全国8都市28公演で約31万人を動員する全国ツアー「Travis Japan Concert Tour 2025 Vllsual」を完走したTravis Japan。昨年12月2日から活動休止していた川島如恵留さんが千葉・ららアリーナ東京ベイ公演から復帰。めでたく全員揃ってツアーのラストを迎えた6月8日(日)のステージの模様をレポートします。


この夏、7月25日のニューヨーク公演を皮切りにアナハイム、台北、香港、バンコクで海外ツアーを開催するTravis Japan。ワールドツアーを前に活動休止していた川島さんが、ららアリーナ公演からステージ上に戻ってきた。7人揃ってこそ、完成する「Vllsual」。タイトルはVisualize+ⅤⅡ(7人)= Vllsual(ビジュアル)を掛け合わせたもので7人であることが重要なキーワード。煌びやかな白いスーツにリムレス眼鏡やサングラスをした7人がポップアップで登場すると待ちわびていた観客たちの盛大な歓声が巻き起こる。川島さんが揃って嬉しいのは、ファンもメンバーも皆同じ気持ち。のっけから最高潮にファンキーな「99 PERCENT」で会場のハッピー度はすでに100%だ。

ワールドツアーも開催するほど順風満帆に見える彼らだが、ここまで辿り着くまでには紆余曲折、簡単には語ることはできない物語が……。海外留学での武者修行・共同生活でも様々な困難を乗り越えて帰国し、ようやく手に入れたメジャーデビュー。12月2日から体調不良で一定期間活動を休止していた川島さんが復帰し、改めて7人の絆を再確認したTravis Japan。全員揃った喜びを噛みしめるように「Happy Groovy」で肩を組んでダンスする姿は、いつも以上にキラキラと輝きに満ち溢れている。以前は当たり前だと思っていた7人揃った光景が、かけがえのない時間だったと気づかされる。

ステージが巨大なBAR空間が広がった「Whiskey and Tonic」では、松田元太さんがゆったりソファに座って新聞を読むなど、BARでそれぞれが過ごす姿が。そこに川島さんが現れ、七五三掛龍也さんと手を取り合い、松田さんとグータッチ。肩を組むなど仲間との再会を喜ぶようにメンバー同士のやりとりが繰り広げられる。宮近海斗さんは松倉海斗さんとソファでじゃれあい、吉澤閑也さんは七五三掛さんとグラスを傾け乾杯、松田さんのキス顔など、メンバーのリラックスした表情に会場もほろ酔い気分。中村海人さんは「如恵留くんも帰ってきたし、踊りたくない?」とレコードを手にする。最後に松田さんが座り込んで「ファイナル、ゆっくり行くか!」とこの日ならではのアドリブも。

「一緒に楽しめますか~?」という川島さんの声で始まったのは、川島さんプロデュースの「Underdogs」だ。ホワイトタイガーの“トラッコ”(トロッコ)に全員が乗り込み、アリーナの観客の目の前へ。タオルをグルグルまわしながらトラッコを乗る姿にファンのペンライトやタオルとグルグルと激しに動きに共鳴。ラスト、7体のトラッコがズラリ横一列に揃った姿は、感慨深い瞬間だ。

そして、7人揃ってのにぎやかなMC。「もう開演前からね、俺らがステージ上に出る前から、みんなの声、聴こえていました。ありがとうございます」と、ファンの盛り上がりに感謝の声を伝えた宮近さんが「遂にファイナルです!」と声を上げると「1月から始まって、半年かけてやるツアーって、今回初めて。本当に長いって思ったけど、いざやってみたら、めちゃめちゃ早いなって感じで」と、あっという間だったと語る七五三掛さん。すると「長いって思ったけど、いざやってみたら早い!」と同じことを繰り返す松田さんに「あら、再放送?(笑)」と突っ込む宮近さんたち。

ここで、七五三掛さんが「如恵留が戻って来てくれて良かった!」と川島さんが揃ったことを喜ぶと「お帰り~!」と声を揃えるメンバーと観客たち。目を潤ませる川島さん。改めてタイトルについて宮近さんが「VIIsualは英数字のセブンが入っていて造語になるんですけど、ビジュアルって読むっていう。7人の7で始まっていますからね。最初は6人でスタートしたけど、最後は7人でステージに立つことができて、本当に嬉しい限りです。ありがとうございます」。

