青柳文子「人生を一から学び直した気持ちに」 中学での農村留学の日々

ライフスタイル
2021.04.02
子どもの頃から自然や動物に興味を持ち、触れ合いながら育ってきた青柳文子さん。いつの間にか根付いたサステナブルなマインドは「みんなの小さな行動が大きなアクションになる」と、日々の生活に生かされていました。

留学や旅をして学んだサステナブルな暮らし。

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SNSなどでサステナブルな情報を集めてメッセージを発信している青柳文子さん。今の考え方に至るまでのルーツを聞いてみた。

「何か大きな転機があったというよりは、生きてきた中で環境問題に触れる機会がすごく多かったんです。小さい頃から動物好きで、絶滅危惧種の動物が1枚に1種類ずつ描かれた100枚のレターパッドがすごく可愛くて大事に使っていたんですが、1枚使うごとに、ああ、この動物が地球からいなくなっちゃうんだ…と悲しくなっていたのを覚えています。中学は大分の学校に通っていたんですが、教育方針が合わないと感じて、自ら北海道の農村留学を希望。1年間のファームステイは、早朝5時から羊や馬などの世話をしてから学校に行き、帰ってきたらまた掃除や餌やり、農作業などをして生活をするという結構厳しい毎日で。そこで、自分は今までどれだけ甘ったれた生活をしてきたんだろう、生きるということは自然や動物たち、地球との共存なんだと気づき、人生を一から学び直した気持ちになりました」

大人になってからは、エコビレッジを訪ね歩いたりもしている。

「熊本にある自給自足生活のコミュニティに宿泊した時に、家も食べ物も自分たちで作って生活するという小さな循環が成り立っていることに感動しました。そこで“パーマカルチャー”という言葉を知ったんですが、動物をこう飼育すると、動物の糞がこのルートで雨に流されて畑の肥料になって野菜が育つ…というような、持続可能な文化や生活、社会のシステムをデザインする人がいるということにも驚きました。でも『都市部で実践するのは難しい気がする』と話したら、東京でシティリペアの活動をしている共生革命家のソーヤー海さんという方の存在を教えてくれて。同時期にパーマカルチャーを都会で実践する“アーバン・パーマカルチャー”が行われているオレゴン州のポートランドにも足を運びました。街ごとDIYの精神が根付いているポートランドには、ヴィンテージ物の商いをしている人も多く、古着をセンスよく大事に着ながら生きている人たちがたくさんいて。旅を通して、日本にはないカルチャーを学ぶことができました」

ゴミを減らすなど日々できることから。

5年前に結婚し、その後、出産した青柳さん。子育てをする中でも疑問や気づきは多い。

「家族が増えると一人暮らしの時よりもゴミの量が格段に増えたし、使用済みのおむつをいちいちポリ袋に入れて捨てなければならないことにも疑問を感じる毎日。日本人は清潔感を好むあまり、他人に気を使いすぎているルールが多く、ムダを生んでいる気がしています。生まれた環境の文化を当たり前として、疑問に思わないことにも違和感がある。そこで、できる範囲で生活を見直し始めようと思いました。たとえば消耗品は自然を汚さない成分やなるべく自然に還るものに。食器は生分解する固形洗剤とヘチマたわしで洗ったり、シャンプーなどもエコな成分を選んだり。ラップは繰り返し使えて有害物質の出ないみつろうラップに替え、汚れた皿を拭いたり鼻をかんだりするのには、古布を四角く切ったものを使います。これは北海道のファームステイで学んだ方法で、我が家はティッシュペーパーも一切使っていません。そこまでするのは自然や動物が大好きだから。地球から美しい自然や可愛い動物が絶滅してしまうのが悲しいんです」

特にここ数年は東京に暮らしていても気候変動を肌で感じる、と嘆く。

「ゴミが増えてCO2が大量に排出されることで環境破壊が進み、自然災害や森林火災が増えたり、東京では雪の日が減り春が来るのも早い。大丈夫かなって、本能的に不安になります。そんな中で影響を受けた本が『ゼロ・ウェイスト・ホーム』。ゴミを減らして環境に優しいシンプルな生活をするための実践的なアイデアが書かれているんですが、生活がシンプルになると、管理する時間が減って余裕が生まれるんですよね。そうすると誰かに何かをしたくなり、今度は相手からもお返しがきて、ハッピーさえも循環していくという考え方も素敵でした。私もゴミを減らしたことで、暮らしがレベルアップしていると感じています。最近は再生可能エネルギーの電力会社にパワーシフトもしました。小さなことでもみんなで少しずつ行動して大きなアクションに繋げることが、地球のためになると信じています」

FUMIKO AOYAGI 大分県出身。モデルや女優として幅広く活躍中。SDGsをテーマにしたイベント等に出演するなど、ライフスタイルにも注目が集まる。カーディガン¥46,200(muller of yoshiokubo TEL:03・6303・3048) ニットワンピース¥70,400 レーストップ¥63,800 ブラトップ¥13,200(以上PEIEN peienwang0824@gmail.com) 4連リング¥33,000(sussus. susyuuu2000@hotmail.co.jp)

※『anan』2021年4月7日号より。写真・大野隼男 スタイリスト・大島 陸 取材、文・若山あや

(by anan編集部)

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