インターネットにより、「つながる」というのがキーに。
これまで世界は幾度かの産業革命により社会が大きく変化しました。18世紀半ばにイギリスで起きた第1次産業革命。蒸気機関(車)の発明により、短時間でものを運ぶことが可能になりました。19世紀半ばに起きた第2次産業革命は、電気の発明。大量生産を可能にしました。第3次産業革命は20世紀のコンピューターの出現。インターネットの発達により、地理的な制約を飛び超えた情報通信が可能になり、時間もコストも大幅に削減されました。
いま、世界の先進国はすでにある程度成長しきっています。これまでのように全く新しい何かを生み出して、劇的に経済成長を遂げるのは難しい。それより、1人当たりの生産性をあげ、効率よく結果を出すほうが現実的です。そんな中、ドイツは2011年に「Industrie4.0(第4次産業革命)」を発表。これは、インターネットで工場と工場や、工場から顧客までをつなぎ、ビッグデータやAIをフル活用する「考える工場」作りを推進するという取り組み。「インターネットで技術をつなぐ」というのが、第4次産業革命の根幹になりそうです。
この流れは世界でも止まりません。たとえば金融とテクノロジーを融合させた「Fin Tech(フィンテック)」により、ネット上のカード決算は日常化しました。でも、日本ではいまだにリアル紙幣も多く使われていますね。銀行が送金手数料で多く利益を得ていたり、仮想通貨や電子マネーも欧米諸国に比べて遅れています。ほかにもネット空間においては、検索はGoogle、消費はAmazon、コミュニケーションはFacebookと、世界規模の環境はアメリカ企業がリードしています。
後れをとる日本は安倍総理が今年、「Society5.0」として、AIロボット、ネット通信、ビッグデータ、クラウドコンピューティングをフル活用した、仮想空間と現実社会を融合させる「超スマート社会」の推進を謳いました。Society1.0が狩猟社会。2.0が農耕社会、3.0工業社会、4.0情報社会に続いて5番目の社会という意味。人口減少が加速し、労働者が減る日本にとっては唯一の救いの道なのかもしれません。