七五三掛さんが「海のこだわりでさ、如恵留がいつ戻ってきてもいいように、床のLEDも7本(メンバーカラーの7色)にしていた」と中村さん考案の演出が7人でステージに立つことにこだわっていたことを明かすと、「プロデューサー、ありがとう」と感慨深げな声を上げる川島さん。中村さんは「いやいや、そんな。このコンサート自体、総合演出として立ってはいたけど、皆で作らせてもらったから。みんなで待ってたって言えばいいのかな」と照れつつ、「それこそさ、今回みんなに曲作ってもらったじゃん? みんな色々なことが重なって忙しかったけど、めちゃめちゃいいアルバムできたなと思っています。俺たちも、またアルバム出せるように頑張るので、応援よろしくお願いします」と引っ提げているアルバムの楽曲が良いからこそのライブになったと満足気。7人で揃った時のオーラは6人より輝きが増していること、仲間がいるのは素敵だなと思うとそれぞれがグループへの熱い思いを口にする場面もあった。

川島さんは復帰が決まってから、コンサートリハを一人で進めてきたことについて「めっちゃ寂しいよ。初めてぐらい。1人でやったの。それこそソロコンや去年の上田(竜也)くんのはあったけど、TJの楽曲、1人で踊るのは初めてだったから、めっちゃ寂しかった」と本音を語る。松田さんからは「リハーサル前とか、ライブ映像を観てたよね?」、松倉さんからは「静岡公演、観に来てたんだよね?」と川島さんが自分たちのライブをしっかり観て来たことを語ると「静岡観に行かせていただきました。初めてTravis Japanの公演観ました。カッコ良かったです!(中略) 俺はステージには居なくても、なんか自分がいるような感じがして、本当にみんなの愛にウルウルしていました」。

メンバー愛を確認し、ほっこりした空気に包まれたところで「今こう立ててるってことはね、その寂しかった時間すらね、1つの思い出になってると思うし。やっぱ7人はね、家族、オハナだ」と宮近さんが言うと、「おおぃっ、盗るなよー!(笑)」と中村さん。オハナ(家族)といえば、映画『リロ&ステッチ』の日本版声優として参加する中村さんが「僕、『リロ&ステッチ』の日本版界声優としてディヴィド役をやらせていただきます。僕たちTravis Japanも日本版エンドソングを歌わせていただいています」と、改めて報告を。そして、「今日、最終公演なんですけども。MCで『Burining Love』を披露できたら!」と観客を入れた状態では初めてのパフォーマンス披露をするという嬉しいサプライズが……!

「Burning Love」を歌うため、スティッチのカチューシャを装着する7人。「みんなめっちゃ可愛いね!」と褒め合いながら、スティッチがついたスタンドマイクにスタンバイ。「ヤバい、緊張してきた。めちゃくちゃ盛り上がって下さい」(中村さん)という声で「Burning Love」へ。さざ波を表現するかのようなフラダンス風の振り付けなど、キャッチーで皆で一緒に踊れる可愛い振り付けがポイントの楽曲。ハッピー感満載な楽曲を明るく笑顔で歌った。

ここでツアーのDVD発売という嬉しい発表も。「たくさんの情報とか、初めてのことを、みんなと共有できて嬉しい限りでございます。ホントにありがとうございます。終わっちゃうね、これで…」と最後のMCも名残惜しそうな7人。中村さんが「どう? 最後にMCでやり残したこととかない。大丈夫?」と尋ねると吉澤さんが「罰ゲームみたいになっちゃうけど…。ちょっと元気出して後半戦に行きたいな」と川島さんにエアビリビリ椅子をやって欲しいと提案を。松田さんも「エアーで全部やりましょう」と言い出し、ビリビリをやる人をじゃんけんで決めることに。

「じゃあ、みんなで行きますよ。せーの。最初はグー!じゃんけんぽん」と、じゃんけんすると負けたのは言い出しっぺの吉澤さん。エアビリビリを披露し、「くそ、これバラエティの強さじゃないよ!」とバラエティーの罰ゲーム設定でおどけ、ステージを転がりまくる。すかさず川島さんも「恐い!!」と言いながら自らエアビリビリ椅子に挑戦。華麗なアクロバットまでキメてオチをつける姿に「如恵留のおかげで助かったな」とメンバーたち。「元気になったんだからいいんだよ」と開き直る吉澤さん、そして彼ららしいわちゃわちゃんなやりとりに会場はほっこり。この日は、ステージ上でファンの皆さんを入れて記念撮影もあり、ラストステージらしい特別感ある光景が繰り広げられた。

