社会のじかん

医師やアナウンサーもAIが代役? 2019年はSFの世界が現実に!?

ライフスタイル
2018.12.31
2019年、日本では何が起こりそうか? 意外と知らない社会的な問題についてジャーナリスト・堀潤さんが解説する連載「社会のじかん」のスペシャル版として、イラストレーター・五月女ケイ子さんと共にAIについて迫ります!

生活の中にAIが浸透する。

→堀さんの分析:2019年を描いた昔のSF映画の世界が、本当に始まるかもしれません!

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五月女:娘が寝室で「OK! グーグル、パパをどかして」と、CMの真似をするんです(笑)。家にAIスピーカーはないし、そんなことまで頼めないと思うんですけど。

堀:できるようになるかもしれませんよ。「いますぐ処理しないと問題になる緊急のメールが入っています」と、パパを書斎に行かせたり(笑)。

五月女:うわぁ、もし、そうなったらすごいですね!

堀:AIに一番期待されているのは、集めたデータを解析して、未来を予測してくれることです。たとえば、過去の医療データを統合させて、健康診断の結果から、特定の病気の20年後の発症率を予測するなど。僕はいま「カロリーママ」というAI管理栄養士のアプリを愛用しています。

五月女:「食べすぎよ!」とか叱ってくれるんですか? 

堀:はい、叱られます(笑)。健康関連でいうと、中国では最近、AIドクターが登場して話題になりました。AIが問診をしてくれるんです。最近はセンサーが発達して、体温や脈拍も測れますから、スマホのアプリやApple Watchなど、健康分野での活用は増えていくでしょうね。AIは、データを多く集めるほど、あるとき飛躍的に賢くなります。AIの翻訳機能も、自然な日常会話ができるようになりましたよね。

五月女:じゃあ、人間は勉強しなくてもよくなるのですか?

堀:AIは、計算や記録は任せられますが、ゼロから何かを生み出すことはできないんです。これからの教育は、何かを生み出す人を育てることが主になっていくでしょう。

五月女:この間、AIが描いた絵を見てびっくりしました! 人間をテーマに描いているけど、なんだか不気味な絵で…。

堀:人間を神経回路として捉えているからでしょうね。そこが、いまのAIの限界なのかも。将来的には、人の頭にAIを埋め込むことができるかもしれないといわれています。

五月女:人間なのかAIなのかわからなくなりそう。

堀:レプリカント(アンドロイド)と人間が混在した、映画『ブレードランナー』の世界ですね。あの映画の設定は2019年だったんです。中国では人間そっくりのAIアナウンサーも登場しましたし、もう、商売あがったり(笑)。AIを使う側に回りたいです。

五月女:私もイラストはAIにやらせて、遊びたいです(笑)。

堀:問題は、AIをコントロールするのが限られた巨大IT企業だけということです。2019年は、世界中でデータ規制のような議論が活発になっていくと思います。AIが人間の能力を超える「シンギュラリティ(技術的特異点)」が来るのが2045年といわれていましたが、AIの成長が予想以上に目覚ましいので、もっと早まるかもしれません。

五月女:どうなるんですか?

堀:AIに命令した途端、「イヤです」と反抗されるかもしれませんね(笑)。

無人クリニック

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初診はAIドクターが診る時代へ!
11月、中国で開催された世界インターネット大会で、無人診療所が登場。まず証明写真ボックスほどの診療ブースで、AIドクターが問診し初期診断。それを実在する医師が確認し、処方箋を出す。併設された自動販売機で薬を購入する仕組み。なんと数分で完了だとか! ©平安健康医療科技有限公司

AI絵画

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AIが人間の絵を描いたら…。
これが、10月にNYで開かれたクリスティーズのオークションで約4900万円で落札された、AIが描いた絵画「エドモンド・デ・ベラミーの肖像画」。いまのところAI絵画は輪郭が曖昧にとろけ気味になるのが特徴で、AIには人間はこういう感じに見えている!? ©Christie’s 2018

AIアナウンサー

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リアルすぎるAIアナウンサーが登場。
中国の国営メディア・新華社通信で、CGで作られた、AIを使ったアナウンサーがお披露目に。放送した内容からさらに自分で学習し、読み間違いも一切なし。表情や仕草、声や外見は実在する本物のキャスターをモデルに作られているとか。まばたきもする芸の細かさ! ©AFP/アフロ

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堀 潤さん(写真左) ジャーナリスト。「8bitNews」代表。「GARDEN Journalism」主宰。『モーニングCROSS』(TOKYO MX)ほか、レギュラー多数。

五月女ケイ子さん(写真右) イラストレーター。ツイッターは@keikosootome。楽しいグッズ満載のオンラインストア「五月女百貨店」は@sootomehyakka。

※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 取材、文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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