意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ニュースとアンアン」。『anan』50周年を記念して、連載でイラストを担当してくださっている五月女ケイ子さんと一緒に国会議事堂見学へ行ってきました。

国会議事堂見学に行ってきました!

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五月女:生きているうちに、国会議事堂に来られてよかったです(笑)。

堀:ここで様々なことが決まります。でも、本当に物事が動くのは控室や廊下のほう(笑)。議場は、事前に提出した議案に対して用意していた答弁を読み上げる、いわば「セレモニー」のようなものですからね。

五月女:そうなんですか!? それはちょっと悲しい。その場で思いついたことは話しちゃいけないんですか?

堀:無責任な発言はできないので、仕方ないですよね。大臣の読む答弁書を作るために、各省庁の官僚は国会が始まると毎日深夜まで働いています。

五月女:事前に用意しているはずなのに失言が出るのはなぜ? 政治家ってよく失言するイメージがあります(笑)。

堀:(笑)。失言は、国会よりも、オフレコの会見や、支持者向けの講演会場で起きることが多いですね。

五月女:普段、国会で我慢をしているぶん、支持者の前では気が緩んじゃうんですかね(笑)。「社会のじかん」で毎号イラストを描くようになって、政治の世界って意外に人間的なんだなと思うようになりました。

堀:そうですよ!

五月女:最初はTPPかPPTかもわからないくらい、時事に興味なかったけれど、堀さんのおかげで面白いと思うようになりました。国同士のいざこざも、家族や身近な社会と同じ、人間関係の縮図なんだなって。喧嘩したり仲直りしたり。喧嘩しているように見えて、世界に向けたアピールだったり。

堀:外交は交渉術ですからね。

五月女:前は、ニュースを聞くたびに、いちいち怖がっていたけれど…。

堀:何もわからない暗闇にいると不安になりますが、全体の構造がわかると、不安も軽減しますよね。僕は『anan』では、普段のニュースでは届かないところに言葉を届けられている感触があります。報道の狭い世界にいると、どうしてもニュース好きの人にだけ向けてしまうところもあるので。

五月女:わかります。ニュース番組はよくわからない単語の羅列で、「私には向けられてないんだな」と寂しい気持ちになることも(笑)。堀さんは、どのテーマでも中立で、良い面/悪い面、賛成派/反対派の両方を教えてくださるのがすごくいいなと思います。社会の出来事って、批判的な意見ばかりが聞こえてきて、私はそういうところが好きじゃなかったんです。

堀:敵味方に分かれて撃ち合い、それに飽きたら、内輪で叩き合って何も成し遂げられないということは多々ありますね。本気で解決しようとすると、どちらの言い分もあるので簡単にはいきません。でも、僕は両方の意見を知りたいというのが、取材のモチベーションになっています。

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時代の変化に柔軟に。楽しいをモットーに50年。

堀:『anan』は50周年だそうですが、時代ごとに若者もカルチャーも次々入れ替わるのに、先を読み変化し続けているところがすごいですね。

五月女:50年って相当な重みですよね。

堀:雑誌も年数を重ねると、作り手も一緒に年を取るので、意識していないと若い読者とのギャップに気づけなくなると思います。「社会のじかん」も、上から目線ではなく、僕の経験から知ることを参考までにシェアします、くらいのスタンスでいたいですね。

五月女:『anan』は「こうしなさい!」という、高圧的なところがない。そこが、私には居心地がいいです。

堀:権威にならないようにしているのでしょうね。国際貢献などの記事をさらりと取り上げてみたり、ニュース解説も、「効率良く生きるための武器としての教養」ではなく、「役に立つかはわからないけど、考えてみると面白いんじゃない?」という軽やかな印象。

五月女:根本に、「楽しいこと、面白いことをいちばん最初に見つけて伝えたい!」という姿勢がある気がします。私は、「たかが一票で社会なんか変わらない」と思っていたタイプなんですけど、この連載に関わるようになって、自分のできることをやってみたり、考えたりすることが、社会につながっていくんだなあと思うようになりました。

堀:どんな問題も、たどっていくと自分の生活につながります。この連載が、少しでも何かを考えるきっかけになる、楽しい場でいられたらと思います。

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堀 潤 ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3/7公開に。

五月女ケイ子 イラストレーター。楽しいグッズが買える「五月女百貨店」(https://sootomehyakka.com)が評判。エッセイ『親バカ本』、作品集『五月女ケイ子 ランド』も発売中。LINEスタンプも好評!

※『anan』2020年3月11日号より。写真・大澤千尋 題字&イラスト・五月女ケイ子 取材、文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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