インテリアスタイリスト・作原文子さん
What is Sustainability?
気付いたらずっと一緒。そんな出合いを大切にする。
モノを吟味することが、環境を守る大事な一歩。
買い物はマイバッグ、撮影現場にはマイカップを、ゴミはきちんと分別する、食材は極限まで使い切るなど。日常のちょっとしたことからサステナブルなアクションを始めている作原文子さん。それを誰もが自然に行い、持続できるものとするために、作原さんがいま必要だと感じているのは“楽しんで使えるアイテム”。
「ミラノやパリのインテリアの展示会で新作をチェックしていると、地球環境に配慮されていることはもはや大前提で。ベースにそれがある上で、デザイン性などプラスαの部分にこだわっている。最近、日本でも使いたくなるアイテムがいろいろ出てきていて、意識の高まりを感じています」
たとえばグッドルッキングだったり、メンテナンス可能で長く付き合えたり、シーンに合わせていろんな使い方が楽しめたり…と、今すぐデイリーに取り入れたくなるアイテムも。
「毎日使うアイテム選びで大切なのは、自分が本当に欲しいものなのかを見極めること。気に入ったものならば、簡単に捨てることはないし、いいものは残っていく。それこそが地球環境を守るアクションにつながるはず」
料理人、『eatrip』主宰・野村友里さん
What is Sustainability?
地球と地球上の生命がよりよく生き続けられること
心地よさに共感しながらより良く生きたい。
「食」にまつわる多彩な活動を通じて、様々な人と出会い、その思いに共感したり、ライフスタイルに影響を受けてきた野村友里さん。そのなかで地球環境問題について考える機会も増え、できることを少しずつ実践するように。
「食べ物はできればおいしく安全なものをいただきたいし、野菜を育てるなら、農薬などを使わず、オーガニックにしたい。そして、収穫した恵みはできる限り余すところなく享受したい。そんなふうに自分が心地いいことを求めて、ゆっくりと体感していくうちに、“より良く生きること”が今の私にとってのサステナビリティだと思うようになりました」
そんな想いをシェアするショップ『eatrip soil』が昨年11月末に誕生。扱うのは、野村さんが作り手の考えやその背景に共感し、自身も愛用している全国各地の調味料や食材、器など。さらに、いろんな気づきの場となるワークショップを開催したり、テラスにはレストランで使われる食材が肥料となっている畑も。
「ここで手に入れたものや知識、感じた体験が種となって今の暮らしに芽吹き、近い将来、さらにその先の未来までつながるいい連鎖になれば嬉しいですね」
『HIGH(er)magazine』編集長・haru.さん
What is Sustainability?
本気の共存
常識をアップデートしつつ持続可能なアクションに。
東京藝術大学在学中に、同世代の仲間とともにインディペンデントマガジン『ハイアーマガジン』を創刊。政治問題やフェミニズムなど社会性のあるテーマを盛り込みながら、ファッション、アート、映画、音楽……様々な角度から自分たちが感じている“今”を発信しているharu.さん。サステナブルについては、ファッションが入り口となり考えるように。
「服には着る人の思想や生き方が表れますが、ファストファッションの裏側を調べるうちに、人にも環境にも良くない服を自分は身に纏っていいのか? と疑問に感じたのがきっかけ。それからは、環境に関するいろんなトピックに自然と目がいくようになりました」
そんなharu.さんがいま強く感じているのは、サステナビリティという言葉を、一過性のファッションや流行で終わらせることなく、本気で取り組み続けていけるアクションにしていかなくてはならないということ。
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「持続可能であるというのは、どんなフィールドに暮らす人にとっても、その行動が常識になること。それを実現していくためには、私自身もいろんな人を巻き込みながら、常識をアップデートしていかなくてはと思っています」
さくはら・ふみこ 雑誌、カタログ、CM、ディスプレイなど幅広く活躍。様々なテイストをミックスした、独自のユニセックスなスタイリングは男女問わず支持される。
のむら・ゆり 料理人、映画監督、本の執筆、イベントの開催、ラジオ番組のナビゲーターなど、「おいしく楽しい“食”で人と人をつなぐ」活動は多岐にわたる。
ハル “同世代の人と一緒に考える場を作ること”がテーマのインディペンデント誌『HIGH(er)magazine』編集長。プロデュース事業などのHUG取締役も務める。
※『anan』2020年4月8日号より。取材、文・野尻和代 ©Hiroshi Watanabe @getty images
(by anan編集部)