“防犯5か条”を徹底して自分の身を守ろう!
「最近は闇バイトがらみの強盗事件が後を絶たず、物騒だ、怖い、などの“体感治安”はここ1~2年で約70%まで増えているのが現状です」(日本防犯学校副学長・桜井礼子さん)
一方で20~30代の女性の防犯意識は低いという調査結果もあり、「何から始めたらいいかわからない」という人が多いよう。
「女性は“犯罪弱者であること”を忘れないでください。夜道、自宅、電車の中やお店で。どこでも狙われる危険は潜んでいます。まずは、もし夜道で襲われたら…と“気にする”こと、これが意識。次にネットや本などで“知識”をつけてそれを実践する“対策”へ。これが防犯対策のステップです」
心がけるべきは、犯罪被害に遭わないための“防犯生活”。
「対策をしているという“アピール防犯”、意識を高め知識をつけ、グッズ等を使用し対策する“攻撃型防犯”の防犯生活で、被害を回避しましょう。具体的には次の5つを意識して。(1)防犯砂利を敷く、防犯ブザーを持つなどの“音”。(2)家の照明など“光”を活用。(3)破壊しにくい建材を活用し侵入に“時間”をかけさせる。(4)カメラや、近所とのコミュニケーションで人の“目”を光らせる。(5)不審な人や車を見たら110番“通報”。これら防犯5か条を実践しましょう」
こちらでは、家の中での犯罪を想定した、ケース別対策を桜井さんがアドバイスします。
防犯ガラスもしくは防犯フィルム+鍵付き補助錠で窓の安全を確保。
ゴミは情報の山。レシート、伝票、下着…徹底処理を。
“ゴミ漁り”という犯罪があるほど、ゴミは私的情報の宝庫。過去には1か月間、特定の家のゴミを漁り続け、空き巣に入って住人の帰宅を待ち伏せたという事件も。住所、名前、カード利用履歴やレシートなどはクロスカットのシュレッダーにかけ、下着は細かく切って新聞紙で包んで紙袋に入れるなど2重に。必ず回収日の朝に捨てること。
“宵空き”多発! 夜や不在時は照明点灯。自動タイマーを取り入れると◎。
秋冬は、夕暮れから夜間にかけて“宵空き”という空き巣が増加。家の中が暗いと留守のサインに。通りに面した部屋のレースカーテンを閉め、ドレープカーテンは少し開けて電気をつけっ放しにしておこう。つけっ放しが難しい場合は、タイマー付きの照明を活用するなどして。就寝時もリビングの電気をつけておくと、忍び込み対策に。
旅行、出張…長期間の留守は新聞、郵便をストップ。
家を長期間留守にする時も、“宵空き”対策と同様、光を効果的に使って、留守に見せないこと。室内照明を活用して人が居る気配を出して。またポストに溜まった新聞や郵便物は、留守を主張しているようなもの。新聞は留守の期間だけ止め、郵便物は各地域の郵便局の本局に連絡をして、配送を止める手配をすると防犯対策に。
「訪問者は対面対応しない」が最新。名乗らずに相手情報の確認を。
家選びでは、マンションの防犯カメラ位置と台数、盗聴/盗撮調査をチェック。
洗濯物は室内干しがマスト。外に干すものは女性らしいデザインを避けて。
ベランダの洗濯物によっては、女性の一人暮らしが特定できてしまう。基本、室内干しをすること。またその場合は、外から見えやすいカーテンレールや窓際に干すことはNG。どうしても外に干したい布団やシーツ、バスタオルなど、またカーテンについても女性を想像させる色やデザインを避けること。あえてフェイクで男物を干すのも手。
ドアの出入りは必ず周辺確認。玄関ではアピール型防犯を。
家を出る時は一度ドアスコープをのぞくか、ドアガード・ドアチェーンをかけたままドアを開けて誰もいないことを確認してから。ドアスコープを“広角スコープ”に替えるとなおよし。玄関の外から見えやすい入り口付近には、男物の傘や靴を置いたり、また女性の一人暮らしの場合は、表札を父親など男性の名前にすると、いいアピール防犯に。
PROFILE プロフィール
桜井礼子さん
一般社団法人日本防犯学校副学長。日本初の女性防犯アナリスト。子育てなど自身の経験から女性、母親、高齢者の親を持つ子の立場の目線に立ち、予知防犯を提唱。弱者を犯罪被害から守るための活動を続けている。