終盤には宮近さんからあいさつが。 「本日は楽しんでいただけましたでしょうか。僕たちのパフォーマンス、届いたでしょうか? 最高の熱い思い出になったでしょうか?」とコール&レスポンスで観客が「イエーイ」と盛り上がってから、「ありがとうございます。その言葉が何よりも嬉しいです。1月4日からスタートしたこのビジュアル、そしてアルバムは12月リリースということで準備期間でいえば、もう11月、10月とかなり前から。最後まで引っ張ってくれた、うみんちゅ、ありがとう。そして、如恵留がお休みするという発表があり、今年の初めからのツアーを6人でやることになりました。未来のために勇気を持ってお休みするっていうことを自分で決めて言葉にしてくれて。その先でまた戻りたい、と。すごく勇気あることだと思うけど、Travis Japanでやりたいって熱い思いを持ってここに帰ってく来てくれました。本当にありがとう。キレイに順当に行く俺らじゃないけど。そんな俺たちを、どんな場面だって、どんなシチュエーションだって、可愛いって、カッコいいって応援してくれるみんな。ここにも来られてないトラジャ担。ホントにありがとう。無事、半年間走り切ることができました。でも、まだTravis Japanが終わったわけではありません。これからもっともっとかましに行くぞって7人含めチームで決めてるんで、みんな熱い応援をして、そばにいてくれたら嬉しいです」と、真剣で熱い言葉に会場は壮大な拍手が巻き起こる。

そして、アンコール。ラスト曲は7人で夢を追い続ける姿と歌詞がリンクした「Fly Higher」へ。「心に刻んでくれ」と叫ぶ川島さん。肩を組んだり、高らかに拳を突き上げたり。またここから7人で走り続けることを決意表明するかのように歌う姿が印象的だった。ここで再び宮近さんから熱い言葉が。「最後、7人で走ることができました。アリーナを駆け抜けた『Vllsual』ですが、これを背負って、また国を超えた先で僕たちパフォーマンス届けてきます。みんなが思ってくれてる、そのTravis Japanのファンやばいぞ、最高なんだぞって思ってくれてる気持ちをそのまま君を越えた先で俺らは届けてくるんで、皆待ってて下さい。みんなのその思いを背負って僕ら飛び立って、もらった自信をぶつけていきます。待ってて下さい。行って参ります!」。ファンの「いってらっしゃい」の声が響く中、最後は恒例の円陣を組んでの賛成コールへ。

この日は大ラスということで、まだまだ終わらない。「呼んでくれてありがとう」と一度7人揃って登場して、去ろうとして見せながら、中村さんが「足りないか~? まだ見たい、俺たちのこと。せっかく呼んでくれたんだから、1曲やろっか」と提案。どの曲を歌うか相談する7人。「Namidaの結晶」と言う案が出ると「切ないか」と却下。「VOLCANO」の太鼓バージョンなどいろいろな案が出る中、「じゃあ、海がタイトルを言ってスタートしよう」と吉澤さん。「皆で一緒にまだまだ歌えると思うので、 声枯らしちゃって下さいよ。それでは聴いて下さい。『Unique Tiger』!」と曲紹介する中村さん。「キャー!」と言う喜びの声が上がり、7人揃ったからこそできるメンバー紹介曲で大盛り上がり。川島さんが華麗なバク宙を決め、Vサインでスマイルする姿も。

歌い終わると「やっぱり7人揃ったから歌えた曲だね。最後に皆と一緒に歌えて良かったです。最後はみんなに感謝を伝えてお別れしますか。“どういたしまして”って返ってきたら嬉しいなと思います。はい、いくよ。みんな。せーの、ありがとう!」という宮近さんの声で会場に響く「どういたしまして~」という愛情いっぱいの大きな声。無事7人で締めくくり、最高の時間を過ごすことができた幸せなツアー最終日が幕を閉じた。7人揃えば百万馬力。何度心折れそうになっても7人でフォローし合ってきた友情とエネルギッシュなパフォーマンスを武器に彼らが次に挑むのは、ワールドツアーの成功だ。

写真・くさかべまき 取材、文・福田恵子

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会社あるいは地域や社会全体のために働くというテーマがある日です。そして、そうした働きを通じて自分自身も得るものがあることを示しています。たいてい、人は「苦労した以上は報われたい」と願いますから、頑張った分が還元されるとやはり嬉しくなるものです。働いた後は親しい人たちとゆっくりねぎらい合いましょう。

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