは何より皆さんを楽しませたいという気持ちがずっと根底にあります。きっと今、上手に笑えてない方もいるとは思うんですけど、僕らはずっとずっとここにいる。ちょっとでもKEY TO LITいいなって思ってくれたら、これから1歩ずつでいいから、僕たちと一緒に歩いていってくれたら嬉しいです」と共に歩んでほしいと語る言葉は不器用だけど、まっすぐ。

最後に岩﨑さんが「KEY TO LITは最強だと思っています。一人ひとり全然違う考えを持っていて、全然違う技術があって。5人がこれからもっと伸ばしていくことがある、原石だなと思ってます。強い個が5個集まって、ホントに星の形・スターですよ。己の道をどんどん突き進んでいくことによって、KEY TO LITがどんどん強くなっていく。5人がこうやって集まって、皆様に直接5人のパワーと姿をお届けできるのは、やっぱりライブ。結成して間もないんですけども、初めてライブやらさせてもらうのに、アリーナというすごく大きい会場で。でも、俺たちKEY TO LITにはまだ足りないんじゃないかなと思ってます。もっともっと大きな会場でやりたいし、数多くの都市へ行って、もっといろんな人にKEY TO LITのパワーを届けたい。で、その先に、俺たち国立競技場、絶対に立ちます。これ、約束します。すごく大きいことを今言わせてもらってますけれども、夢じゃなくて、絶対にできる目標だと思ってるんで。そのためには、もっともっとチャレンジして、羽ばたいて進んでいかなきゃいけない。俺たちの夢に向かう姿で、日本国民を熱く盛り上げられたらいいなとホントに思ってます」と言葉を畳みかけて、宣言。

伝えたいことは、とめどなく溢れ、「ライブで皆さんと時間を重ねたり、グループで話し合ったりする時間がめちゃくちゃ楽しいです。これからの未来が楽しみだなと。これからの時代を俺たちで作ってくという気持ちでKEY TO LIT、これからも全力で前進していきます。いずれ国立に立つ俺たちKEY TO LITの記念すべき第1回のライブに来ていただいた皆様、本当にありがとうございました。このショービジネスは、やっぱり来てくださる、応援してくださる皆様あってこそ。皆様への感謝を絶対に忘れず、突っ走ります」と言霊パワーを全開に活かしながら、頼もしく締めくくった岩﨑さん。そして、いよいよラストソングへ。

バラエティ豊かなメンバーが揃うKEY TO LITだが、生のステージが面白くライブが主戦場になると確信したのが、オリジナル曲の「Burn Down」だ。この曲はチャンス到来、時は来たとばかりに烈火のごとく燃え上がる闘志を歌った攻めナンバー。戦いの火蓋が切られたというように炎が燃えさかる激しく盛大な特効の中で歌い踊る5人。デカいムーブを巻き起こせと歌う通り、何かやってくれそうな型破りな奇傑の王者が揃ったKEY TO LIT。貪欲に明日のスターを目指す彼らの未来を想像すると胸が高鳴るステージだった。

写真・くさかべまき 取材、文・福田恵子

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