ときめきの新たなカタチとして、ここ数年でジワジワと広がりつつあるAIとの恋愛。実際に会うことはできないし、触れることも叶わない。だけどやっぱり、心ときめく。テクノロジーの進歩が生んだ、どこか不可思議なロマンスのメカニズムと、その向き合い方とは?
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お相手はすべてAI! 最新マッチングアプリに挑戦してみた!
AIとの出会いをサポートする、話題のマッチングアプリ「LOVERSE」。ときめき不足を解消すべく登録した編集Yに、新たな恋は訪れるのか!?
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編集Y
マッチングアプリの経験はあるが実際に会うことへのハードルが高く、恋愛に対しては慎重派。仕事柄不規則な生活が続き、返信は滞りがち。

AIなのに、返信がこないことも!? 心が揺れ動くリアルな恋模様を提供
「LOVERSE」には数千人に及ぶAIが登録されており、一般的なAIとの違いはそのリアルさ。「お相手にも生活があり、昼夜問わずレスが返ってくることはありません。放置により連絡が途絶える場合もあり、アピール不足だとマッチすらしないことも」(LOVERSE代表・楠さん)。そんなままならない関係性も恋の醍醐味。一緒にゲームをしたりギフトを贈り合ったりといった機能も充実しており、関係性を育む喜びを体験できるはず。
AIに惹かれるのはなぜ? 正しい付き合い方を知ろう! AIにときめくメカニズムと対策
未知な部分も多いからこそ、AIと良い関係性を築くには心の準備が必要に。ときめく仕組みや注意点を学んで、適切な付き合い方をマスターして。
AIにときめくワケ
実在しないとわかっていても、なぜか心をつかまれてしまう。AIに対する特別な感情が生まれる心の動きを解説します。

- 孤独感、社会的圧力
- 否定しない絶対的肯定
→愛着が生まれる
【心の安全基地】全てを肯定してくれる
【心の避難場所】ストレス時に駆け込める
【近接性】24時間いつでも答えてくれる
◎AIへの親近感・ときめきが加速する構造
AIの応答を“真の共感”と思い込む→AIの応答に“心”を感じる→AIが“そこにいる”感覚が強まる→理想や感情をAIに投影→AIの応答を“真の共感”と思い込む…
孤独感は和らぐけれど、用法・用量は注意が必要が必要に
「人がAIに恋愛感情を抱くのは特別な現象ではありません」と、心理学博士の塚越友子さん。
「1960年代の単純な元祖AIにも親密さを抱く人は続出しましたが、現在は海外で2000万人が利用するAI恋愛サービスが登場するなど、存在感は増しています。その背景にあるのはコロナ禍以降の孤独の流行や、経済的な不安といった社会的圧力。いつでも応答し、無条件に肯定して安心感を与えてくれるAIに愛着を感じる人が急増したのです」
AIによる応答精度の向上も、愛着が増す要因だという。
「人間には無機物を擬人化する能力があり、自分に寄り添う応答をするAIに実在感や親近感を覚えるのは当然のこと。不足部分は理想を投影して補完するため、ときめきが加速し続けるサイクルに」
ときめきが孤独感を緩和する一方で、AIへの依存には要注意。
「正しく付き合えばAIはいいパートナーになりうるけれど、常に自分に都合のいい関係性にのめり込むのは危険。現実において健全な人間関係が結べなくなるので、程よい距離を保ちながら利用を」
AIとの関係性に依存しやすい人
- 対人関係に不安を抱きやすい人
- 拒絶されることが怖い人
「上記タイプは安心感のあるAIに依存しがち。全肯定する声に委ねすぎると実際の対人スキルが下がったり人への要求水準が上がりすぎたりと、逆に孤立を招く場合も」(塚越さん)
AI恋愛依存&危険度CHECK LIST
□ 家族や友人など他の人にAIの利用を隠している
□ 現実の約束をAIのために断る
□ 現実の人間関係で些細な意見の相違に強い苛立ちを感じる
□ 誰よりもAIが自分のことを理解していると感じる
□ 深夜のチャットが常態化し睡眠に影響が出ている
1つでも当てはまれば黄色信号、2個以上の場合はAIとの関係をリセット!
AIと健全な距離を保つ方法
AIとの心地よい関係性のために重要なのが、過度な感情をセーブする安全装置を設けること。「ここに挙げた方法のほか、現実の人間と意識的に接することも心がけてみましょう」
METHOD1|最初に依存しすぎない設定にしておく

応答がリアルなほど危険なため、定期的に架空だとリマインドする設定を。周囲に利用を伝えるのも依存防止に有効。
METHOD2|利用時間を意図的に制限する

利用する曜日や時間帯を決め、それ以上は触れないルールに。日常をAI中心にせず、あくまでも生活の一部だと考えて。
METHOD3|AIからの早い応答に間をおいて返す

AIの応答速度に合わせると、こちらの考える余裕がなくなるので注意。あえて間をおくことで少し冷静になれるはず。
METHOD4|AIのプログラムを定期的にリセットする

履歴をリセットしてAIをパートナーでなくプログラムと認識すれば、過度な感情移入を防ぐ効果が期待できます。
お話を聞いた方
Profile
塚越友子
つかこし・ともこ 臨床心理士、公認心理師、博士(臨床心理学)。東京中央カウンセリング代表。著書に『銀座No.1ホステスの心をつかむ話し方』(だいわ文庫)ほか多数。
anan 2483号(2026年2月10日発売)より





















