伝統とモダンが融合した、クラフトの息づく城下町。福島県・会津エリアの魅力をたっぷり紹介

ライフスタイル
2025.01.24

歴史と文化が薫り立つ福島県の会津エリアには、多彩な伝統工芸や郷土料理が根付き、それらを次世代に繋いでいくために新たな挑戦を始める店が増加中。一層魅力的な街に変化している会津で、素朴なクラフトに触れる旅へ。

【福島】会津

伝統とモダンが融合。新たな歴史を刻む会津。
福島県の西部に位置し、豊かな自然に抱かれた会津エリア。豪雪で知られる山深い地域のため、冬は雪景色に包まれ、ローカルな雰囲気と相まって旅情を掻き立てられる。その中心都市にあたるのが、名城・鶴ヶ城が築かれ、会津藩の城下町として栄えた会津若松。

江戸時代の建物や、明治から昭和初期に建てられた蔵や洋風建築が建ち並び、レトロモダンな雰囲気に包まれる街並みは、歩いているだけで心が躍る。また江戸時代から伝わる匠の技が光る工芸品や、山に囲まれたこの地方ならではの知恵を絞って生まれた郷土料理が多く集まるのも魅力のひとつ。

そんな会津ではいま、伝統文化を継承しつつ、未来に繋げていく試みが活発に! モノづくり文化の“ローカルハブ”として注目を浴びる「ヒューマンハブ天寧寺倉庫」をはじめ、ユニークな拠点が誕生し、盛り上がりを見せている。

時間に余裕があれば、会津若松から只見線で約1時間の会津柳津にも足を延ばして。駅舎内に『やないづ張り子工房Hitarito』がオープンするなど、新しい観光拠点として話題を集めている。伝統とモダンが融合したクリエイティブな場が次々と生まれている会津で、人々が紡ぐ手仕事の温もりに触れて癒されてみては。

1/3Cafe

「会津さざえ堂」前にオープンした眺望カフェ。
会津を代表する名所で、飯盛山にある二重螺旋構造のお堂「会津さざえ堂」の目の前という抜群のロケーション。黒で統一されたシックな店内の大きな窓から、会津の街並みを一望できる。名物は、会津さざえ堂をイメージして作った「SAZAEDOワッフル」。フローズンベリーとバナナの2種類から選べる。ドリンク類も豊富で、観光の合間に一息つくのにピッタリ。

「SAZAEDOワッフル フローズンベリー」¥1,200と「塩キャラメルラテ」¥650。

会津若松市一箕町大字八幡弁天下甲1404 TEL:090・7665・3064 9:00~16:00(冬季) 不定休

たけとう茶屋

会津最古の商家建築で、郷土スイーツに舌鼓。
1841(天保12)年築、国の登録有形文化財に指定されている竹問屋『竹藤』の奥にある町屋カフェ。母屋を修復して造られた空間には、うなぎの寝床といわれる奥に長い造りの座敷が広がる。そんな江戸時代の歴史と文化あふれる店内で、長年、お菓子教室を経営してきたオーナーが手作りするスイーツを。会津産の餅粉とくるみを使用した生地であんこを包んだ「会津ゆべし大福」が人気。

会津ゆべし大福と抹茶の「ケーキドリンクセット」¥880。

会津若松市中央1‐2‐7 TEL:0242・22・1068 11:00~16:00 水・木曜休

やないづ張り子工房Hitarito

赤べこ伝説発祥の地・柳津町で、絵付け体験。
車窓から四季折々の風景を楽しめる只見線に揺られてたどり着く柳津町は、無病息災の縁起物としても愛される民芸品「赤べこ」の故郷。昨年リニューアルしたばかりの会津柳津駅舎内にある小さな赤べこ工房では、若手職人の伊藤千晴さんが作業する様子をのぞける。好きな色を用いて模様を描き、自分だけのオリジナル赤べこを作る絵付け体験も楽しめる。

伊藤さんが作る赤べこは、丸みを帯びたころんとしたボディとモダンなカラーが印象的。サイズは3種類あり、¥2,310~。

河沼郡柳津町柳津字下大平甲610‐7 会津柳津駅舎 TEL:0241・42・7333 10:00~17:00 水・木曜休

b Kitchen

蜜源樹が立ち並ぶ中庭に面したガーデンカフェ。
80余年にわたり会津の森で養蜂を行ってきた「松本養蜂総本場」直営のカフェレストラン。国産で唯一有機認証を取得しているはちみつの魅力を感じられる場所として、テイスティングプレートやはちみつを効果的に使用したメニューを提供。自社農園で採れた無農薬野菜を使用したコースもあり、蜜源樹やミツバチの巣箱が広がるガーデンを眺めながら優雅な時間を。

「ピッツァコース」から前菜の盛り合わせと、ハチミツをかけて味わうピッツァ・クワットロフォルマッジ。ドルチェ、ドリンク付きで¥2,800~。

会津若松市柳原町4‐10‐47 TEL:0242・26・2515 10:00~17:00(16:00LO) 水・木曜休

満田(みつた)屋

味噌田楽の素朴な味わいに、ほっこり癒される。
1834(天保5)年創業。自社製造の圧搾絞りの胡麻油や味噌、漬物を販売する老舗。店内の奥の味噌蔵を改装した空間でいただけるのは味噌田楽。ご飯を半つきにして丸めた「しんごろう」をはじめ、素材に合わせて数種類の味噌だれを使い分けて塗り、大きな囲炉裏で一本一本じっくり焼いて提供される。田舎のおもてなしに、体も心も温まる。

6種類の素材が楽しめる「みそ田楽コース」¥2,000。

会津若松市大町1‐1‐25 TEL:0242・27・1345  10:00 ~ 17:00(飲食は10:30~16:20LO) 水曜休(祝日の場合は翌日休)

ヒューマンハブ天寧寺倉庫

次世代に繋がるモノづくりを発信する新拠点。
会津漆や表彰盾の製造・販売を手がける「関美工堂」が、本社工場をリノベーションしてオープンした複合施設。伝統的な製法を守りながら新しいデザインを取り入れたオリジナルブランドから、日々の生活に彩りを与えてくれる会津メイドを中心とした衣食住アイテムが並ぶ。塗箸体験など、会津の手仕事に気軽に触れられるワークショップも開催。

2階建ての倉庫にはショップのほか、カフェ、コワーキングスペース、シェアキッチン、シェア工房などが。

会津若松市天寧寺町7‐38 TEL:0242・27・3200 ストア10:00~18:00、カフェ11:00~16:30LO 無休
写真・村上未知 取材、文・鈴木恵美

anan2431号(2025年1月22日発売)より

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No.2431掲載2025年01月22日発売

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