ノンアル最新系
・ノンアル市場が飛躍的に急成長中。
・複雑な味わいを追求し、美味しさが進化&成熟。
・「ソバーキュリアス」文化がじわじわと浸透。
コロナ禍で健康意識が高まり、ノンアルが注目されるように。自然素材を使い、美味しさを追求して商品を作る流れが加速し、ポジティブに楽しめるようになってきた。あえてお酒を飲まない選択をするライフスタイルを指す「ソバーキュリアス」も根付き始めている。
新ブランド、大手メーカー、地方発。新たな動きが活発。
コロナ禍でのノンアル需要の高まりで、多くの飲食店がノンアルコールドリンクに着目。食中ドリンクの新しい選択肢として、お酒のように楽しむ「オルタナティブアルコール」という言葉も登場した。
「以前からティーペアリングなど、ノンアルと食事を合わせる試みが飲食店を中心に活発化していましたが、’22~’23年にかけて、自宅でもそれを気軽に楽しめるように商品化が顕著になった」と話すのは、フードライターの藤森陽子さん。
「ワインのような複雑な味わいを表現する『Non‐Alchemist』をはじめ、お酒に負けない美味しさを追求するブランドが続々登場。千葉のクラフト蒸留所『mitosaya』がノンアルコール缶をメインに製造・充填する工場『CAN‐PANY』を作り、新潟の『越後薬草』がノンアルコールジンを開発したり、サステナブルやテロワールを意識した商品も増えて、成熟し始めています」
また大手ビールメーカーにも動きが。
「かつてのノンアルビールは人工甘味料などを添加する商品が多かったのですが、今年リニューアルした『キリン グリーンズフリー』は甘味料不使用で風味もよく飲み口も軽やか。前向きにノンアルを選択できるようになっています」
1、ビールに近い爽やかな香味と飲みごたえ。
NZ産の「ネルソンソーヴィン」など3種のホップをブレンドしたキリン グリーンズフリー350ml¥162(キリンビール TEL:0120・111・560)
2、森の中にいるようなボタニカルのアロマ。
減圧蒸留器でボタニカル本来の香りを最大限抽出したTHE HERBALIST YASO NON ALCOHOLIC GIN~森の中にあるラベンダー畑~500ml¥3,348。(越後薬草 TEL:025・544・3050)
3、スパイスをブレンドし、重層的な辛味がはじける。
高知の刈谷農園の生姜に、秋ウコン、カルダモン、レッドチリなどスパイスの風味を重ねた、秋のスパイスのジンジャーソーダ350ml¥680。(CAN‐PANY https://can-pany.com)
4、3種類の紅茶を合わせ、辛口のロゼをイメージ。
アールグレイ、ダージリン、アッサムに、シナモンと洋梨の精油で甘い香りを纏わせたチャールズ720ml¥2,970(Non-Alchemist https://www.nonalchemist.com)
フードライター・藤森陽子さん コーヒー、お茶、お酒全般をこよなく愛する嗜好系ライター。『BRUTUS』『Casa BRUTUS』(小社刊)などで執筆。最近、ノンアルコールドリンクの美味しさに惹かれ、日中からペアリングを満喫中。
※『anan』2023年11月15日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材・文、鈴木恵美 撮影協力・UTUWA
(by anan編集部)