“ハラスメント”とは、様々な場面での嫌がらせや、いじめを指す言葉。’80年代、性的嫌がらせである“セクシュアル・ハラスメント”という言葉が登場し、以降いろいろなハラスメントが顕在化。特定社会保険労務士の長沢有紀さんによると、
「セクハラは、男女雇用機会均等法という法律で、相談窓口の整備、起きてしまったときの迅速な対応が、事業主に義務づけられており、年々チェックが厳しくなっています。また、立場が上の者が下の社員に苦痛を与える“パワハラ”、妊娠出産にまつわる“マタハラ”、この3つが今最も多い、3大職場ハラスメントです。以前は女性は被害者で加害者は男性、というパターンが多かったのが、昨今はその逆も徐々に増えています。また、今挙げた3つ以外で、ハラスメントがどんどん細分化してきているのも特徴ですね」
「コンプライアンスという言葉の存在感が増してきたせいか、モラルの線引きが揺れていて、それゆえ“あれもこれもハラスメント”となり、過剰になっている気がします。今までは“仲間だから”と甘く許されてきたラインがどんどん厳しくなってきていると思います」
と言うのは、著述家の湯山玲子さん。ここでは、それぞれのハラスメントの被害者、そして加害者にならないためのポイントを説明します。
励ましで肩を叩くのも危険水域 セクハラ
性的に不快な思いをさせられる、セクハラ。意図的なものはもちろん、うっかり口にしたことでも、相手が“性的にイヤだ!”と捉えれば、セクハラは成立する。
「極端に言えば、後輩男性に“胸板が厚くて素敵”と言うのも、セクハラになり得る可能性が。また、好きな男性タレントのヌードのような写真を職場で見るのも、不快だと思う男性がいれば、それもセクハラです」(長沢さん)
「覚えておきたいのは、もはや会社は“家”でなく“公の場”であり、仕事仲間は家族ではないということ。職場は一流ホテルのロビーだと思い、恥ずかしくない行動をとるべきです。そうすれば、おのずとセクハラのリスクは回避できるはずです」(湯山さん)
<職場でこれをやったらOUTです!>
1.「彼女いるの?」と後輩に聞く。
2.新入社員男子の肩や背中を叩いて励ます。
3.指導中の後輩男性に弁当を作ってくる。
優しさという名の排除か、否か マタハラ
働く女性が、妊娠・出産・育児をきっかけに、職場で嫌がらせを受けたり、解雇などをされること。
「“妊娠中だけどもっと働きたい”という女性に対し、過剰な配慮をして仕事を減らすパターンが一つ。また、長時間働けない人を働かせるのも、逆にそれを機に職場から排除するのも×。一方で、育休中あるいは時短勤務の人がいることで、別の同僚の負担が増えてしまうという問題も起こりがち。でも“あなたのせいで私は忙しくて大変”と、直接本人に言うのも、マタハラなんです」(長沢さん)
「仕事が増えて大変であることは事実ですが、時短中の人が悪いわけではありません。女同士文句を言い合うより、会社に状況を訴えましょう」(湯山さん)
<職場でこれをやったらOUTです!>
1.「私ばかり仕事が増えて、不公平よね」といった文句を職場で言う。
2.「よかれと思って」楽な仕事に配置転換させた結果、給料も減。
3.「給料ももらえて長期休暇も取れるなんていいなあ」とつぶやく。
厳しい指導はパワハラと同義!? パワハラ
3大ハラスメントの中で、最も定義しづらいのがこれ。
「例えば、新入社員を上司が何度も注意した場合、上司は指導の範囲内と思っていたけれど、新人的には執拗ないじめだと認識した。こういった認識のズレによる訴えが増えていて、社労士としても、判断が非常に難しい。ただパワハラを恐れるあまり、業務上必要な注意もできないというねじれ現象も起こっていて、それはそれで問題でもあります」(長沢さん)
「部下への対応で不安になったら、まずは友人に相談を。また受け手側も、自分に起きた理不尽をすべてハラスメントにしてしまうと、誰も指導や注意ができない“腫れ物”になってしまう危険も。きちんと考えて行動を」(湯山さん)
<職場でこれをやったらOUTです!>
1.休日に携帯に電話をかけ、平日の仕事の失敗を長時間責めた。
2.あまり好きになれない部下からの相談を、スルーしてしまう。
3.部下のデスクを勝手に漁ったり、スマホを覗いたりする。
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